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フリゲアクションRPG『BREAKER』などの制作チーム「PhysicsPoint」が原案を務めるアニメ映画が本日公開

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最近では、フリーゲーム制作を基点に様々な創作活動をする方々が増えてきている。
先日もぐらゲームスで取り上げた『大海原と大海原』も、フリーゲームを原作として原作者自ら制作を担当したコミカライズ作品が発売されるなど、制作者の創作活動の領域はゲームを基点としつつも他の媒体にも広がりを見せている。

そんな昨今、フリーゲームのアクションRPG『BREAKER』などを制作したサークル「PhysicsPoint」が原案を担当したアニメーション映画『ガラスの花と壊す世界』が本日1月9日に公開される。

PhysicsPointブログ記事:劇場アニメ「ガラスの花と壊す世界」(Project D.backup)

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(画像はPhysicsPointブログ記事より引用)

【作品PV】

本作は、ポニーキャニオン主催「アニメ化大賞」にて大賞を受賞したPhysicsPointの原作『D.backup』を原案としたオリジナル劇場アニメとなる。映画配給はポニーキャニオンが行い、映像制作は『ソードアート・オンライン』や『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』を作り上げたA-1 Picturesが担当する。
スタッフとしては、『進撃の巨人』のアニメ版OP演出を担当した石浜真史、ノベルゲーム『AIR』『Kanon』『CLANNAD』のアニメ版脚本を手がけた志茂文彦、ライトノベル『変態王子と笑わない猫』のイラストを担当するカントクなど、豪華なメンバーが揃っている作品だ。

今回の映画作品のように、フリーゲームという自由な発想で作るゲームの創作経験を活かして、ゲームを基点としつつ他にも活動を広げるゲーム制作者の方々は、今後増えていきそうだ。

なお、PhysicsPointによって2009年に公開された、世界に終末をもたらす少女の物語を描くフリーゲーム『BREAKER』についても、いまプレイしても色褪せない作品となっているので、アクションRPG好きはぜひ遊んでみてほしい。


短編フリーゲームRPG『歪者行進曲』。高難度な戦闘と狂気の世界に酔いしれる

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今回は、ンギョッポラーヌ氏作『歪者行進曲』という短編フリーゲームRPGを紹介いたします。

ひたすら強敵と戦うためにザコ戦を排除してボスとのみ戦うゲームで、大きな魅力はなんといっても「試行錯誤をして高難度のボス戦に打ち勝つ面白さ」。それに加えて「厨二全開なテキスト」「美麗なマップとBGM」です。

特殊なシステムを使いこなして殲滅せよ!超高難度の戦闘

戦闘の難易度が高い、と聞いてイメージされるのはどんなゲームでしょうか。ボスの火力が高い、回復アイテムが少ない、ザコ敵が強いなどさまざまなパターンがありますが、この『歪者行進曲』は驚異の高火力ボスが特徴です。通常戦闘は序盤にチュートリアル代わりにあるのみで、ほとんどありません。HP・MPの値は敵味方共に低く、一瞬の気のゆるみが敗北につながる、ギリギリのラインの緊迫した戦闘を味わう事ができます。

主人公である「レヌンヴェイド」と「ドラヴォロワ」は、故郷を蹂躙した「憎獄人形0118」への復讐のため、遺跡へ潜ります。その先々で彼らを迎えるのは、一筋縄ではいかない凶悪なボスたち。

本作はWOLF RPGエディター(以下、ウディタ)製で、バトルシステム自体は一般的なターン制のコマンド入力戦闘です。レベルの概念はないので、事前にスキルポイントで技を習得し、装備を整えてから挑む方式となります。敵の情報がある程度戦闘前にわかるようになっており、戦略を立てておくことが必要です。もちろん、高難度の謳い文句どおり敵の攻撃は凄まじいの一言。一撃で戦闘不能になるダメージを放ってきたり、1ターン毎に最大HPの何割も削るステータス異常である「致死毒」状態にしてきたりと種類は様々。対策をせずに初戦でアッサリと勝つのは難しいでしょう。

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一回の攻撃で確実に戦闘不能にしてくる敵も現れる

コマンドは「攻撃」「特殊技能」「回復」「呪印」「防御」の5つ。
「回復」は、味方単体のHP回復と軽い状態異常の治癒、「呪印」は敵の攻撃力を低下&MP吸収、というこのゲーム特有の珍しいコマンドです。更にアイテムが存在しないかわりに、片方が倒れても、もう片方が1ターン耐えきればHP1で蘇生というシステムがあり、これらを上手く利用して戦闘に活かしていかなければなりません。

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メニュー画面では、「TC」というスキルポイントを消費して新しいスキルを覚えたりコマンドを強化したりすることができます。たとえば先ほどの「回復」コマンドは軽い状態異常にしか対応できませんが、強化することで更に上位の状態異常を治癒することができるようになります。スキルポイントには限りがあるので、ボスのタイプを見極めてスキルを取捨選択する戦闘前の戦略が重要になってきます。

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片方が倒れ、敵に先手をうたれる危険な状況。しかし1ターン防御してしのげば、もう一人の味方が回復する。戦略性のあるバトルで、プレイヤーの腕が試される

戦略性の高さだけでなく、ユーザビリティにも配慮

挑戦しがいのある戦闘システムが魅力でありつつ、このゲームは、プレイヤーのユーザビリティにも配慮されている点が多く見られます。例えば、一部の重要なボス戦を除き、逃走可能かつ負けても即座にリトライが可能なので「この装備・スキルでは勝てない」と思ったらいったん引き、準備をし直して再度挑むことができます。回復アイテムもデスペナルティも存在しないので、損することは一切ありません。さまざまな戦略を試しにぶつかっていきましょう。

(※…デスペナルティ:戦闘で負けた際の経験値・所持金減少などのペナルティ)

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加えて、このゲームではいつでもボスの場所に移動できるワープシステムがあるので、一旦諦めて少し遺跡の先に進み、装備などを回収し、気軽にボスに挑み直すことができます。中盤以降では難易度の変更が可能になるので、どうしても勝てない場合は難易度を下げてみるのも一つの手です。

また、主人公の二人には「強さ」、ボスには「適正値」という基準が存在します。強さは武器・防具の質によって決まり、この数値を各ボスの適正値と比べて、戦いを挑むための目安にすることができます。ランクの高い装備で叩きのめすのも、あえて弱い装備で強敵に挑むのもプレイヤーの自由です。

スキルをつけかえたり装備を少し強いものに変えるだけでも、大きく戦況が変わります。ボスの特徴に合わせて、自分なりの勝ち方を見つけていきましょう。

“厨二病”を昇華したテキストセンスに唸れ!

ここまでの敵の名前、技からも感じる厨二病さ。しかしこれは序の口であり、作中で手に入る武器・防具まで、一分の隙もないほどに固められています。

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アイテムの説明までこの調子なので、少しグロテスクでダークな文章や単語に惹かれる人にとっては堪らない濃さを誇ります。

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初期から主人公たちの前に姿を現す、敵の大ボス「憎獄人形0118」。一人称すら定まらない彼のセリフの支離滅裂さが、作中ににじみ出る狂気部分を大きく担っています。

ダンジョン内ではところどころにメモが落ちており、断片を組み合わせて読んでみると物語の背景が浮かび上がってきます。公開サイトにも説明があるように、このゲームは世界観を共有する『歪者行進曲』という作品群の一作目となっており、メモを全て集めても世界の全貌を理解しきるのは難しく、少し謎が残ります。ですが話の大筋自体はそこまで複雑でもなく、主人公たちの置かれた状況は今作で理解できるようになっています。

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パートナーであるドラヴォロワ。主人公の人柄を把握するのに一役買うとともに、ダークなストーリーの中で、彼女との会話が癒しに

思わず立ち止まってしまうマップ構成、BGM

今まで紹介してきたような”厨二”な文章を格好いいと思えるのは、他の部分が狂気的なテキストに見劣りしないクオリティを誇ってこそ。『歪者行進曲』において戦闘やネーミング以外に注目すべき点として、マップとBGMがあげられます。

ボスとの連戦の間には、不穏で不気味な戦場から、鳥が舞う平和な村、奥行きある異空間まで、次々と美しい世界が展開されます。

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思わず進行を中断して、周りを見て歩きたくなるような透明感のあるマップ

さらにBGMは、多くのフリーゲームをプレイしてきた人でも耳慣れない名曲ばかりです。聞けば聞くほど味わい深くなる曲たちが、同じ敵との再戦を飽きさせません。

短いオープニングが終わって訪れる森。そこで、幻想的で切ないBGMと共に、近づくと飛び立つ鳥・人物ごとに違う文章ウィンドウなどの細かい演出に驚き、最初に出会うボスではメタル調の激しい戦闘曲が繰り広げられ、一気にこの『歪者行進曲』の世界に引きずり込まれます。

「高難度」という言葉でプレイを躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、それはあまりにももったいない。このゲームには、試行錯誤する面白さ・戦略がうまく決まって勝ったときの快感がつまっています。バトル好きな方はもちろん、今までハイレベルな戦闘に魅力を感じていなかった方も、ぜひ手に取って「こんなに高揚する戦闘があるのか!」と実感していただきたい。ただの高難度ではなく価値ある高難度を見事に実現している本作、クリアするまでの時間は3~6時間ほどです。
歪んだ美しい世界と、強大な敵があなたを待ち受けています。

[基本情報]
タイトル 『歪者行進曲』
制作者 ンギョッポラーヌ
クリア時間 3~6時間程度。(作者の最短で1時間15分)
対応OS Windows 2000/XP/VISTA/7/8
価格 無料
ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/8528

人気フリーゲーム『Ib』の二次創作展「ゲルテナ展」。1月17日まで開催中!

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(2016/01/16 14:00追記 16日分の整理券は頒布終了した旨がアナウンスされています)

リリースから4年近くが経過したいまも、なお多くのファンに親しまれているフリーゲーム『ib』。今回、そんな『ib』の世界観を再現した二次創作展が、1月17日まで東京渋谷区のギャラリー・ルデコで開催されている。

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東京最終回ゲルテナ展―忘れられた肖像―

今回開催される企画展は、これまでに5回開催されてきた展示だ。コンセプトとしては、原作ゲームである『ib』に登場する芸術家「ゲルテナ」の作品をテーマにしたもので「ゲルテナ氏の作品をよりリアルに描き起こし、ゲルテナ展に迷い込んだような錯覚を引き起こす事を目的とした二次創作の展示会」とされている。

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『ib』原作ゲーム画像

入場料は1500円となっており、以前に開催された展示会のチケット持ち込むことで、300円割引される。そのほか、開催の時間帯や、入場のための整理券配布などの情報が公式サイトに掲載されている。

会場では『ib』の世界観を再現した展示のほか、運営スタッフによる二次創作グッズの販売も行なわれている。グッズ画像は運営ブログにて掲載されているので、ぜひ見て頂きたい。また、参加にあたっての注意事項も掲載されているので、そちらも合わせて読んでみてほしい。

ゲルテナ展ブログ

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会場では二次創作のグッズ販売も行なわれている

なお、今回の「ゲルテナ展」で、東京での開催は最後となるようだ。興味のある方は、これを機に参加することをオススメしたい。

東京最終回ゲルテナ展―忘れられた肖像―

【原作ゲーム情報】
タイトル 『Ib』
制作者 kouri(制作者様ページはこちら)
対応OS Win
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://kouri.kuchinawa.com/game_01.html

中編フリーゲームRPG『クロノスの旅路』。プレイヤーの戦術が問われる「装備合成」と「キャラ育成」

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フリーゲームでは、昨年に引き続きホラーゲームや探索アドベンチャーゲームが人気となっているが、最近では中編~長編のフリゲRPGも再び増えてきた。世界を探索する要素だけでなく、キャラを育成し、どんな戦術を取り、いかにして敵を倒すか、というRPG要素も楽しみたいユーザが増えてきたのかもしれない。

そこで今回は、フリーゲームRPG『クロノスの旅路』を紹介する。本作は、自動生成される世界を進むローグライクRPG『ワールドフロンティア』や、謎解き探索ADV『鏡屋敷の探索』を制作した、こよる氏の作品だ。

内容としては、オーソドックスなターン制RPGでありつつも、同じ装備でも材料によって大きく能力が変わる「装備合成」のシステムや、アビリティや特技の割り振りが鍵である「キャラクター育成」のシステムが特徴的。特に装備合成は、同じ武器を作るにあたっても、材料によって全く違う能力になるなど、装備作成の試行錯誤を楽しめるものとなっている。さっそく紹介していきたい。

祖国を滅ぼされた王女は、魔物を倒す旅に出る

本作の主人公は、緑に囲まれた王国「シルグラン」の王女である「シルヴィア」(名前変更可能)。「ガイアの騎士」の血を引く勇者の子孫である彼女は、16才の誕生日、ガイアの騎士の継承式を控え、城の地下に保管されている「ガイアのオーブ」を見ることになる。

しかし、そこに魔物と思われる勢力が侵攻。城の兵士たちは次々と倒されてしまい、ガイアのオーブも奪われて城は大混乱に陥ってしまう。追い詰められたシルヴィアは、父である王により、従者の「リディア」とともに秘密通路へと逃がされ脱出する。そして、ガイアのオーブに封印された邪竜オピオンの復活を阻止すべく、「封印の島」を目指して旅立つこととなる……。

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主人公である王女シルヴィア。優秀な騎士でもある少女だ

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シルヴィアのガイアの騎士の継承式を控えた日から物語は始まる

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式を前にして、城内には不穏な空気が漂いはじめる

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魔物による急襲で、次々と倒されていく城の兵士たち

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父である王の手により、シルヴィアはなんとか城から脱出する……

本作のゲームシステムとしては、オーソドックスなコマンド入力式RPGとなっている。その一方で、装備合成やキャラクター育成のシステムが考え応えのあるものとなっており、戦いに赴く前の事前準備が重要な要素となっている。

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戦闘はコマンド入力式のターン制戦闘となっている

「装備合成」で自分好みの能力の装備を作ろう

このゲームの特徴は、ゲームの進行やキャラ育成に自由度があり、それらがプレイヤーの選択に委ねられている点だ。具体的なシステムとしては「装備合成」「仲間集め」「キャラ育成」が存在する。まずは「装備合成」について説明しよう。

まず「装備合成」について、このゲームでは、武器や防具は店で買っただけでは装備することが出来ない。店で売っているのは武器や防具の「元素」であり、元素と「材料」を合成することで、初めて装備品として完成するのだ。

装備の材料は、敵を倒したり、フィールドマップ上を歩いていると出現する「ランダムマップ」を探索することで入手することが出来る。装備の元素、そして材料の組み合わせ次第では、非常に強力な装備を作ることも出来る。

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武器屋では完成品の武器ではなく、武器の元となる元素を買うことが出来る

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フィールドに現れるランダムマップ探索することで、装備の材料などが手にはいる

装備合成の例を見てみよう。元素として、剣である「ファルシオン」を設定すると、次に材料の選択に移る。材料には様々な種類があり、その中から3つまで自由に選択することが出来る。どんな種類の材料を組み合わせたかによって、完成時の能力に大きく違いが出てくるのだ。

「ファルシオン」の材料として、鉱物である「重銀」を選択すると、攻撃力が大きく上がる。しかし、一方で命中率が下がってしまう。そこで、2つ目の材料に「パピルス紙」を選択すると、攻撃力はほとんど上がらないが、命中率を上昇させることが出来る。このように、材料ごとの特徴をカバーさせる形で組み合わせることが、良い装備を作る秘訣なのだ。

また、装備合成では、元素と材料のほかに「魔石」も使用できる。これは合成した装備に特定の効果を加えるためのもので、純粋な能力値向上から、武器に付与される「特技」や「アビリティ」を増やすものまで様々なものがある。

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元素を選択した段階だと、武器の基礎能力のみが表示される

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材料と魔石の組み合わせによって、武器の最終的な能力は大幅に変わってくる

行動や選択肢によって、仲間になるキャラが変化

次に「仲間集め」だ。本作では、1周のプレイでは、ゲームに登場するキャラクター全てを仲間にすることは出来ない。ゲームをどのように進行したか、また冒険中に現れる選択肢のうち何を選んだかによって、物語の展開が変わり、仲間になるキャラクターも変化するのだ。選んだ行動や選択肢によっては、シルヴィアたちは善人にも悪人にもなる。重要な選択肢もいくつか出現するので、良く考えて選択しよう。

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大陸を出る前に、村に寄るか、目的地に直行するか?

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中には、今後の展開を大きく変える重要な選択肢も……

アビリティの割り振りが鍵となるキャラ育成

仲間となるキャラクターたちは、それぞれ能力に特徴を持っている。物理攻撃に適したキャラもいれば、魔法攻撃系のキャラ、状態異常で敵を妨害するキャラなど様々だ。

そして、このゲームでは、戦闘などで経験値を手に入れてレベルアップしても、HP以外の能力値は上がらない。能力を上昇させるための方法は、基本的に武器や防具を装備することだ。装備によって上昇する能力値はキャラクターごとに違いがあり、それはステータス画面の「補正値」で確認することが出来る。

また、レベルアップすることによって、「アビリティポイント」がたまっていき、それを消費することで、キャラクター毎に決められた「アビリティ」や「特技」のレベルを上昇させることができる。

たとえば主人公であるシルヴィアは、「剣」のアビリティを持っている。これにアビリティポイントを消費することで、剣のアビリティがLV0からLV1に上昇し、剣で攻撃した時に与えるダメージが大きくなるのだ。また、「身代わり」の特技にポイントを消費することで特技を習得し、戦闘中に味方をかばう技を使えるようになる。

なお、一度消費したアビリティポイントは元に戻すことが出来ない。そのため、このゲームでは、キャラクターが物理・魔法・支援などのどういったタイプか、タイプに応じて、どのアビリティのレベルをあげていくか、アビリティに応じて、どういった武器や防具を作って装備させるか、という戦術的な育成が必要になってくるのだ。ここがゲームのポイントであり、キャラ育成を考える面白さを堪能することが出来るだろう。

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パラメータごとに「%」の付いている数字が補正値だ。100%を基準に、その高低によって、装備品による能力上昇に補正がかかる

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レベルアップしても能力値は上がらない。そのかわりにアビリティポイントが上昇する

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アビリティポイントを消費して、キャラの能力に様々な影響を与えるアビリティを覚えよう

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アビリティポイントを消費することで、戦闘で使用できる攻撃・回復などの特技も覚えることが出来る

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装備に付与されたアビリティや特技も、キャラクターのものとして使うことが出来る

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キャラのタイプや、保有アビリティ、装備……これらをどう組み合わせると最適なのかを考えて育成することが必要だ

本作は、オーソドックスなRPGでありつつも、装備合成やキャラクター育成のシステムをフルに活用して戦いに挑むことが必要になっている。試行錯誤を繰り返して戦いに勝つ、やりごたえのあるRPGを求めている人はぜひ遊んでみてほしい。

[基本情報]
タイトル 『クロノスの旅路』
制作者 こよる(制作者様サイトはこちら
クリア時間 8~10時間程度
対応OS Windows 2000/XP/VISTA/7
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10625

フリゲ音楽のコンピレーションアルバム「ふりっくす!!」。あの人気フリーゲームのアレンジ曲が聞ける!

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これまで数多くの作品が作られてきたフリーゲーム。優れたゲームデザインだけでなく、世界観を演出する「音楽」にも関心を持っている方は多いことだろう。
今回は、そんな「フリーゲームの音楽」に着目したフリゲ音楽の同人コンピレーションアルバム「ふりっくす!!」を紹介する。このアルバムは、1月31日に開催される「freedom game」内にて頒布される予定だ。

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イメージ60353フリーゲームコンピレーションアルバム「ふりっくす!!」公式サイト

「freedom game」

本作の特徴は、様々なフリーゲームで使用されている楽曲のアレンジ曲を楽しめるコンピレーションアルバムというだけでなく、フリーゲーム制作者の方々が、イラスト提供や楽曲のアレンジなどで企画に参加しているところだ。
参加者には、RPGとしての秀逸なゲームデザインが光る作品『ふしぎの城のヘレン』制作者のさつ氏、「ノンフィールドRPG」というジャンル名を打ち出した『雪道』などを制作し、近年ではアナログゲーム『シェフィ』の制作も行なったサークル「ステッパーズストップ」のポーン氏、そして独特の世界観でプレイヤーを虜にしたサークル「アンディーメンテ」の泉和良氏などの名前が挙がっている。フリゲ制作者の他にも、VOCALOID楽曲のイラストなどを担当しているきゃらあい氏など、多くの協力者が参加している。

収録されているアレンジ曲は全11曲。原曲が使用されているゲームタイトルは『ib』、『コープスパーティー』、『Alice mare』、『魔王物語物語』、『HOME TOWN WORK』……などなど。一度は遊んだことのあるフリゲ作品ではないだろうか?

【収録楽曲のPV】

CDに収録されているアンディーメンテ『アールエス』の楽曲に関しては、原作者であるジスカルド氏によるセルフアレンジとなっている

公式サイトでは、収録されている具体的なゲームタイトル、楽曲などの情報が公開されている。素敵な楽曲で彩られるフリゲの世界を、ぜひ楽しんでみてはどうだろうか?

フリーゲームコンピレーションアルバム「ふりっくす!!」公式サイト

ウディコン物語性部門1位のフリゲRPG『アクアリウムス』の作者が描くweb漫画『5Evils』単行本が発売

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フリーゲームの制作者が、ゲームだけではなく幅広い創作で活躍する事例が増えてきている。先日、もぐらゲームスでも紹介した映画『ガラスの花と壊す世界』も、かつてフリーゲームのアクションRPG『BREAKER』を制作した創作サークル『Physics Point』が原案を担当している作品だ。

そこで今回紹介するのは、ゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」を使用して作られたゲームの投稿コンテスト「WOLF RPGエディター コンテスト(以下、ウディコン)」の第五回にて、物語性部門の第1位/総合部門準優勝を獲得したSF風RPG『アクアリウムス』の制作者であるクリロウ氏(コモンクロッド)の描く漫画作品『5Evils』だ。

『5Evils』はスクロール型web漫画アプリ「comico」で連載されており、先日、単行本が発売された。

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5Evils

本作は、魔物に殺されてしまった少年「ジュード」が、獅子の頭をした元人間の魔物「リチャード」の手により不死者として復活させられ、同じく魔物となった仲間とともに、たった5人で魔物の軍団に立ち向かうという物語。特徴的なキャラクターや迫力ある戦闘が描かれるファンタジーの作風が人気となっている。

なお、クリロウ氏が制作したフリゲRPG『アクアリウムス』は、SFの要素が盛り込まれた数十時間の長編RPG。作中ではイベントイラストなどが豊富に使われるなど、視覚的な演出にも注力している。第五回ウディコンの「物語性部門」の第1位を獲得したことからも分かるように、RPGに「物語」を求める層に人気が高かった作品だ。

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アクアリウムス

もぐらゲームスでは、今後もゲーム作品はもちろんのこと、ゲーム制作者の創作活動にも注目して情報を追っていきたい。

フリーゲームRPG『LiEat』。STEAMでの配信が決定!「嘘」を食べるドラゴンの少女の物語を描く短編連作

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以前にもぐらゲームスでも紹介したフリーゲームRPG『LiEat』。本作は、童話をモチーフにしたアドベンチャーゲーム『Alice mare』の作者である△○□×(みわしいば)氏が送る、短期間での連載形式という珍しいタイプのゲームだ。
物語としては、「嘘」を見抜けるドラゴンの少女「エフィーナ(通称エフィ)」と、詐欺師の青年「レオ」のコンビが、行く先々で事件に巻き込まれる中、エフィの能力を駆使し事件を解決していく……という、独特の設定が面白い作品だった。

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フリーゲームを「連載する」とは?特集『LiEat』夏休みに遊びたい短篇集

また、みわしいば氏の新作である『1bitHeart』は、個性豊かなキャラクターが多数登場し、そして「友達作りシステム」というゲームシステムがウリとなるアドベンチャーで、こちらも話題のゲームとなっていた。

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『LiEat』制作者の新作フリゲ『1bitHeart』。「友達作りシステム」が鍵のアドベンチャー

そんな数々のフリーゲームを作り出してきた制作者の手により送り出された『LiEat』だが、今回、Steamによる配信が決定された。


『LiEat』Steamページ

対応言語は現在英語・日本語となっている。配信予定日に関してはまだ未定とのこと。日本国内では作者サイトにてフリーゲームとして公開されているので、まだプレイしてない人は、これを機に遊んでみてはいかがだろうか?

『LiEat』公式ダウンロードページ

フリーゲームRPG『ひびかけ色のキセキ』。魔法使いの女の子が陰謀に立ち向かう物語と、リアルタイムバトルが魅力

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今回も、昨年から公開数が増えてきているフリーゲームRPGを紹介したい。フリーゲームのRPGでは、RPGツクールなどのゲームエンジンを使用しつつも、自作システムを作りこんでいる作品も多く存在する。それらRPGについては、以前にもぐらゲームスでも特集形式で取り上げた。

定番!おすすめフリーゲームRPG作品13選

そこで今回は、自作のシステムが光るノンフィールドのRPG『ひびかけ色のキセキ』を紹介したい。本作の特徴としては、シンプルで見やすいゲーム画面や、「魔法」のカスタマイズが鍵となる戦術、アクティブタイムバトルを採用した戦闘システム、そして難易度選択機能が搭載されており、RPG初心者から、手ごわい戦闘を求めるプレイヤーまで幅広くオススメできる作品となっているところだ。さっそく紹介したい。

魔法使いの女の子たちが、陰謀に立ち向かう物語

物語は、魔法を学ぶ学生たちの集う施設である「学校」から始まる。田舎で教師をしている魔法使い「リジェ」は、とある事情で学校を訪れていた。そこで、現役の学生である「シイナ」と出会う。ひどく慌てている彼女のことを聞いているうちに、突如異形の生物である「魔者」が襲来。リジェとシイナは戦うことを余儀なくされる。そして学校の現役生や、リジェのかつての同級生たちと再会する中で、世界に関する大きな陰謀に巻き込まれていくことになる……。

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魔法を学ぶ学校にて、リジェ(画面左)とシイナ(画面右)が出会う

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そこに、突然異形の生物が……

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現役の学生や、リジェのかつての同級生と再会し、世界に関わる陰謀が徐々に分かってくる

敵の動きを読み、的確に「ガード」を行なう戦闘システム

本作の特徴となる戦闘システムは、ターン制戦闘ではなく、リアルタイムで進行するアクティブタイムバトルの方式となっている。戦闘画面下部のキャラクターのパラメータに表示されている「AP」のゲージが貯まった順に行動できるシステムとなっており、キャラクターの敏捷性(AGI)のパラメータに応じて、ゲージの貯まる速度は変わる。

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リジェのパラメータの下の部分にある紫色のゲージがAPゲージだ。これが満タンになったキャラクターから行動することが出来る

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キャラクターの行動選択時には、画面上部に今後の予想行動順序が表示される。こちらも参考にして立ち回りを決めていこう

特徴的なシステムが、リアルタイムで進む戦闘中に、キー1つで「ガード」を行なうことが出来る点だ。ガード行動に対応するキー(キーボードの場合、初期設定ではXキー)を押している間、APのゲージの貯まりはストップするが、その代わりに敵から受けるダメージを軽減することが出来る。

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ガードをしている間は、各キャラのパラメータに盾のマークが表示される。この間、APゲージは貯まらないが、防御態勢で敵の攻撃を受け止めることが出来る

物語が進むごとに敵の攻撃は激しくなっていくので、ガードのタイミングを誤ると大きな痛手になることもある。敵の攻撃を恐れるあまり、あまりにも長い間ガードをしていると、APゲージが貯まらず攻撃に移ることが出来ない。RPGでありながら、まるでリアルタイムのアクションのような要素が存在するのだ。
なお、敵のAPゲージは、戦闘コマンドである「アナライズ」を使用しないと見ることが出来ない。アナライズは同じ敵に3回まで実施することができ、回数に応じた敵の情報を見ることが出来る。一度アナライズした敵は、以降出現してもアナライズ済みの状態となる。

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ガード時にはダメージが軽減される。後半になるほど敵の攻撃は強力になっていくので、守りのタイミングが重要になってくる

進行はステージクリア形式のノンフィールドRPGとなっている。基本的には、戦闘準備を行い、現れる敵を倒すということを繰り返していく。戦闘準備画面の「Progress rate」で、ステージの進行度が分かるので、参考にしよう。

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Progress rateが100%になるとボスが登場する。ボスを倒せばステージクリアとなり、次の章へ進むことが出来る

「魔法」のカスタマイズが鍵となる、戦術性の高いシステム

本作の戦闘は、基本的に「魔法」を使用して戦う。通常攻撃やアイテムは存在せず、攻撃・回復・補助など全てを魔法を使うことによって行なう。戦闘中に使用できる魔法は、キャラごとのステータス画面で装備品のように付け替えることが出来る。キャラクターのレベルが上がるごとに使用できる魔法が増えていき、装備できる魔法の属性は・数はキャラクターごとに異なる。

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ステータス画面で魔法の装備を行なうことが出来る。属性ごとに特徴の異なる数々の魔法が存在する

魔法にはそれぞれレベルが存在しており、装備した魔法に対して、キャラクターたちがレベルに応じて持っている「SP」、または魔者を倒した時に入手できる「エナジー」を割り振ることで強化を行なうことが出来る。レベルを上げた際の効果は魔法ごとに様々で、攻撃魔法であれば、ダメージ量の増加、攻撃回数の増加。回復魔法であれば、治せるステータス異常の種類の増加など、様々に変動するのだ。
魔法に割り振ったSPやエナジーは、スキル画面でいつでも振り直すことが出来るため、戦闘に詰まったら魔法レベルの割り振りを見直してみるのも良いだろう。

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キャラクターの持つSPやエナジー(画面右下の「E」)を消費することで、魔法のレベルを上げることが出来る。キーボードの場合、初期設定ではAキーを押せば、スキルのレベルを上下することが出来る

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戦闘中に使えるのは装備した魔法のみ。状況に応じたチョイスが必要となってくる

このゲームでは、このように魔法を主軸とした戦闘が行なわれるため、戦闘中は魔法を使うために必要な「MP」に常に気をつけなければならない。戦闘中にキャラクターのターンが回ってきた時に選択できる「チャージ」のコマンドで、自分のMPを回復したり、また「リンケージ」で他のキャラのMPを回復することも出来る。これらの行動はキャラクターの持つスキルによって、MP回復以外の様々な恩恵が付与されることもあるので、上手く活用しよう。

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戦闘中のコマンドでMPを回復することが出来る。いざ魔法を撃とうとした際にMPが足りないという事態に陥らないよう注意しよう

本作は、これまで紹介したアクティブタイムバトルや魔法のカスタマイズといった特徴的なシステムに加え、画面の設計やチュートリアルなども上手く作りこまれたものとなっている。ゲーム開始時に難易度を選択することが出来るため、戦闘は苦手だが物語を楽しみたいという人も遊ぶことが出来る。プレイ時間は5時間ほどとなっているので、休日にぜひ遊んでみてはいかがだろうか?

[基本情報]
タイトル 『ひびかけ色のキセキ』
制作者 ecoddr(制作者様サイトはこちら
クリア時間 5~10時間程度
対応OS Windows 7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10983


フリーゲーム『ムラサキ』。シンプルで楽しい爆発パズル物理アクションがPlayismで配信開始!Steamでの配信も予定

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『愛と勇気とかしわもち』や『いりす症候群!』、『魔王物語物語』で知られるゲーム制作サークル「カタテマ」から6年ぶりにリリースされた新作『ムラサキ』。

もぐらゲームスでも以前に紹介記事として取り上げたが、公式サイトで謳われている「シンプルで楽しい爆発パズル物理アクション」という文句の通りの作品で、弾幕シューティングのような面白さも楽しめるゲームシステムが魅力的だ。そして世界を彩る音楽やグラフィックも魅力的で、見逃せないものとなっている。

『魔王物語物語』『いりす症候群!』のカタテマから6年ぶりの完全新作が登場。連鎖爆発パズル物理アクション+弾幕ゲー、その名も『ムラサキ』!

そんな『ムラサキ』だが、先日PCインディゲームのプラットフォームであるPlayismからの配信が開始された。

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Playism『ムラサキ』配信ページ

Playismでは、カタテマの過去作である『魔王物語物語』も配信されている。こちらは「物語」をテーマにした幻想的でメタフィクショナルな物語が展開されるRPGとなっている。敵キャラクターとまとめてエンカウントできるシステムや、拾えるものはなんでも装備できるシステムも特徴的で、プレイヤーに試行錯誤を楽しませてくれた。

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Playism『魔王物語物語』配信ページ

数多くの名作フリーゲームをリリースしてきた「カタテマ」の新作『ムラサキ』。まだプレイしていない方は、ぜひ遊んでみてはいかがだろうか?
なお、『ムラサキ』はSteamでも配信が予定されているようだ。こちらも続報を楽しみにしたい。

フリーホラーゲーム『雨宿バス停留所』。小説版が発売!

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昨年もぐらゲームスでも紹介したフリーゲーム『雨宿バス停留所』。ホラーゲームのキモとなる「怖さ」の部分だけではなく、「友情」というテーマの物語を描いた作品として人気となった作品で、場面の要所に入るボイス演出も特徴的だった。

フリーホラーゲーム『雨宿バス停留所』。「怖さ」だけでない「友情」を描いた物語

そんな本作が今回、ノベライズされて発売された。


『雨宿バス停留所』小説版

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『雨宿バス停留所』ゲーム画面


実況者「猫マグロ」氏による実況もされている

本作は、ゲームシステムだけではなく物語も魅力的な作品だったので、小説の物語としても楽しめる印象を受けたゲームだった。まだ原作を遊んでいない人は、これを機にぜひ遊んでみてはいかがだろうか?
また、本作を制作したサークル「月の側面」のかおる氏は、新作として「現実世界と同じ時間が流れる世界での生活を楽しむ」という独特なシステムが面白いゲーム『黒ノブラン~魔女と使いの懐中神話~』も公開している。こちらも合わせてプレイしてみてはどうだろうか。

制作サークル「月の側面」公式サイト


『雨宿バス停留所』小説版

台湾発のフリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』や『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」

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「もし、君が本当にここから出たいなら、
 私が帰り道を教えてあげましょう。」

クレヨンで描かれた物語は動き出し、
そこで映しているのは幻想か、それとも記憶か。

「しかし、もし君がここで過ごした時間を、たとえ一秒でも名残惜しく思ったら…
あるいは『この素敵な一時が、この瞬間が止まったらいいのに』などと言ったら、
それは君の負けです。」

彼女は燭台を手にし、悪夢の出口を探し始める。

-ファウストの悪夢 公式サイトより引用-

 
最近では、アジア圏のフリーゲームやインディゲームの中で、日本語に翻訳されてリリースされる作品が増えてきている。昨年の東京ゲームショーで出展されていたアジア発のゲームは、以前にもぐらゲームスでも紹介した。

インディーゲームはアジアも熱い!東京ゲームショーで見つけた台湾・韓国・中国の作品5選

フリーゲームで人気のジャンルである探索アドベンチャーゲームも、その例にもれず、アジアの作品が登場してきている。そこで今回は、台湾発のフリーゲーム『ファウストの悪夢』を紹介しよう。

本作は日本語で遊べる翻訳バージョンが既にリリースされており、特徴としては『Ib』『魔女の家』をどこか彷彿とさせるような、それでいて本作の強い独自性を持って作りこまれた「物語」と「謎解き」の絶妙なバランスが魅力となっている。またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。早速紹介していきたい。

猫と悪魔に導かれる少女と「夢」の物語

父を亡くした少女「イリザベス」は、父の葬式の後、叔母に連れられある屋敷にやってきていた。その屋敷とは、イリザベスの父が生前持っていた屋敷だった。屋敷に入った叔母の後を追うイリザベス。叔母を見失った彼女はそこで、不思議な格好をした紫色の悪魔に出会ってしまう。悪魔から逃げようとするイリザベスだが、屋敷の外に出るための扉が消えてしまっていた。そして、突然現れた黒い猫にも導かれるように、狂気と謎に満ちた屋敷の中を探索することになる……。

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本作の冒頭。父の葬式に参列するイリザベス

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父の残した屋敷に足を踏み入れる

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屋敷で出会った「猫」と「悪魔」に誘われるようにして、イリザベスは夢のような世界を彷徨う

本作の形式としては、謎を解きつつ物語を進めて行くというオーソドックスな探索アドベンチャーとなっている。
特徴的な部分は、主人公であるイリザベスの体力と、プレイヤーの見える視界の広さが比例しているシステムだ。イリザベスが持っているランプにマッチをつけると、そのたびに視界が広くなる。一方で屋敷にいるネズミなどのキャラに触れると、持っているランプの光が弱まっていく。ランプの光はイリザベスの体力にもなっており、光が消えると、屋敷の寝室のベッドに強制的に戻されてしまう。障害となるキャラなどを避けつつ、屋敷の謎を解いていくことが重要だ。

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ランプの光の明るさは、イリザベスの体力も意味している

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マッチを付けると、ランプの光が大きくなり視界が広がる。ランプの光はイリザベスの体力でもあるので、なるべく明るい状態を保とう

本作の狂気と幻想に満ちた世界観に合致した謎解きも見逃せない。謎解きに使用するアイテムは、屋敷の中に存在するモノに対応したアイテムとなっているケースが多く、「鍵を手に入れて、扉を開ける」といったものだけではなく、「探索して手に入れたアイテムを、どこで、何に対して使うか?」という、考える楽しみが上手く作られている。
単にアイテムを見つけるだけではなく、使い道を考えることも謎解きの一環となっているのだ。謎解きのヒントとしても、気が付くのがやや難しいものも中には存在するが、ヒントの出し方として丁度良いと感じるのものも多い。そのバランスから「自分の力で謎を解きたい!」と思わせてくれるものになっており、ゲームデザインとして感心させられる出来となっている。

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アイテムは手に入れるだけでは意味が無い。使い道を考えることで、はじめて有効なものになるのだ

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謎解きのヒントは屋敷のいたるところにある。中には読み解くのに一捻り必要なものも

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屋敷内に存在する本の内容が、ときには謎解きのヒントになるときもある。物語の世界全体がヒントになりうるデザインは巧みの一言

イリザベスを導き、そして惑わす人々

謎に満ちた屋敷を探索するイリザベスの前に現れるのは、不思議な人物や動物たち。今回は、そんなキャラクターたちを紹介しつつ、物語を追っていきたい。

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屋敷に迷い込んだイリザベスを惑わす紫色の悪魔「メフィストフェレス」。幾多の場所で現れては、意味深な言葉を呟く

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時にはイリザベスと共に屋敷内を探索してくれる「猫」。ネズミを遠ざけてくれる能力や、謎解きのヒントをくれるので、大いに助けになってくれるだろう

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イリザベスの前に突然現れる男性。誰かを探しているようだが……

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帽子を被った謎の人物の正体は?

このゲームの物語は、こういった人々と会うだけでなく、屋敷内で見つけることの出来る日記や、童話をモチーフにした書物を、プレイヤーが主体的に読み解いていくことで浮かび上がるものとなっている。得た情報をまとめて、自分の中で物語を組み立てていく楽しみもあるのだ。

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物語の背景の多くは、誰かの手によって書かれた日記の形式で語られていく。この屋敷で、一体何があったのだろうか?

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童話を改変した物語が書かれている意味深な書物も

本作の日本語版はリリースしたばかりという事もあり、修正中の文章も見られるが、物語としては理解できるものとなっている。本作は物語が明示的に語られるというよりかは、「プレイヤーがゲーム中で情報を集めて、物語を組み立てていく」という側面が強いものとなっているので、ぜひクリアしてから「この物語は、どういうことだったんだろう?」と考察を行なってみてほしい。

最後に、筆者が本作で最も特徴的と感じたポイントのひとつは「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さだと感じた。
探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだ。その点、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。

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本作で探索する屋敷のマップは、どこも「ここで、何かが起こる」と感じさせてくれる点で、世界観や物語、そして謎解きへの誘導を巧みに演出している

こういった、探索アドベンチャーゲームにおける「物語」と「謎解き」の関係性は、『マヨヒガ』『ダンス・マカブル』などの名作アドベンチャーゲームを作り出したサークル「小麦畑」のoumi氏が、フリーホラーゲーム『Ib』や『魔女の家』などを参考作品としてインタビューにて語っている。興味のある方はぜひ参考にしてほしい、アドベンチャーゲームの制作技法のキモが詰め込まれている。

名作フリーゲーム制作者が考える「ゲームの作り方」のコツとは? 小麦畑主宰 oumi氏インタビュー

[基本情報]
タイトル 『ファウストの悪夢』
制作者 LabORat Studio(制作者様サイトはこちら
クリア時間 5~10時間程度
対応OS Windows 7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/11136

2015年下半期・フリーゲームの潮流~ホラーゲームの傾向、大作RPGの出現、リアルイベント……フリゲの現在を語ってみた

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もぐらゲームスにて日頃紹介を行なっている「フリーゲーム」。2015年の下半期にも、様々な話題が生まれていた。今回は、そんなフリーゲームを振り返り、「半年間で何があったか?」「話題の作品は?」などをもぐらゲームスで語り合う恒例の座談会を行い、そして2016年のフリゲはどうなるんだろう?と考えてみた。

作品ごとに「ここが面白かった!」という内容も語ったほか、「フリゲの情報をどこで見つけるのか?」という話や、創作者向けのツール情報やサービスなど、環境の変化についても話題となったので、フリーゲーム好きだけでなく制作者の方もぜひ読んでほしい。「このゲームも話題だった」というご意見がある場合は、例によってTwitterやはてブなどでコメントを頂ければ幸いだ。

2015年下半期の話題を振り返る!

Noah
では、2016年になってだいぶ経ってしまいましたが、「2015年のフリーゲームはどうだったのか?」というテーマで毎回恒例の座談会をやっていきたいと思います。よろしくお願いします
poroLogue
前回(2015上半期)の座談会はこちら

2015年上半期・フリーゲームの潮流~フリゲの現状と、話題作の特徴をじっくり語ってみた

2015年は、ゲームシステムにこだわりがある作品が増えた気がするね。それはホラーゲームにも顕著に出てて、絵面のインパクトだけでなく、まさに「アイデアの勝利」という作品が多かった。

水原由紀
特にRPG系統はその傾向が強かったですね。短編・長編問わず
すんくぼ
2015年末~2016年前半にかけて「ホラゲは食傷気味」みたいな話が出てたところだから、しっかり進化したということかねえ
Noah
具体的にどんなフリーゲームがあったかな
poroLogue
例えばすんくぼがレビューしていた『アイシャの子守唄』とかはそうだったかな。暗い施設を探索する中で、懐中電灯を使っての「キャラクターの振り向き」に着目した視覚的なギミックが面白かった!

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『アイシャの子守唄』(DLはこちら

すんくぼ
『アイシャ』は良かったね。振り向くのが怖かった。それはたぶん2Dの非常にシンプルな操作性ながら、演出がうまくできているということだろうなと。
水原由紀
相変わらずスペックの都合なんかもあって、フリーゲームは(多分これからも)2Dが主流ですが、それゆえ込められるものも多分にありますからねえ。アイシャは確か左右移動だけ、でしたね。プレイヤーの動きに制限がかかるし、視界もかなり悪いのですが、それゆえの怖さや面白さが。
すんくぼ
VRじゃなくても怖いものは怖い!
poroLogue
主な登場人物が妹と兄なんだけど、視点が現在と過去に別れていて、それらをプレイヤーが読み解いていくという構造も面白かったね。エンディングも考察の余地があるもので、余韻が残る作品だった。

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懐中電灯を使った視覚的なギミックや、現在と過去が交差して進んでいく物語構造が面白い

Noah
ホラーゲームは、結局いまのところどうなのかな?少し盛り返してきてる?
poroLogue
2015年上半期から下半期にかけて、特徴的な作品が多く出ていたけど、いまは安定期に入った印象かな。ジャンルの人気自体は続いていて、ふりーむ!のDLランキングを見たりすると、定期的にトップに上がってきてはいる。 「ホラーゲーム界隈が成熟してきた」という感触はあるかな。
水原由紀
そうですね。ちょうど一週間前にリリースされた『狂い月』も週間DLの一位に入ってましたし、まだまだホラーADVの人気自体は根強いのかな、と。一定以上のプレイヤーは間違いなくいるでしょうし。

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『狂い月』(DLはこちら

みんなはフリーゲーム情報をどこで手に入れる?

Noah
みんなどのへんでフリーゲームの評判を聞いてDLしてくるんだろう
poroLogue
夢現さんやふりーむ!さんなどのDLサイト、あとはSNS上のシェアや、作者さんのアカウントをチェックしている感じかなと。最近メディアミックスなどで取り上げられる作品が増えたけど、それらはある程度の有名作品が多いので、そこから知ってDLが増えるというケースは、あまり想像が付かない気はするな。
Noah
だよね。実況とかでも最近はフリーゲームが上位に入ってくる頻度はめっきり減ってしまったので、気になってはいた。
水原由紀
私の後輩にあたる高校生数名に聞いたところ、ふりーむや夢現をチェックしている人は一定数いるみたいですね。ただそれよりもTwitter経由の方が多いそうです。作者の方が新作をリリースした旨をツイート(スクショつきで)→RTで回ってくる→「あ、なんかキャラがかわいい/面白そう/etc…」でとりあえず落としてみる、らしく。実況は、今年は夏頃からSplatoonとマイクラだらけでしたからねえ
すんくぼ
フリゲもソーシャル……
poroLogue
SNS経由のチェックと聞いて思い出したのが。以前もぐらゲームスで、ホラーアドベンチャーゲームの『狂骨』の紹介記事をTwitterでツイートした時に1000RT近く拡散されたんだよね。すんくぼの書いた『ib』の二次創作展「ゲルテナ展」も同じくかなり多かった。こういったフリゲ情報のチェックに、SNSはかなり使われてるんだなあと

明治浪漫の世界を探索するフリーホラーゲーム『狂骨』。帝都の博物館で怪異の正体を暴け!

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『狂骨』(DLはこちら

Noah
実際にゲームをやるのと、ゲームをやってるのを観るのとでは、どっちがいいというわけではないけど体験の質は全然違うとは思っていて、Twitterをみてフリーゲームを実際にやる人が増えてるかもしれないのは良いと思う。
すんくぼ
やはりTwitterがメインなのかな?Facebookはもともと少ないと思うけど
poroLogue
あとは、LINEとかのグループ内で情報交換し合ってるのかね。ホラゲとかに限ると中高生のユーザも多いだろうから、Facebookが少ないのは確かに分かる気がする。
水原由紀
Twitter、Pixivあたりで共有してるんでしょうね。
Noah
中学校とか高校で、リアルなコミュニケーションとして口コミで流行ってる可能性はあるのだろうか。自分が中学・高校のときは割と、チャットってよりはリアルに人から聞いてやってたフリーソフトとか多かったイメージだけど。
水原由紀
同じ学校内でプレイしている人の集団というかクラスタ?はあると思いますよ。先述した後輩の高校生に聞いたところ、そういうグループがあるらしく。お昼休みなんかによく話してそうですね。

『狂骨』や『ib』の二次創作イベント「ゲルテナ展」はTwitterで1,000RTほど共有された。フリーゲームの情報収集のツールとしてSNSは盛んに使われているようだ

poroLogue
なるほどね、クラス内にインフルエンサー的な人がいて、段々流行っていく感じなのかな。
水原由紀
確かに、誰か一人が詳しいからそこから広まるケースの方が多いんじゃないかなーという気はしますね。同時多発的にみんなが一斉にプレイを始めるというよりは。
Noah
いずれにしても「仲間がやってるから」という感じの伝播方法っていうのはかなり今強いという仮説はありうるね。
すんくぼ
まあそのあたりの構造はあまり昔と変わらず。ツールがLINEなりTwitterなりと増えた感じで波状に広がっていくんだろうね

練られたゲームシステムの採用で進化するホラーゲーム

poroLogue
Noahの言っていた「ホラゲがいまどうなっているか」ということに話を戻すと、『アイシャの子守唄』みたいな、ゲームシステムのアイデアが面白い作品が最近ヒットしているね。
水原由紀
逆に言うと凝らないとヒットさせる、多くの人に遊んでもらうことはより難しくなってきているみたいですね。昨年あたりからすでにその傾向はありましたが……
poroLogue
たしかにそうだね。参入が多い分、どこか特化した部分がないと、目に留まることが難しくなるという……。そういう点だと「ホラーゲーム」と「ローグライク」の二つのジャンルを混ぜ合わせた『RxHpsychosis』は個人的に印象的だったかな。ふりーむの週間ランキングでも、『魔女の家』『恐怖の森』に続いて3位になっていた時期があったね。

フリーホラーゲーム『RxHpsychosis』。ホラー×ローグライクという恐怖の新機軸

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『RxHpsychosis』(DLはこちら)

poroLogue
これは『Crypt of the NecroDancer』的なジャンル横断のゲームで、「通路に入ると視界が制限される」というローグライクのお約束が、こんなに怖い演出になるとは思ってもいなかった。怪物を撃退していくアイテムに制限があるのも緊張感があって面白かったなあ。
水原由紀
ローグライクのお約束ですね。「視界が悪い」「先が分からない」ことがホラー系と効果的に結びついた、と
poroLogue
そうそう。今後は、ホラーの文法だけでなく、ほかのゲームジャンル、はたまたゲーム以外のジャンルから、面白さのエッセンスを引っ張って、結び付けられるゲームが注目される気がするな。

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ローグライクのお約束とホラーを結びつけた絶妙なゲームデザイン

Noah
だいぶ高度な次元に到達してきてるよね。そういう意味では、ツールとしてRPGツクールが適しているのか問題はある
poroLogue
ツールも色々と出てきているしね。例えばノベルゲームなら、ノベルスフィアやScript少女のべるちゃん、ティラノスクリプトなど、ノベルに特化したものも出てきているし。

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ノベルゲーム・ADV特化のゲーム開発コンテスト『TyranoGameFes2016』開催!。賞金総額は30万円

Noah
吉里吉里とかもそうなんでしたっけ
poroLogue
吉里吉里もそうだね。ノベルゲーム制作での定番といえば「ひぐらしのなく頃に」も作られたNScripterもそうかな。
Noah
「フリーゲーム」というとどうしても、一定の形式をイメージしてしまうところはあるんだけど、今後はだいぶその幅が広がってくるかもしれないねー
すんくぼ
コンシューマーとかインディと呼ばれるようなゲームと比べても引けをとらない面白さのフリゲってのが元々もあったけど、さらに幅は広がりそうだね
水原由紀
ホラーゲームもツクール製とウディタ製で分かれますしねえ

話題となった大作RPG『ざくアク』、『イニシエ』

poroLogue
そういったツールの話で言うと、去年話題になった大作RPGについて『ざくざくアクターズ』はRPGツクール制だけど、『イニシエダンジョン』はブラウザゲーム、『TIME FLOW』はWOLF RPGエディタ制で、多様なものがあるね

ブラウザフリーゲーム『イニシエダンジョン』。ハクスラの「爽快感」とローグライクの「緊張感」

フリーシナリオRPG『Time Flow』。あなたが選び取る物語と、名作から受け継がれた冒険の楽しさ

水原由紀
大作RPGは……なんか去年、やたらと豊作じゃありませんでした?数十時間クラス、完成度が高いタイトルがめちゃめちゃ多かった気が……

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『ざくざくアクターズ』(DLはこちら)

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『イニシエダンジョン』(プレイはこちら)

Noah
うん、RPGは非常に去年は多かった。特に去年後半?
すんくぼ
『Tactical Chronicle』あたりから増えてきたような
poroLogue
たしかに去年後半からかなり増えてきたね。10時間未満の中編も含めると、今年になってからさらに数が増えてるかな。『Tactical Chronicle』はレビュー記事も相当多く読んでもらえていて、RPGへの注目度合いが高いことをひしひしと感じた。

大作フリーゲームRPG『Tactical Chronicle』。100年間かけて自分だけの戦術を完成させろ!

poroLogue
フリゲ2015でも、RPGはかなりランクインしていたね。去年後半に出た作品のほか、『イニシエダンジョン』と『ざくざくアクターズ』はやはり注目度が高かった

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今年のフリーゲームランキングは?「フリゲ2015」の結果がついに発表!

すんくぼ
圧倒的な得票数の接戦だったね
水原由紀
ここだけ異常なくらいの得票数でしたね。なんともはや
Noah
フリーゲームユーザーは、一時期は(全体としては)結構軽めのものが好みの人が多いのかとも思っていたけど、別に長編でも良いものは遊ばれるんだねという
poroLogue
そこは仮説だけど、プレイ時間が短めでライトなホラーゲームは中高生にヒットして、重厚な長編RPGは、これまでのコンシューマが好きだった人にヒットする感じで、フリゲのユーザ層が上手く分かれている気がするね
水原由紀
年齢にして15~20歳の層と20~30歳くらいの層で分かれてそうですね

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『TIME FLOW』(DLはこちら)

増加傾向にあるフリーゲームのリアルイベント

poroLogue
『ざくざくアクターズ』と言えば、東京で開催された『ざくざくアクターズ』のコラボイベント「ハグレ王国コラボレーションカフェ」に参加したときも、だいたい水原くんの言ってた年齢層くらいの人が多かった印象かな。20代中盤的な。こういったコラボカフェイベントだけじゃなくて、他にもフリーゲーム関連のイベントが増えたことも印象的だったね
Noah
ゲルテナ展を筆頭に、結構見かけるようになってきたね。注目度も結構高い

あの人気フリゲRPGがカフェに!ざくざくアクターズ「ハグレ王国コラボレーションカフェ」11月20日から開催

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人気フリーゲーム『Ib』の二次創作展「ゲルテナ展」。1月17日まで開催中!

水原由紀
リアルイベント、結構みんな飢えてますよね
すんくぼ
結構賑わってるのかな?
水原由紀
他のコンテンツだとグッズを買うわけですが、フリゲはそうもいかないですから、リアルイベントでグッズ買えたりするのはうれしいのかも
poroLogue
個人開催のフリゲオンリーイベント「Try&Re:save」でも、グッズや書籍が盛んに頒布されていて、当日はかなりの列が出来ていたね。『ざくアク』に関しても、作者さんの作った公式のキーホルダー300個が3日で完売したりと。グッズを買えたりするというのはファンにとって嬉しいのかなと思う

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フリーゲームRPG『ざくざくアクターズ』。公式キーホルダー販売開始!

水原由紀
ですねえ。こういう言い方でいいのか分からないんですが、お金を落とす先というか、そういうものがない。ので、リアルイベントはみんな喜ぶ。
Noah
振り込めない詐欺ってやつだね
poroLogue
フリーゲームという形式上「楽しませてくれたお礼のひとつの形としてお金を払いたくても、払えない」ということは確かにあって、特に作品に対して愛があるユーザーの方々の話を聞いていると、お金を払ってでも作者さんを応援したいという欲求は、かなり強い印象がある。

「創作者として生きていく」ためのサービスの登場

Noah
そういう意味ではあのサービスはどうなの、ほら、お金を制作者に向けて支援できる…
poroLogue
Entyかな。創作者のためのパトロンを募集するサービスだね。去年スタートしたばかりなので、今後どうなっていくか気になるよね。ゲームだけではなく、イラストなど他のジャンルもあることが特徴だと思う。

Enty 公式サイト

Noah
あれって現金を支援するんだよね?
poroLogue
そうだね。現金を支援して、その額に応じたお返しを、支援者が受け取れるという
Noah
クラウドファンディング的な個人支援だね
poroLogue
クラウドファンディングはプロジェクト単位だけど、Entyは作者さん本人に月々何円支援するかという、ファンクラブ的な立ち位置が近い気がするね。実際に使用してる方を見てると、例えばゲームは一点モノのイラストレーション等と違って長期制作になりがちだから、短期的なお返しとしては何を返すべきかと考えている人もいるみたいだね。
すんくぼ
結構集まってるのかな・・・?
水原由紀
そう、そこが気になってます。どれくらい集まっているのか?
poroLogue
ゲーム制作者だと、年齢制限ナシの作品の場合は、現状多く集めている人で月1~2万円程という印象かな。現状としては、補助的にこのサービスを使いつつ、本業をしながら創作をするという人が多いのではと思う。
Noah
そういう感じで少しずつクリエイターさんに還元される世界観が出てきているのは素敵なことですよね

2016年のフリーゲームはどうなる?

Noah
で、そろそろまとめに入っていこうかと思うんですが。2015年の動向をふまえて、2016年のフリーゲームはどのようになっていくんでしょうか
poroLogue
ひとつとしては、ゲームジャンルはホラーゲームの流れが続きつつも、RPG、また最近目立ってきた女性向けゲームも増えて来るかなあと思ってます。作品数も去年から引き続き増えてきているしね。ゲームエンジンとしては「RPGツクールMV」も出てきたし、これを使った作品も出てきそうだね。あとはさっきも話題に挙がった、リアルイベントやグッズ化の流れの増加かな。「振り込めない詐欺」に悶々としてるファンの方も多いと思うので。
Noah
そうだね、そのあたりのグッズ化が進むならもぐらゲームスでもECとか開けないもんかと思ってしまうが。あとはGameMakerが個人的に熱いんで、ウディタなどと合わせてぜひいろんなジャンル、ゲームが増えてくるといいなと思う。
poroLogue
ECは良いかもしれない。これはちょっと制作者の方にも聞いてみたいね。GameMakerは、調べてみると話題作で使われてるゲームエンジンとして採用されてるケースが多いので、興味深い。

GameMaker公式サイト(YoYo Games)


GameMakerでは『Downwell』や『Undertale』などの話題のインディゲーム作品が作られている

Noah
そうだね、GameMaker製のフリーゲームが増えるためにできることをしていきたい・・・
poroLogue
GameMaker製のゲーム制作に興味がある人にはぜひお話を伺いたい。ポテンシャルはありつつも、国内ではこれからという感じだしね。あとは、フリゲだけでなく、他のメディアへと創作活動の幅を広げる作者さんが増えてきそうかな。もぐらゲームスでも紹介した『ガラスの花と壊す世界』や『5Evils』といった、フリゲ制作者さん原作の作品が増えてきたし
Noah
そうだねー。小説なり、映像作品なり。


フリゲアクションRPG『BREAKER』などの制作チーム「PhysicsPoint」が原案を務めるアニメ映画が本日公開

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ウディコン物語性部門1位のフリゲRPG『アクアリウムス』の作者が描くweb漫画『5Evils』単行本が発売

すんくぼ
ゲームそのものだけでなく、その世界観の広がりにも期待できそうだね
poroLogue
そうだねえ、制作者さんのつくるゲームそのものに加え、その世界観を広げていくことにも、引き続きもぐらゲームスは協力していきたいな

「WOLF RPGエディター」製のゲーム投稿イベント「ウディフェス」。第6回が開催中!

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ゲーム制作ツールとして「RPGツクール」などと並んで定番の開発ツールである「WOLF RPGエディター(ウディタ)」。公式のゲーム投稿コンテスト「ウディコン」なども例年盛り上がりを見せており、フリーゲーム開発者だけでなく、プレイヤーにとっても馴染み深いツールとなっていることだろう。

今回、そんなウディタで制作されたゲームを投稿するイベント「ウディフェス」の第6回が開催される。これまでに5回開催されていたイベントだが、今回が一旦の区切りとして、最終開催となる見込みのようだ。

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ウディフェス 公式サイト

ウディフェスは、ゲーム作成ツール「WOLF RPGエディター(ウディタ)」を
中心として集まる人のための開催される全年齢対象のお祭りイベントです。

ウディフェスでは、WOLF RPGエディターで製作した作品を作品形態を問わず集めています。

公式WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)と異なる特徴として、
順位を競うコンテスト形式を取っていないことがあり、
長編の作品やシリーズ構成を取った作品、実験的な要素をもった作品なども
気軽に応募できる場です。

ウディフェスでは、イベント期間中に投稿された作品を自由にプレイすることができ、
作品に対してのコメントや、応援イラストを投稿することができます。
作品の製作者との距離が近いこともこのイベントの特徴の一つです。

(公式サイトより引用)

 
作品の投稿受付期間は3月末までとなっている。ウディタを使ってゲームを作成している方は、時期に合うようであればぜひ投稿してはいかがだろうか。
また、2月27日時点で20作品ほどの作品が集まっているので、フリーゲームプレイヤーの方も、投稿された作品で遊んでみることをオススメしたい。

ウディフェス 公式サイト

カタテマの送るフリーゲーム『ムラサキ』。その世界観を彩るサウンドトラックのダウンロード配信が開始!

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先日Playism、Steamでの配信が決定されたフリーゲーム『ムラサキ』。爽快で連鎖が楽しいパズル+シューティング風のゲームとして人気を博している本作は、その世界観を彩る音楽も魅力となっているが、今回、作中の音楽をいつでも楽しめるサウンドトラックのダウンロード配信が、iTunesとAmazon mp3にて開始された。

『ムラサキ』ゲームレビュー記事:
『魔王物語物語』『いりす症候群!』のカタテマから6年ぶりの完全新作が登場。連鎖爆発パズル物理アクション+弾幕ゲー、その名も『ムラサキ』!

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ムラサキ オリジナルサウンドトラック 公式ページ


ムラサキ オリジナルサウンドトラック クロスフェードデモ

サウンドトラックには全19曲が収録。価格は750円となっている。あの名場面で流れていた音楽を好きなときに楽しみたい方は、ぜひ購入してはいかがだろうか。

ダウンロードはこちらから

iTunes(750円)

Amazon Store(750円)

コラム:フリーゲームをはじめよう。「第1回 誰もが最初は知らない、フリーゲームという未知の世界」

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2016年が始まって2ヶ月が経ちました。去年沢山のフリーゲームがリリースされたように、今年もすでに多くのゲームが配信されています。その中には、まだ広まっていない今年を代表する名作があるかもしれません。それを探し当てることも、フリーゲームの楽しみのひとつだと思います。

さて、もぐらゲームスでは今まで100を超えるフリーゲームを紹介してきました。しかし「興味はあるけどいまいちプレイの仕方が分からない」、または「実況プレイ動画では知っているけど触ったことのない」人もいるかと思います。無料で遊べると言っても、どういうものか知らなければ敷居は高く感じるものです。そこで今回はゲーム紹介をお休みして、フリゲ入門向けの連載コラムを書いていこうと思います。短い間ですが、ぜひお付き合いください。

フリーゲームは手軽ではない?

先日友人とフリーゲームについて話をしました。彼は趣味でコンシューマーのゲーム(企業が家庭用機向けに開発・発売しているもの)を好んで遊ぶ人でしたが、パソコンで無料で遊べるフリーゲームについてはほとんど知識がありませんでした。彼は「スマホで無料のゲームがすぐに遊べるのに、一度パソコンを立ち上げて手間をかけてゲームを遊ぶの?」と言いました。これは最もなことかもしれません。スマートフォンの普及以降、ゲームはより手軽に遊べるようになりました。据置ゲーム機や携帯ゲーム機も、購入からプレイまでサポートが充実しており、今や誰もが簡単にゲームを楽しめるようになりました。

それに対しフリーゲームは、最初から誰にとっても手軽なもの、身近なものとは言えません。大半のフリーゲームをプレイするには、Windows系のパソコンが必要です。しかしスマートフォンやタブレット端末の普及により、パソコンを触る機会が減った方は多いと思います。また、ゲームのダウンロードやインストールの知識は自分で調べる必要があり、中にはいくつかの関連ソフトが必須の場合もあります。そもそも、どんなゲームが出ているか知ることができなければ、手を出しにくいでしょう。

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一度理解すればぱっと遊べるフリーゲームも、最初は誰もがわからないもの。でもその壁を超えさえすれば、たくさんの楽しみが待っている。

しかし、もぐらゲームスで紹介している通り、フリゲ関連のイベントの開催など、その人気は日に日に拍車がかかっております。

あの人気フリゲRPGがカフェに!ざくざくアクターズ「ハグレ王国コラボレーションカフェ」11月20日から開催

フリーゲームオンリー同人誌即売会「Try&Re:save」。10月12日開催!

手間がかかっても遊びたいと思わせるフリーゲームの魅力は一体何なのでしょうか。

創作者の数だけ世界がある

フリーゲームの大半が、個人によって開発されております。コンシューマーのソフトとは開発規模が違うため、例えば3Dのマップ表現や通信対戦などに対応しているものは数少ないです。しかしながら個人でゲームを作るということは、企業の開発では得にくいメリットがあります。それは「創作者の思い描いた世界を、ダイレクトに表現できる」ということです。

例えば『ゆめにっき』は、怪奇的な夢の世界を「散歩」するゲームです。ドットによって徹底的に描かれたマップやキャラクター達が織りなす世界は、初めて踏み入れたプレイヤーを圧倒します。一方、ゲーム性は表現を優先するためか、他のホラーゲームより控えめになっています。商売としての考えが絡むコンシューマーでは、こういった大胆な設計は通らないかもしれません。ですがフリーゲームならば、創作者のアイデアや世界を実現することができるのです。

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国内だけでなく、海外にまでも大きな影響を与えた『ゆめにっき』。その世界観はフリゲ創作の模範としても名高い。

フリーゲームでは創作者の数だけ世界が無数にあります。例えば魔王を倒す物語であっても無数の解釈がされていますし、自分自身が魔王になる物語も様々な視点で描かれております。ホラーであれば怖がらせ方や仕掛けも創作者によって大きく異なりますし、キャラクターや舞台も限りなく広がっていきます。もしどれを遊ぶか迷っても、多くのフリゲのプレイ時間は5時間以内や10時間以内のため、プレイヤーは気軽に遊べます。

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先日、フリーゲームの投稿コンテスト「VIPRPG紅白2015」にて総合1位の評価を得たRPG『メイジの転生録』。”誤字”を含めた独自の世界観を構築し、「RPGはこうでないといけない」という束縛を見事に打ち破っている。

今やゲーム作ることは企業だけのものではなくなりつつあります。組織の枠を超え、誰もが表現者としてゲームを作る時代がやって来ました。フリーゲームを遊ぶということは、ただゲームを楽しむだけではなく、そういった創作の輪を体験することでもあるのです。

あなたは誰にも縛られず、どのゲームから始めてもいい

「興味は持った。でもどこから始めてみたらいいか分からない」という人もいると思います。基本的には自分の好きなジャンル(RPGやアクションなど)から気になったものを選んでみるのがいいでしょう。もぐらゲームスではジャンルごとの定番をチョイスした記事もありますので、そういった有名作から始めるのも手です。

苦手な人にはおすすめしない、本当に怖いフリーホラーゲーム特集

定番!おすすめフリーゲームRPG作品13選

初心者にも!おすすめシミュレーション系フリーゲーム11選

しかし何よりも大切なのは、ゲームを選び取るあなたの感性です。あなたが「面白そう」と思ったこと以上に信頼できる判断基準はありません。例えばそれで自分とは合わないゲームに当たったとしても、次のゲームを選ぶ時の判断材料になります。もちろん自分にとって相性の良いゲームと巡り合えば、最高の時間を満喫できるはずです。

連載の第二回となる次回では、筆者のオススメするフリーゲームをいくつか紹介し、あなたのゲーム選びのサポートをします。もしかしたら次に手に取るフリーゲームが、あなたのゲームライフを大きく変えるのかもしれません。


運命に囚われた少女の物語を描くフリーホラーゲーム『虚白ノ夢』。小説版が発売決定!

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フリーゲームの中でも特に人気のジャンルの一つであるホラーアドベンチャーゲーム。その中で昨年話題となった作品『虚白ノ夢』の小説版の発売が発表された。


小説版『虚白ノ夢』Amazonリンク

本作は墓荒らしダンジョン探索RPG『積層グレイブローバー』や、選択系恋愛ADV『Leanan-Sidhe』などの特色ある作品を送り出してきたサークル「てりやきトマト」の新作だ。

ゲームの特徴としては、『青鬼』や『魔女の家』といった名作フリーホラーゲームに見られる「おどろかし」のホラー描写が巧みであることがまず挙げられるだろう。そのほか詳しいゲームの内容については、以前にもぐらゲームスでも紹介を行なっているので、こちらも読んでみてほしい。

フリーホラーゲーム『虚白ノ夢』。運命に囚われた少女の物語と、巧みな恐怖演出が味わえる

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『虚白ノ夢』ゲーム画面

本作はホラーアドベンチャーとしてのゲーム性もさることながら、運命に囚われた少女たちが織り成す物語自体にも「恐ろしさ」があり、読みごたえのあるゲームだった。既にゲームを遊んだ人も、そうでない人も、今回の小説版で『虚白ノ夢』の世界に浸ってみてはいかがだろうか?


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爽快フックアクションのフリーゲーム『ニュー・スーパーフックガール』。任天堂作品のような巧みなゲームデザインが光る

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アドベンチャーゲームやRPG作品のリリースが目立つフリーゲームだが、これまでにはアクションゲームなども盛んに発表されている。もぐらゲームスでは以前に、フリーゲームの名作アクションゲームの特集も行なってきた。

フリゲはアクションも熱い!おすすめフリゲアクションゲーム10選

今回は、そんなフリゲアクションとして人気となっている『ニュー・スーパーフックガール』を紹介する。本作はUnity製のアクションゲームとなっており、フックを射出する装置『フックショット』を駆使する少女「フックちゃん」を操作し、様々なステージを攻略していくアクションゲームだ。

3月20日現在、フリーゲームのダウンロードサイト「フリーゲーム夢現」でも、週間ダウンロードランキング1位、レビューランキング2位となっており、話題を呼んでいる作品だ。

このゲームの特徴としては、なんと言ってもフックちゃんが使う「フックショット」をステージのあちこちに引っ掛け、宙を飛び、縦横無尽にステージ内を駆け巡る楽しさ。そして、ステージの隅から隅まで仕掛けが作りこまれており、それらを攻略・探索する楽しさが魅力だ。さっそく紹介していきたい。

フックショットで空を駆けろ!爽快アクション

本作の物語としては、主人公の「フックちゃん」と、妹の「ピックちゃん」が、突如いなくってしまった二人の「師匠」を探しに旅に出る物語となっている。

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ゲームの進行としては、ステージのさまざまなところに打ち込める「フック」を駆使して、縦横無尽にステージを駆け巡りゴールを目指していくもの。フックショットを手にステージを奔走するフックちゃんと、無線通信で姉をサポートするピックちゃんのコンビネーションのコンビネーションで、ステージを攻略していくことが主な内容だ。

登場するステージには、高い建物が連なる雪の降る街、広大な海原、突風の吹きすさぶ大空、機械の空中庭園……などなど、多様なステージと仕掛けが待ち構えている。どれも特徴あるステージで、攻略が楽しいものとなっている。

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ステージ1の「スノーマンストリート」。フックショットを片手に、雪降る街を疾走しよう

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ステージ攻略には、「フック」の使い方が鍵となる。壁にフックを打ち込み…

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空中を飛ぶように移動する!

ステージを進んでいくうちに、特定の場所に到達するとピックちゃんからの無線通信が入る。通信の内容は、攻略のヒントになる内容もあるので、参考にしてみよう。基本的には、ステージの道なりに進んでいくのが正攻法になるが、なかには思いもよらないルートからステージを攻略することも出来る。

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広大な海を冒険するステージ2「オリオンオーシャン」。水中の移動には、陸上とは異なる操作を駆使しよう

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強風の吹き荒れる空を行くステージ3「ブレイブブルースカイ」。フックショットを駆使すれば、一見行けそうもないところまで探索できる

ステージクリア時には、Twitterに自分のクリアタイムを投稿することができる。本作は多くのプレイヤーがタイムアタックを行なっているので、他のプレイヤーとクリアタイムを競い合うのも楽しみの一つだ。

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クリア時に表示されるTwitterアイコンをクリックすることで、クリアタイムを投稿できる

「任天堂作品」を思い出す丁寧なゲームデザイン

本作の公式紹介としては、「簡単な操作」を使って「歯ごたえのあるステージ」を攻略したい人にオススメとされており、特に『マリオ』や『ゼルダ』など任天堂作品や、アクションゲーム『海腹川背』が好きな人にぜひ遊んでほしいとされている。

筆者が実際にゲームを遊んだ際のプレイ感としては、まさにそれら作品のエッセンスを取り入れつつも、独自性が感じられるものとなっていた。特に、アクションの腕を磨いて攻略を行なう楽しみのほかに、ステージの攻略ルートや方法を自分で見つけていく面白さは、かつてニンテンドウ64でリリースされたコンシューマゲーム『スーパーマリオ64』のような「自由な攻略性」を思い出す。

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ステージ4「機械仕掛けの空中庭園」。複数の攻略方法が存在するので、ステージを探索して最適な攻略を見つけてみよう

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ステージの隅から隅までを探索することの面白さも本作の魅力だ。探索中に入るピックちゃんの無線通信も芸が細かい

ゲーム後半のステージには、攻略のためのテクニックが必要な場面も登場するが、難易度としては歯ごたえがありつつも、繰り返し挑戦すれば自然と操作方法、テクニックが身についていき、ステージクリアできるようになっている。このゲームデザインは見事の一言だ。

また、「なかなかステージがクリアできない」という人のために、制作者による公式のタイムアタック動画が公開されている。攻略に詰まったときにも大いに参考にできるものとなっているので、ぜひ見てほしい。


今回紹介した『ニュー・スーパーフックガール』だが、近日、公式サイトのオープンも予定されている。こちらも今後、チェックしたいところだ。

『ニュー・スーパーフックガール』公式サイト

筆者も本作の最終ステージまでクリア済みだが、話題性に違わぬ力作だと感じたので、アクションが好きな人も、苦手だけれど興味を惹かれた人も、ぜひとも遊んでみてほしい。

[基本情報]
タイトル 『ニュー・スーパーフックガール』
制作者 九州大学物理研究部 Qpic(制作者様サイトはこちら
クリア時間 5時間~
対応OS Windows XP/VISTA/7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
https://freegame-mugen.jp/action/game_4501.html

美しい童話的世界を旅するフリーゲームRPG『片道夜行列車』。「使い魔召喚」を駆使し、「猶予時間」の中で敵を倒す戦略性も魅力

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日々多くの新作が送り出されているフリーゲームRPG。さいきんではグラフィックを自作するゲームが増えてきており、特に豪華なイラストや美しいマップを持つ作品も多くなってきた。

そこで今回は、幻想的で童話的な世界を旅する短編フリーゲームRPG『片道夜行列車』を紹介する。本作の特徴は、童話的な世界観で語られる切ない物語に、ついつい魅入ってしまうほどの美しいマップ芸術、そして戦闘中に切り替えることが出来る補助キャラクター「使い魔」や、HPが0になっても倒れることがない代わりに、所定のターン数で敵を倒さなければいけない「猶予時間」という、独自システムを駆使した戦略的な戦闘が大きな魅力であることだ。さっそく紹介したい。

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オープニングで会話をする「白ウサギ」と「黒ウサギ」

記憶を失い続ける少女は、夜行列車の世界を旅する

このゲームの主人公は、家柄に恵まれた才女で、周囲から憧れられる少女の「ルナ」。生活に何一つ不自由のなかった彼女は、ある日、列車の「終点の先」に迷い込んでしまう。そこで見つけた「白うさぎ」を追いかけていくと、そこには人間の姿となった白うさぎがいた。彼女と話している中で、突如、謎の人影が出現し、ルナの心に語りかけてくる。そこで彼女の「親友」の辿った運命を思い出したルナは、怪物と化した人影と戦うことになる。

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「終点の先」に迷い込んでしまった少女ルナ

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ルナがそこで出会う不思議な存在「白ウサギ」

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突然現れる謎の人影。ルナの心に何かを語りかけるが……

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「記憶」を忘れたとき、ルナの願いが叶う。そう白ウサギは告げる

怪物を倒したルナは、自分の「願い」を思い出す。「この列車を進めば、全てを忘れる代わりに、『あの子』に会える」。そんな白うさぎの言葉に導かれるように、ルナは列車の先へと進む。かつて伝えることの出来なかった、親友への思いを抱えながら……。

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ルナが旅することになる「夜行列車」の世界。美しく幻想的なマップが目を惹く

「使い魔召喚」と「猶予時間」で戦略性の高い戦闘を楽しめる

このゲームは、童話的な世界観のマップ芸術もさることながら、その独自の戦闘システムにも魅力が溢れている。

まずは「使い魔召喚」を紹介しよう。本作の戦闘では、主人公であるルナのほかに、ルナの持つ力で「使い魔」を扱うことができ、戦闘中にNPCとして補助・攻撃など行動をしてくれる。使い魔は戦闘中に変更することができ、使い魔それぞれで行動のタイプは異なる。また、状況によっても使用する特技は変わる。

そのため、戦闘開始時には補助タイプの使い魔にルナを強化させ、その後、攻撃タイプの使い魔に変更し、攻撃を仕掛ける……というように、状況に応じて使い魔を使い分けることが重要になってくる

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使い魔によって、攻撃タイプ・補助タイプ・バランスタイプ……と、様々な種類が存在する

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状況に応じて使用する特技は決まっているので、有効な使い魔を選択しよう

ゲーム開始時は、ルナが使える使い魔は1種類だけだが、物語を進めていくにつれて増えていく。新しい使い魔を手に入れる楽しみもあるのだ。

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さまざまな使い魔を試してみて、上手く戦闘を進めていこう

次に「猶予時間」だ。このゲームの戦闘では常に「猶予時間」が存在し、ターンが経過するごとに減っていく。この時間がなくなってしまうと、ルナのHPがいくら残っていようともゲームオーバーだ。一方で、猶予時間が残っている限りは、HPが0になった時に猶予時間を消費することで、いくらでも復活することが出来る。

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画面左上の時計が表す「猶予時間」の球が0になるまでに敵を倒さなければゲームオーバーだ

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ルナのHPが0になっても、猶予時間が残っていればいくらでも戦える

この猶予時間のシステムは全ての戦闘に適用されるため、いかに手早く敵を倒すかという方法を考えることが重要になってくるのだ。

このほかにも、戦闘に勝利したときに、入手するものを「アイテム」か「スフィア」から選べるという部分も特徴的だ。アイテムはその名の通り、HP回復などに使用するもの。スフィアとは装備品で、装備すると能力が上がるほか、ルナが使用できる特技も増える。

スフィアは装備上限が決まっているため、戦闘スタイルに応じて「何を装備し、何を捨てるか」という取捨選択が鍵になってくる。ルナ一人で全ての役割をカバーすることは難しいので、使い魔の能力を考えて、どういったスフィアを装備するべきなのか考えよう。

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スフィアを装備すると特技を覚えるほか、能力値が上がる。ルナのスタイルに応じたスフィアを取捨選択しよう

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装備したスフィアによっては、非常に強力な攻撃も使えるようになる

幻想的な世界の旅の結末は…?

ルナが親友を探しにいく夜行列車の旅には、様々な場面が存在する。今回はそんな本作の中から、いくつかの場面を紹介したい。

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親友を探し、列車の世界を旅するルナ

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旅の途中で出会う、白ウサギと対になる存在「黒ウサギ」

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本筋とは離れたサブイベントのような要素も組み込まれている

童話的で美しいマップ芸術の世界観だけでなく、戦闘システムも戦略性溢れたものになっている本作、RPGが好きな人にはぜひプレイしてほしい1作だ。

[基本情報]
タイトル 『片道夜行列車』
制作者 hako(制作者様サイトはこちら
クリア時間 1~2時間
対応OS Windows VISTA/7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/11409

ルールを破ったら死ぬアクションフリーゲーム『Tower of Heaven』。6年の時を経て日本語版がリリース!

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『Tower of Heaven(天国の搭)』は、インディゲームディベロッパーのAskiisoftの開発したブラウザで遊べるアクションゲームだ。Askiisoftの作品は、一時停止を駆使しながら進む異色の死にゲー『Pause Ahead』を以前にもぐらゲームスで紹介した。

一時停止を駆使しながら進む異色の死にゲー『Pause Ahead』

こういったアクションゲームを作ってきたAskiisoftの過去作品が『Tower of Heaven』。美しいドットイラストと音楽に彩られたこのアクションゲームの日本語版が、なんと6年の時を経てリリースされた。

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『Tower of Heaven』公式サイト

本作は、搭を上へ上へと登っていくアクションゲーム。ゲームシステムの特徴は、そのやり応えのあるアクションステージの攻略だけではなく、「ルールを破ったら死ぬ」という独自のシステムにある。搭を登るごとに「ブロックに横から触れてはいけない」「左に歩いてはいけない」といった「ルール」が追加されていき、搭に仕込まれた罠に触れる以外にも、ルールの違反をすることで、雷に打たれて死んでしまうのだ。

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「ルール」をいかに守るかが重要になってくる

かねてから、アクションゲームとしてやり応えのある「死にゲー」として親しまれていた本作。まだ遊んでない人は、日本語化を機にプレイしてみてはいかがだろうか?作中に流れる音楽や味のあるイラストもぜひ楽しんでほしい。

『Tower of Heaven』公式サイト

Askiisoft公式サイト

ブラウザフリーゲーム『イニシエダンジョン』。グッズ第一弾「不老不死の水キーホルダー」の販売が開始!

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フリゲ2015」にて第1位となった人気フリーゲーム『イニシエダンジョン』。ローグライク特有の「緊張感」と、ハック&スラッシュの「爽快感」が特徴的な作品で、もぐらゲームスでも以前にレビューを行なった。

ブラウザフリーゲーム『イニシエダンジョン』。ハクスラの「爽快感」とローグライクの「緊張感」

そんな本作だが、先日、なんと公式グッズの第一弾「不老不死の水キーホルダー」が発売された。

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『イニシエダンジョン』不老不死の水キーホルダー

アルメナンド城の地下深くに眠る伝説の秘宝『不老不死の水』 それを飲んだ者は永遠の命と若さを手に入れるという

イニシエダンジョンのあの『不老不死の水』がアクリルキーホルダーに! ドーミング加工により高級感のある仕上がり。 キーホルダーだけでなく、チャームにもオススメです。 さりげなく身に付けて冒険者達の目を引いちゃおう!

 
「不老不死の水キーホルダー」はBOOTHにて販売しており、価格は700円(送料別)。公式のブログでも「満足のいく仕上がり」とされており、ファンにとってはぜひ入手したいグッズとなりそうだ。グッズは第二弾の販売も予定されているとの事で、今後の展開を楽しみに待ちたい。

『イニシエダンジョン』不老不死の水キーホルダー

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