本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はデンシ・グラフィックノベル『ghostpia』の最新話公開や、ノンフィールド・リソース管理RPGの新作リリースなど7本です。
超水道、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』第3話配信開始
創作ユニット超水道は5月31日、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』iOS版のアップデートを行い、第3話「はたらくしごとをみつける日」を追加した。ブラウザプレイが可能なノベルスフィア版については、後日アップデート予定となっている。
『ghostpia』は雪に閉ざされた、幽霊の住む町を舞台にしたノベル作品(関連記事)。第3話では主人公の小夜子と新人幽霊のヨルによる仕事探しや、そこから巻き起こる騒動が描かれる。イラスト枚数は約200枚、さまざまな演出も盛り込まれており、ボリューム、密度ともにこれまで以上の内容に仕上がっている。
ノンフィールド・リソース管理RPG『Ark Noir / 箱舟のノワール』がリリース
Amamori Labは5月31日、リソース管理RPG『Ark Noir / 箱舟のノワール』のダウンロード販売を開始した。WindowsおよびMacに対応しており、体験版も公開されている。
沈没しつつある巨大移民船からの脱出を目指すノンフィールド型の作品。ランダムに入手した、使用回数に限りのある武器などのアイテムを駆使して戦っていくというローグライクRPG的なシステムが特徴となっている。幸運を数値化した「FR」という値の管理もポイントで、FRは休息によりHPを回復したり、物資コンテナからアイテムを入手したり、他の乗員を救助したりとさまざまな行動で消費する。
沈没事故の真相に迫っていくアドベンチャー要素も特徴。3人の主人公を選べるほか、条件を満たすことでゲーム開始時にあらかじめセットできるパッシブスキルが増えるなど、周回プレイも楽しめる作りとなっている。
フリーゲーム短編RPG『魔剣少女の物語』公開
個人開発者のRISE氏は5月28日、短編RPG『魔剣少女の物語』をふりーむ!にて公開した。Windowsに対応するフリーゲームで、公称プレイ時間は2~3時間。
亡き父から不思議な力を持つ剣を受け継いだ少女「ラーマ」が主人公の作品。剣を使って村の平和を守りながら暮らしてきたラーマだが、ある目的で村へ訪れた王女「クレア」との出逢いにより、剣の持つ力の真実に触れ、人と人ならざる者の戦いへ関わっていくことになる。展開は基本的にシリアスだが、王女という立場ながらフランクな性格のクレアや、ラーマを支える兄貴分の「エクスシオ」と弟分の「ミドル」など、キャラクター達の賑やかな掛け合いが描かれるシナリオも見どころだ。
戦闘ではスキルなどの使用で消費する「気力」が低下すると被ダメージが上がる要素が特徴で、難易度はやや高め。1戦闘に3回だけ使える特殊技「ブレイドアーツ」なども駆使して戦っていく。バランスタイプ、スピードタイプなどの戦闘スタイルを切り替える要素もあり、スタイルによってステータスや使用可能なブレイドアーツが変化。さらに、瀕死状態でのみ発動可能な自己強化技「リミットブレイク」やリミットブレイク中のみ使用できる特殊技「ファイナルアーツ」といった要素もあり、手に汗握るバトルを楽しめる作品だ。
Unity 1週間ゲームジャムが開催、「転がる」をテーマにした150本以上の作品が集まる
Unity製ゲームの投稿サイトunityroomにて、5月22日から28日にかけて「Unity 1週間ゲームジャム」が開催された。
「Unity 1週間ゲームジャム」は、発表されたテーマをもとに、1週間でゲームを制作して投稿するというオンラインイベント。2回目の開催となる今回のテーマは「転がる」で、サイコロを転がすパズルゲームや、土地を(物理的に)転がしてお金を稼ぐゲームなど、テーマをさまざまな形で解釈したユニークなゲームが150本以上投稿されている。投稿されたゲームはブラウザ上でプレイ可能だ。
趣味工房にんじんわいん、『RPG用音楽素材集 [Yuggdrasill Seed]』ダウンロード販売開始
フリーゲームRPG『ネフェシエル』『イストワール』の楽曲担当としても知られる音楽製作サークル趣味工房にんじんわいんは5月30日、『RPG用音楽素材集 [Yuggdrasill Seed]』のダウンロード販売を開始した。
過去に音楽CDとしてリリースされた『Yuggdrasill Seed -opening episode-』をベースとしたコンテンツ。MP3ファイルのほか、ループ処理が施されたOgg Vorbisファイルが同梱されており、使用権利込みの商品として提供されている。
ALICE IN DISSONANCE、「Patreon」による支援に関する日本語の解説ページを公開
ノベルゲーム『fault』シリーズの開発元である同人ゲームサークルALICE IN DISSONANCEは、クリエイター支援プラットフォーム「Patreon」での同サークルの支援に関する日本語の解説ページを公開した。
Patreonは、毎月指定した金額を支払うことでクリエイターを継続的に支援できる米国のサービス。国内ではEntyやFantiaなどが知られているが、こうしたサービスの先駆けと言える存在だ。英語サイトのため少々とっつきにくい印象もあるが、解説ページではALICE IN DISSONANCEのPatreonで用意されている支援額別特典の内容のほか、Patreonへの登録方法や支援方法も日本語で解説されているので、Patreonがどういったサイトなのか興味のある方もチェックしてみてはいかがだろうか。
なお記事執筆時現在、ALICE IN DISSONANCEのPatreonでは月額4,000ドル弱の支援が集まっている。
てりやきトマト、Fantiaにてファンクラブを開設
同人サークルてりやきトマトは2日、月額制のクリエイター支援プラットフォームFantiaにて同サークルのファンクラブの本格運用を開始した。
てりやきトマトは、フリーゲーム『積層グレイブローバー』『虚白ノ夢』(関連記事)などの作者として知られるフリーランスのクリエイター、カナヲ氏の運営する同人サークル。ファンクラブの会員プランには無料を含む複数のプランが用意されており、無料プランでも開発中のゲーム制作SLG『じげじょ。』の開発状況を確認したり、今後リリースされる同作の開発バージョンをダウンロードできるという。
加えて有料プランでは、開発ブログの閲覧や、通常公開されているゲームに追加要素が実装された「アドバンスver.」のダウンロードといった特典がプランに応じて用意されている。すでに開発ブログの#01が掲載されており、月額100円以上のプランに入会することで、現在開発中の短編ダンジョンRPGについての情報を確認することができる。
なお、同氏は株式会社ドワンゴの電ファミニコゲームマガジンにて連載中のアドベンチャーゲーム『被虐のノエル』の作者としても知られるが、こうした企業と関わりのある案件にて制作したゲームはFantiaで扱う対象外となるとのこと。