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Channel: フリーゲーム –もぐらゲームス
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今後のアップデートと完成が期待される、注目の制作途中フリーゲーム3選(2022年11月号)

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日々、個性豊かな新作が誕生し続けているフリーゲーム。その中には完成品に限らず、現在制作途上のものもあり、公開後も都度実施されるアップデートで完成に向け、着々と進歩し続けている。

本記事では、そんな制作途上のフリーゲームより注目の3本を紹介。

今回ピックアップするのはRPG2本、シミュレーションRPG(SRPG)1本の計3タイトル。
その内の2本は作風的に暗く、残酷な描写の多いものとなる。
また、3タイトルすべてに共通することで、難易度が全体的に高めでもある。

そのため、今回は好みが分かれるピックアップと言えるかもしれない。
ただ、完成版の登場が期待される作品であるのは揺るぎない事実。少し心構えが必要だが、興味があれば実際に遊んでみて、その魅力をお確かめいただきたい。

目次

  1. ラダイト-Luddite
  2. ダンジョンと女子高生
  3. 死スベキ定メ ~災禍の魔女とエインヘリアルの騎士団~

ラダイト-Luddite

2075年、人間と瓜二つの外見を有するロボット「アンドロイド」が「リラーク社」の手によって開発。人類はアンドロイドを使役することで、あらゆる労働から解放され、安楽な生活を送っていた。
それから10年以上が経ったある日、主人公「木崎ハルヤ」の父親が不審な死を遂げる。疑問を抱いたハルヤは、真相を明らかにするため行動を始めるのだが、そこに100年後の未来からやってきたと口にする謎の男が現れる。そんな不穏なオープニングと共に始まる、ストーリー重視のSFダークRPG。

本編は章で区切られたシナリオに沿う形で展開。本稿執筆時点では序章、第一章の計2章がプレイ可能だ。

なお、序章は世界観、登場人物、そして主人公のハルヤが謎の男と出会うまでの過程を事細かに描く、長めのオープニングになっている。そのため、内容的にはイベント重視。RPGとしての本番は第一章からとなる。

そんな本作最大の特徴は戦闘システム全般。序章でも一部イベントでその一端を体験できるが、6種類ある「構え」の中からひとつを選択し、それによって基礎能力を高めた後、「特技」による攻撃を仕掛けていく戦術性の高いものになっている。「構え」を取るか取らないかで技の効果も変わるため、戦闘では敵の攻撃に応じて切り替えることが重要。さらに「構え」は1ターンを消費する。使い所が悪ければ敵にチャンスを与えることにも繋がるのだ。なので、こちらも敵の行動を踏まえた判断が重要。こうした作りをしているためか、戦闘難易度も高め。特にボス戦は常に総力戦で、文字通り一進一退の攻防を楽しめる。

ストーリーも”ダーク”と称しているだけに陰惨な展開が目白押し。詳しくは言えないが、序章から第一章への劇的な変化には思わず息を飲んでしまうかもしれない。さらにこれも詳細は伏せるが、”死屍累々”な描写も満載であり、そこに攻略への手がかりも隠されている。なぜそんな表現がゲームの攻略に……と思うかもしれないが、実際にその光景を見れば理解できるはずだ。

相応に一連の描写に苦手意識のある人には注意が必要(特に”死屍累々”な描写は非常に多い)。逆を言えば、極めて高い訴求力を宿した作品。歯応えのある戦闘、暗いストーリーの2つの特徴に惹かれたなら、ぜひお試しいただきたい。

[基本情報]
タイトル:『ラダイト-Luddite』
作者:たこいぬ
クリア時間:3~5時間(序章)、10~15時間(第一章)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちら
◇ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/28178

◇フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/roleplaying/game_10232.html

ダンジョンと女子高生

タイトル通り、女子高生4人のパーティが迷宮探索に挑む3DダンジョンRPG。西暦1999年7月に起きた「ダンジョン事変」により、社会がダンジョン(迷宮)なくして成り立たなくなった”もしも”の未来を舞台にしている。

3DダンジョンRPGとしては正統派な作り。1人称視点のフィールドマップ、マス目単位で1歩ずつ進んでいく移動形式、そして踏破した場所の情報を記録していくオートマッピング機能(ミニマップ)など、定番のシステムもほぼ網羅している。視点を固定したまま左右に移動する「カニ歩き」の機能もバッチリだ。
逆を言えば、システム面で際立って特徴的なものはない。戦闘システムも敏捷性の高いキャラクターから行動するターン制のコマンド選択形式と、これまた正統派。ただ、女子高生の4人が魔物相手に戦う構図そのものは色んな意味で珍しさが漂っている。

さらに細かい特徴として、探索などで手に入る武器、防具の類が全て未鑑定というのがある。どんな性能なのかは拠点メニューにある「購買部」にて、鑑定してもらわなければ分からない仕組みになっている。また、経験値が一定量貯まってレベルアップすると「SP」を獲得。これを「総合訓練場」なる施設で各種ステータスに割り振ることにより、特定の能力に秀でたキャラクターへとカスタマイズできるようになっている。そして、レベルアップすると、ダンジョン内で遭遇する敵の平均レベルも上昇。そのため、どんなに強化しても力押しによる攻めができず、ターンごとに適切な判断が要求される戦術性重視のバランスに調整されている。

なので、意外にも(?)難易度は高い。また、レベル上昇で得た力を振るって相手を押し倒す爽快感をRPGに求めるプレイヤーには、かなり好みの分かれる味付けになっている。ストーリー、世界観が緩いのとはあまりにも対照的。それもあって、やり込むたびに渋い3DダンジョンRPGという実態が見えてくる面白さと印象深さもある。

本作のタイトルを見て、「ゆるくて楽しそう~♪」との第一印象を持ったそこのアナタ。
おめでとう。本作への挑戦権を獲得した。
早速、この「ダンジョン探検部」の4人と共に迷宮探索に挑んでいただきたい。

そして、思い知るのである。
ダンジョンでは常に首を跳ね飛ばされる危険と隣り合わせという、年代モノの真理を。

[基本情報]
タイトル:『ダンジョンと女子高生』
作者:外神 都
クリア時間:1~3時間
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料

◇ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/27022

死スベキ定メ ~災禍の魔女とエインヘリアルの騎士団~

政略結婚により、祖国を離れることになった王女の護衛を務める主人公(プレイヤー自身)と兵士たちの活躍を描いたターン制のシミュレーションRPG(SRPG)。だが、王女を除く主人公たちは、本編開始間もなく謎の暗殺者集団の奇襲によって命を落としてしまう。

突然のネタバレをして申し訳ないが、本作はそこからが本番。

死霊となった主人公たちは”災禍の魔女”の異名をもつ「エレノア」により、仮初の命を与えられて現世に復活。限りある魂を消費しながら、奇襲を免れた王女を守る騎士団として、暗殺者集団や魔物たちとの戦いを繰り広げていくのだ。そんな一部を除き、大半のユニットが死霊という設定を特徴としている。

システム面にもその設定を踏まえた独自要素が多い。とりわけ象徴的なのは「SP(Soul Power)」。騎士たちの寿命を示した数値で、敵への攻撃実施のたびに減少。0になると戦えなくなり、ただの駒と化してしまうのだ。そのため、戦闘ではSPを使いすぎないよう、慎重に運用していくことが求められる。

また、SPは戦闘敗北時にも低下。回復させるにはレベルアップ、あるいは「換魂の法」で他のユニットから継承させなければならない。ただし、後者には一定の条件があるに加え、仮に実施すれば継承元のユニットは永久ロスト。当人の持つスキルは引き継がれるものの、二度と使えなくなってしまう。他人を犠牲にして力を得るか、或いは拒否するか。そういったショッキングで心抉る仕掛けも盛り込まれたシステムにもなっている。

他にも詳細は割愛するが、乱数の概念を廃し、ユニットの相性(3すくみ)に重きを置いたゲームバランス、クリティカル攻撃発動に関係する「連携」なるゲージなども独自要素の一例。ストーリーも暗澹としながら、達観した性格のエレノア、常に気丈さを保つ王女という2人のやり取りには独特な力強さが表現されている。「主人公=プレイヤー自身」であるため、随所で選択肢が現れては、異なるやり取りが楽しめるのもちょっとした見所だ。

完成版は全25章予定で、体験版では本稿執筆時点で7章までプレイ可能。システム、戦術性にストーリーまで、本作特有の強烈な個性がほとばしる仕上がりなので、SRPG好きはぜひチェックいただきたい。

ただ、難易度は全体的に高め。簡単な難易度も用意されていない(選択機能自体がない)ので、その点はあらかじめご注意を。

[基本情報]
タイトル:『死スベキ定メ ~災禍の魔女とエインヘリアルの騎士団~』
作者:BLT SAND GAMES
クリア時間:4~5時間(※7章まで)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料

◇ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/29084


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