暑さが極まる晩夏の時期。四の五の言っても夏の暑さは身体には堪えるもので、もしもその最中に雪が降ってくれたなら、どれだけ涼しく楽になることだろうか。しかしそんなことは季節が逆の南半球や気温が低くなる余程の高地、あるいは超常的な何かでもなければ起こり得ないことだろう。そしてその超常的な何かが成し得る存在があるのだとしたら、冷気を操る雪女というものも信じてみても良いのかもしれない。
『SUPERゆきおんなちゃん』はSUPERゆきおんなちゃん製作委員会の開発による横スクロール型の2Dアクションゲーム。2021年5月27日に公式サイトにて公開され、同年7月7日からはSTEAMでも配信が開始されている。公式サイト・STEAMどちらからでも無料でダウンロードすることが可能だ。
真夏に降る雪?私じゃないよ
夏の山に季節外れの雪が降る。それは冷気を操るおばけのゆきおんなちゃんの仕業である、とされましたが、当のゆきおんなちゃんこと”ほたる”にはそんなことをした覚えはありません。ゆきおんなちゃんは妹分の”あまね”と共に山一面に雪を降らせたのは誰なのかを探しに行くことにしました。
『SUPERゆきおんなちゃん』は2Dアクションゲームではあるが、内容としてはアドベンチャーゲーム色が強いものになっている。とりわけジャンプが存在しない点が大きな特徴で、足場から足場へ渡っていくプラットフォーマーなシーンはごくわずかにしか存在しない。
プレイヤーはゆきおんなちゃんを操作し、住人のおばけ達と会話をして情報を集めつつ、行く手を阻む敵を攻撃で倒して先へと進んでいくことになる。攻撃アクションは2種類まで「そうび」して切り替えて使用できる。他にも左右どちらかに2連続でキー入力することで高速で移動できるダッシュ、左右に素早くキー入力することで回避スピンを行うことができる。
ゆきおんなちゃんは攻撃やダッシュなどのアクションを行うたびに画面左上の「霊感ゲージ」が上昇し、「霊感ゲージ」が上昇すると攻撃力が上昇するが、敵からの攻撃を受けた際に復帰するための「危険ゲージ」も長くなる。一度攻撃を受けて「危険ゲージ」が出ている時に二度目の被弾をするとゲームオーバーとなり、チェックポイントからのやり直しとなる。
本作唯一の難点と言えるのがゲームパッドには対応していないこと。もしゲームパッド類を使用したいのであれば「JoyToKey」のような入力変換用のソフトを別途用意しておこう。
やっつけなくても大丈夫な親切設計
本作の一風変わっている点として、ボス戦においては攻撃でボスを倒す以外にも制限時間いっぱいまでボスの攻撃を耐えきることでもクリアすることができる。時間切れでクリアした場合でもボスを倒した場合と展開には差異はなく、ボーナスやペナルティ、あるいはシナリオの分岐などは発生しないようになっている。
ボスを倒そうとする場合、霊感ゲージを上昇させて威力を高めた攻撃を当てて行かないと有効打にはなりにくい。しかしながら霊感ゲージを上昇させるということは攻撃を受けてしまった場合のリスクも増すことになり、こちらが攻撃を放つ際の隙を突かれて敵の攻撃に被弾してリトライとなることも多々ある。上手にボスを倒せるようになるには結構なコツが要るので、ボスが倒せないと感じた場合は無理せず時間切れまで粘ることをオススメしたい。
時間切れまで粘る場合は敵の反対側に回り込むダッシュや、全身無敵になれる回避スピンを駆使すればボスの攻撃をかわしきることはそこまで難しくはない。無理にボスを倒そうとしなくても先に進めるため、積極的に攻めないといけないアクションゲームが苦手だという人にも勧めやすい作品だと言えるだろう。
ゆるゆるのふわふわなんだよ
本作の魅力は何といってもゆきおんなちゃんをはじめとするキュートなキャラクター達だろう。フードを被ったり、突如としてスノーボードでターンしたりといったゆきおんなちゃんのアクションの数々は見ていてとても愛らしい。
また、バラエティ豊かな”おばけ”たちが織りなす、日常系の4コママンガを思い起こさせるゆるーいやり取りには思わず頬がほころんでしまう。会話後に新しい「そうび」をもらうことができたり、繰り返し会話をしたりステージを先に進めてから戻ってくることで会話内容が変わることもあり、様々な反応を眺めるのも本作の楽しみのひとつだ。
肩の力を抜いて楽しめる作品に仕上がっている本作。重たいゲームは体力がきついというバテ気味な残暑の締めに触れてみてはいかがだろうか。
[基本情報]
タイトル:SUPERゆきおんなちゃん
制作者:SUPERゆきおんなちゃん製作委員会
クリア時間:60分~
対応OS:Windows, Macintosh
価格:無料
↓ダウンロードはこちらから
(公式サイト)
http://bugyo.tk/~harumak7/zick/game/download/superY/index.htm
(STEAM)