今回紹介するのは、教会のシスターとなって、3人の死刑囚に施しをするアドベンチャー・フリーゲーム『キュノロドンの牢獄』です。シスターが死刑囚に与えた物や言葉によって、エンディングや後日談が変化するマルチエンディングの形式になっています。1周は10分程度で終わるため、周回プレイ推奨のゲームです。
死刑囚たちの秘密が明らかになったり、死刑囚たちのその後の運命が、プレイヤーの選択した行動に左右されるような展開が魅力の作品です。なお、制作者曰くジャンルは「囚人に救いを与えたいゲーム」となっています。
秘密をもった訳ありの囚人たち
プレイヤーは、死刑囚に施しをする教会のシスター「エナ」として牢獄を訪れます。最初の日は牢獄の看守に案内され、死刑囚たちと顔合わせ。その後、死刑執行までの3日間、施しを与えるため牢獄に来ることになります。
1つめの牢屋にいたのは、若く落ち着いた雰囲気の、クレイオスという名前の青年。言葉遣いは丁寧ですが、その瞳はどこか淀んでいます。罪状は主君への反逆とのこと。
2つめの牢屋には白髪に赤目という、アルビノの特徴をもつ美しい容貌の少年がいました。名前はないが、「コキノ」と呼ばれていたため、それでいいと言います。明るく無邪気な様子ですが、罪状は売淫です。
最後の3つめの牢獄には、体中に傷跡をもつ男性。ぶっきらぼうな話し方で、名前は「ダモン」と名乗ります。罪状は詐欺。
無口で真面目な牢獄の看守。ゲーム中で話しかけても、ほとんど言葉を発しません。
プレイヤーが操作するシスターのエナ。教会から任されたというだけでなく、本人も献身的で優しい性格をしています。
与えるものによって変わる反応。周回プレイで情報収集
施しをする3日間、エナは教会から毎日寄付金1000Gを受け取り、施しとして持っていく物を街で購入します。その後に牢獄へ移り、死刑囚たちに施しを与えるというのがゲームの流れ。
与えた物にはすべてキャラクターごとに違った反応が用意されています。中には好物や、特別な反応を返すものも。メッセージスキップ機能もあるので、周回プレイで情報を集めていきましょう。
牢獄とは対照的に騒がしい街中。若干高価ですが、少し特別なものも買えます。
年相応に甘い物が好きなコキノ。素直に喜ぶ姿には可愛げがあります。
あるアイテムに、ほかの人とはあからさまに違う反応を示すダモン。なにを思ったのでしょうか。
死刑囚たちがたどる運命は、あなた次第
施しとして与えた物や死刑囚との会話の内容によって、エンディングやその後の後日談が変化します。後日談は3人の死刑囚にそれぞれ7つと、看守が2つ、シスターが1つとなっています。
後日談はエンディング後、全キャラクター分表示されるので、別のキャラクターなら複数の後日談を同時に見ることもできます。(後日談はエンディング後少なくとも1つは表示されるので、実質シスターの特別な後日談はなく、看守は1つという感覚になります。)
囚人が心を開けば、過去を語ってくれることも。
囚人が明かした秘密。それを聞いてあなたは……。
最終的に囚人がたどった運命。あなたの選択はどう影響するのか。
死刑囚たちの秘密を知ること、そして、プレイヤーの干渉によってどのように結末が変わるのか。それが気になって、つい夢中になってしまうゲームです。雰囲気も出ているので、暗めの雰囲気でキャラクターたちと交流するようなゲームがしたいという人には、オススメできるゲームです。1周は10分程度、メッセージスキップを使えば数分で終えることもできるので、気軽にできるゲームでもあります。
エンディングをすべて見るのに苦労することもあるかもしれません。そんなときは、制作者がブログで攻略ヒントを出しているので、検索してみましょう。
[基本情報]
タイトル 『キュノロドンの牢獄』
制作者 pinetea 様
クリア時間 1~3時間程度(1周は10分程度)
対応OS Windows 7/Vista/XP/2000 (WOLF RPGエディターの動作環境に準拠)
価格 無料
ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14081
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