今年も残りわずか。読者のみなさんは、今年はどんなゲームを遊んで過ごしただろうか?もぐらゲームスでは今年、240本以上の記事を掲載。昨年に比べて、本数が大きく増えた年となった。
年末最後の記事となる今回は、2016年にリリースされたゲーム紹介記事・レビュー記事のうち、最もアクセスされた10記事を上位から紹介しよう。自信を持っておすすめできる名作ゲームも多いので、記事の中で気になるゲームが見つかった人は、ぜひダウンロードして遊んでみてほしい。
なお、昨年のランキングはこちらとなっている。
2015年 もぐらゲームスのゲームレビュー人気ランキングを発表!今年注目を集めた記事は?
『ひとりぼっち惑星』
2016年のアクセス1位となったゲームの記事は、これまでにも『ひとたがやし』や『ひとほろぼし』など独特のアートワークや設定が光るスマホゲームを送り出してきた、ところにょり氏の新作『ひとりぼっち惑星』のレビュー記事だ。
スマートフォン向けの放置型ゲームとして、AppStoreのランキング上位を獲得するなど大きな話題となっていた(記事へのアクセスにより、もぐらゲームスのサーバーも一時期重くなるほどであった)。
本作の舞台は、「ジンコウチノウ」同士が延々と戦争を行なっている惑星。そこで、たったひとりだけ存在するいきものが、宇宙からの声を「じゅしん」し、そして自分の声を宇宙へと「そうしん」するゲームだ。
ゲームプレイ開始当初こそ、目的のわからない世界に放り出されてしまうという感触が強いかもしれない。しかし、初めて惑星にアンテナを立て、宇宙からの声を「じゅしん」したとき、プレイヤーの多くはその世界観に心打たれるだろう。
紹介記事:
放置型スマホゲーム『ひとりぼっち惑星』。ひとりぼっちのいきものは、惑星で誰かの「こえ」を探す。
『INSIDE』
アクセス2位となった記事は、影絵で構成されたアクションアドベンチャー『LIMBO』を制作したplaydeadの新作。
LIMBOに引き続いて2Dアクションゲームとなっており、冒頭から結末までまったくの言葉を使わずに、アートのみでストーリーを構築している作品。ステージの演出に加え、ステージに残された状況から背景をプレイヤーに想像させることで物語を伝える手法が特徴だ。
紹介記事:
『LIMBO』のplaydead新作『INSIDE』レビュー 生命があまりにも軽い世界の果てに、少年が見たものは
『Elin』
アクセス数3位は、『Elona』作者の新作『Elin』が開発中であることを紹介した記事となった。
新作『Elin』の設定として、『Elona』と同じ世界観「イルヴァ」を舞台にしているが、続編ではなく、ゲームジャンルもローグライクゲームではなくRPGとなっている。また、Steamのアーリーアクセス登録を目指して開発中とのことだ。公式サイトでのデモプレイ動画から伺える情報として、『Elona』は2Dのローグライクゲームであったが、今作は3Dモデリングのキャラが街の中や酒場を自由に歩き回る様子を見ることが出来る。
なお、制作者の過去作である『Elona』は、公開後10年近く経ったいま、なおも多くのファンに愛されるローグライク・フリーゲーム。システムの根幹的な部分(ターン制、未識別アイテム、死んだらアイテムロスト、など)はローグライク系ゲームそのものだが、本作が他のローグライクと一線を画すのは圧倒的な自由度の高さが大きな魅力であるという点だ。
紹介記事:
名作フリーゲーム『Elona』作者の新作『Elin』が開発中
『ヴェスタリアサーガ』
4位は、今年9月に公開された大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』。亡国の騎士である少年「ゼイド」を主人公としたドラマチックな物語と、戦術性の高いゲームデザインが大きな魅力である本作。12月31日に開催されるコミックマーケットにて、サウンドトラックの頒布も行われた。
『ヴェスタリアサーガ』のゲーム本編としては、各マップごとに特有の仕掛けがあり、それに対してプレイヤーが攻略方法を考えていくというゲームデザインが非常に優れているものとなっている。また主人公ゼイドの前に現れる登場人物たちそれぞれが背負う物語も見逃せない。
プレイ時間としては数十時間ほどの長編だが、ゲーム開始時に難易度を選択できるため、SRPGの苦手なユーザーにも配慮されたものとなっている。冬の長期休みに入る人にはぜひ遊んでみて欲しい作品だ。
紹介記事:
フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』が9月21日公開予定
大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』サウンドトラックが販売予定 デモも公開中
『ファウストの悪夢』
第5位は、台湾発のフリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。日本語で遊べる翻訳バージョンが既にリリースされており、特徴としては『Ib』『魔女の家』をどこか彷彿とさせるような、それでいて本作の強い独自性を持って作りこまれた「物語」と「謎解き」の絶妙なバランスが魅力となっている。またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。
本作で最も特徴的と感じたポイントのひとつは「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さだと感じた。
探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだ。その点、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。
紹介記事:
台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」
『箱庭えくすぷろーら』
第6位は、すき氏により制作されたフリーゲームのアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』。スクリプトエディタ「Hot Soup Processor」 (HSP)によって開発され、精緻に作りこまれたドットアニメーションが印象的で、開発の早い段階からツイッターで拡散され話題を呼んでいた。
本作の特徴はビジュアルだけにとどまらず、見下ろし型のクォータービューで描かれたユニークな世界観、武器やアイテムを使った派手なアクションバトル、プレイヤーを縛らない自由な探索の楽しさ、フリーゲームSRPG『グレイメルカ』などの楽曲も担当した吉松たつゆき氏による全編書き下ろしのBGMと、多くの魅力が詰まっている。
なお、12月30日には、本作のようなクォータービューのドット絵アクションRPGを制作できるツールのβ版「箱庭あにまβver56」が、すき氏により公開されている。こちらも合わせてチェックしたいところだ。
紹介記事:
フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!
『箱庭えくすぷろーら』風のドット絵アクションRPGが作れる!ゲーム制作ツール「箱庭あにま」β版公開
『あなたの事が嫌いです』
第7位は、出てくるキャラクター全員が冷淡な反応しかしないという異色のスマホゲーム『あなたの事が嫌いです』。女の子をタップすることで、どんどん好感度が下がっていくというシステム。どの選択肢を選ぼうとも、好感度は絶対に上がらない。
登場する女の子のうち、気の強い女王様系の「藤代綾」、ギャルな「悠木亜里紗」は、主人公に対して予想通りの嫌悪感溢れた辛らつなリアクションを返してくれるが、印象的なのは、おっとりした図書委員の「園原ひなた」の反応だ。
彼女は基本優しい子なので、口撃はあまり行わない。ただ、こちらに厭忌の目を向けているのを、ポロッと漏らす。全力で嫌悪感をぶつけてくるわけじゃない分、無理に気を使っている分、見ていて大変しんどいものを感じるだろう。タップしていてどんどん変な気持ちになっていくプレイ感を味わって欲しい。
紹介記事:
心を痛めつけるためのスマホゲーム『あなたの事が嫌いです』のおしとやか美少女・園原ひなたちゃんに嫌われてみよう
『Hyper Light Drifter』
第8位は、不治の難病を患った主人公が治療に必要な過去の遺産を求めて探索する見下ろし型のアクションRPG『Hyper Light Drifter』。ゲーム内容としては、かつての『ゼルダの伝説』を彷彿とさせるが、本作のメインは謎解きではなく、探索とバトルにある。
バトル、は剣と銃を用いたスタイリッシュなもの。剣撃を当てると弾丸が装填されるシステムなので、剣で斬ったら下がって撃つ、というヒット&アウェイが攻略の基本となる。剣で草を刈ったり箱を壊したりしても弾丸は装填されるので、『ゼルダ』よろしく草刈りに興じることも。他にもボタンを溜めて放つ回転斬りがあったり、ダッシュで壁にぶつかると転んだりと、『ゼルダ』へのリスペクトを感じられる部分が多々存在する。
またグラフィックにも注目だ。描き込まれた2Dのドット絵はレトロな雰囲気ではなく、現代的なピクセルアートなスタイルとなっているのが特徴。派手めの赤や蛍光グリーンなど、鮮やかな色彩も独特の雰囲気を与えているのも素晴らしい。
紹介記事:
『ゼルダ』や「ジブリ」の影響が息づく『Hyper Light Drifter』は美しくもムズかしいアクションRPGだった
『UnderTale』
第9位は、多くのファンを持つ名作インディゲームRPG『Undertale』。かつて地球では人間とモンスターが共存しており、ある日、互いに衝突して戦争が起きてしまう。長い戦いの後に人間側が勝利して、モンスター達を魔法により地底へと封印する。
物語の舞台は、それから長い時を経た201X年。主人公となる子供は、とある山に登っていたが、この山には「登った者は二度と帰ることができない」という言い伝えがあった。うっかり穴に落ちてしまった子供は、モンスター達が生息する地下世界へ入り込むことになる……。というのがあらすじだ。
もぐらゲームスでは、下記のレビューにて極力ネタバレを排した紹介を行っている。レビューでは登場キャラクターの詳細や冒険のワンシーンなどについて全く触れていないが、未プレイの方へ向けて『Undertale』の魅力をこの上なく堪能してほしいからである。とにかく、ゲームに登場するありとあらゆるものを初めて目にしたときのインパクトが強い作品なのだ。
紹介記事:
名作インディーRPG『Undertale』は、「モンスターを倒す」ことの意味を問い掛ける
『UnderTale』 公式日本語版が2017年配信予定
『トラウマ*トラウム』
第10位は、『クロエのレクイエム』や『幻想乙女のおかしな隠れ家』を作り出したサークル「ブリキの時計」の新作『トラウマ*トラウム』。
本作は西洋風の世界が舞台であり、少女「リリー」や「フィネ」たちを中心とした物語となっている。ゲームシステムとしては、手に入れた「情報」を上手く使いつつ、キャラクター毎の能力を使い分けて進行していく探索アドベンチャーゲームだ。
本作はキャラクターボイス・主題歌付の作品となっており、各キャラクターごとにそれぞれパートボイスを担当している。公式ページでは各キャラクターごとのサンプルボイスも聞くことができる。
また、本作の主題歌「記憶の花」は、幅広い音楽活動などで活躍している霜月はるかが担当。キャラボイスを担当する声優陣も、アニメーションなどで活躍する豪華なメンバーとなっている。
紹介記事:
フリーアドベンチャーゲーム『トラウマ*トラウム』。『クロエのレクイエム』制作者の「ブリキの時計」が新作体験版を公開
『クロエのレクイエム』の「ブリキの時計」、新作フリーゲーム『トラウマ*トラウム』を公開
来年も宜しくお願いいたします
以上、2016年もぐらゲームスの人気記事上位10記事を紹介した。もし今回初めて知った作品で、興味のある作品があったら、ぜひダウンロードして遊んでみて欲しい。
もぐらゲームスでは来年も面白いゲーム作品の紹介や、様々な企画などを行っていく予定となる。引き続き、お読み頂けると幸いだ。