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フリゲアドベンチャー『名前のない夜』 少年を待ち受ける「魔女」と「悪魔」の伝承とは?

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先月11月には、アドベンチャーのフリーゲーム作品が非常に多く制作されていた。今回は、その中からまず『名前のない夜』を紹介しよう。

本作は、初回30分ほど、全ルートを見た場合1~2時間程度でクリアできるマルチエンディング形式のアドベンチャーとなっている。特徴的なポイントは、ゲームを進めるために必要な謎解きが決して作業だけにならず、謎を解くことで物語や世界観を徐々に知ることができる作り方が見事だというところだ。さっそく紹介しよう。

少年はある日、「魔女」と「悪魔」の伝承に出会う

本作の主人公は、少年「シャルル」。姉から依頼された本を借りてきた帰りに、突然雨に降られてしまう。そこで偶然出会った女性に、雨宿りのための館が近くにあることを教えてもらう。それと同時に女性から「館に本を忘れたので、持ってきてほしい」というお願いを受けることになる。

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姉の手伝いの帰り道、雨に降られてしまったシャルル

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赤い傘を持って佇む女性に、とある依頼をされる

館へとたどり着いたシャルルは、雨宿りも兼ねて館の中を探索する。そしてひとつの部屋で、記憶を失った謎の少女と出会う。自分の名前も思い出せないという赤髪の少女。シャルルは少女とともに、館の奥へと足を踏み入れていくが……。

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館にはさまざまな装飾が施されている

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とある部屋で出会う謎の少女。記憶喪失であるようだが……

このゲームは、システムとしてはオーソドックスな探索アドベンチャーとなっている。館の奥に進むためのキーアイテムを、謎解きを行い探していくことが基本的な進め方となる。特徴的なポイントとしては、謎解きが単なる作業に留まらないところだ。単純にキーアイテムを集めるだけでなく、世界観にマッチした自然な謎掛けが多く、ゲームを進めているだけで自然と世界観や物語が頭に入ってくる。

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世界観に即したアイテムや謎解きが印象的だ

もう一つの特徴は、館の中で出会う少女とシャルルの掛け合いだ。さまざまな場所を調べることで始まる会話はバリエーション豊かで、見ているとつい微笑ましくなるシーンもある。こういった素朴な会話シーンこそ作り込みが難しいものだが、日常的な会話を含みつつ、しっかりと作品世界の深みに浸れるような心配りがなされており、2人の会話を読みを進めるのが楽しくなってくる。
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館の物品を調べると、会話シーンが発生する

さまざまな視点から語られる物語の先に待つものは?

シャルルと少女は、探索しつつ館の奥に進むことになる。館にある数々の書物を読むことで情報を得られる「悪魔」や「魔女」という存在。そして館に起こる奇妙な現象。奥へ進むほどに生まれる、新たな謎。この館は一体何なのか?そして記憶を失った少女は何者なのか?ぜひ物語を最後まで進めてほしい。

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探索していく中で現れる意味深な部屋の数々

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書籍を読み解くことで、世界観の背景も知ることができる

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協力して館を探索する二人の前に現れる仕掛け

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物語の先に待つものとは……?

なお、本作はマルチエンディングとなっており、複数のエンディングを見ることで物語の全容が掴めるようになっている。初回プレイ時は、どのエンディングに到達しても驚きが待っていることだろう。

マルチエンドに加え、ゲーム内の書籍で得られる情報から、直接は語られなかった部分を考察する楽しみもあり、多面的に物語を提示する手法を上手く活用している作品だと感じた。初回プレイはおそらく1時間もかからず、また2週目以降は時間が短縮できると思うので、ぜひとも全てのエンディングを見て、その結末を見届けてほしい。

[作品情報]
タイトル 『名前のない夜』
制作者 布目
対応OS Windows
プレイ時間 1~2時間程度
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/13316


携帯ゲーム機型PC「GPD WIN」で、おすすめ名作フリーゲーム10選を遊んでみた

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携帯可能なゲーム機型PC「GPD WIN」。Newニンテンドー3DS LLと同じくらいコンパクトなサイズとなるこのPCは、フリーゲームやSteamのインディゲームなど、Windows用のゲームがどこでも遊べるようになるアイテムとして、一部で話題となっていた。

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そこで今回は、多くのフリゲ好きの方々がご存知であろう名作フリーゲーム10作品をGPD WINでプレイし、操作感等をレビュー検証した。スクリーンショット左上の数値は「Fraps」によるFPS値となるので、動作の重さの指標としていただきたい。「推奨操作モード」とは、GPD WINで設定できるゲームパッドの入力モードを指す。詳細は記事後半で記載する。

なお、今回は「フリゲを携帯機で遊びたい!」という多くのプレイヤーが持つであろう思いを実現できるかの初期検証であり、ゲーム内容全ての動作検証が出来ているわけではない点をご了承頂きたい。

また、GPD WINは現在、購入方法としてはクラウドファンディングサイト「Makuake」にて購入したユーザー向けに初期生産分が出荷されている段階であり、それに伴う問題も一部発生している。こちらも後述をお読みいただきたい。

『魔女の家』

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本作『魔女の家』はプレイ時間は2~3時間のホラー風アドベンチャーゲーム。魔女の家に迷い込んだ13歳の少女ヴィオラを操作し、不気味な仕掛けを操作し謎解きを行いながら物語の核心へと迫っていく。即死する謎解き、そしてゲームを進めていくごとに徐々に明らかになる魔女の家の秘密と「ある違和感」。そして待つエンディングの衝撃はぜひ味わって欲しい。セーブポイントの黒猫が唯一のなごみポイントでもある。

・GPD WINでのプレイ感想:
ホラーゲームの特性上、場面によってはシビアな操作が要求されるため、GPD WINのゲームパッドとの相性は高いと感じた。全画面でプレイすると恐怖感が増すのもポイント。移動やメニュー画面の開閉も快適に行うことができる。

・推奨操作モード: DInput

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『Ruina』

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2008年末にリリースされ、第4回ふりーむ!ゲームコンテストにて最優秀賞を受賞した『Ruina 廃都の物語』。もうすぐリリースから10年近く経つ作品だが、今なお高い人気を誇る文字通りの名作だ。

そんな本作はゲームブックやTRPGを基に作られており、フィールド移動をほぼ排した探索システムは快適でありつつ濃いプレイ体験を可能としている。 また、作者の確かな文章力と広範な知識、重厚な世界観に裏打ちされたテキストとストーリーは大きな魅力がある。ことテキストに関しては、数あるフリーゲームの中でもトップクラスのひとつと言ってもいいくらいだ。

・GPD WINでのプレイ感想:
戦闘画面やUI共に快適に操作可能であることが確認できた。戦闘画面で派手な魔法を使ったときなどの全画面エフェクトも特に処理遅延などは見られなかった。推奨操作モードはDInputだが、XInputモードに切り替えれば、マップ画面等のポインタの操作にアナログスティックが活躍するのもうれしい点だ。

・推奨操作モード: DInput

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『Ib』

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『Ib』は、kouri氏が2012年に公開したホラーアドベンチャー。両親と美術館を訪れた少女イヴ(Ib)が、開催されていた展覧会「ゲルテナ展」に足を踏み入れると、美術館の様子が変わり、芸術家ゲルテナの絵画が展示されている不気味な美術館に誘われる、というストーリーの作品だ。

主人公のIbを始め、不思議な美術館で出会う登場人物や、いくつも分岐する彼らの運命を劇的に変えるストーリーが非常に魅力的に仕上がっている。決してドッキリな罠で驚かせるような恐怖ではなく、世界観からじわじわと恐怖が首元にこみ上げてくる恐怖も魅力だ。

・GPD WINでのプレイ感想:
残念ながら、筆者の持つGPD WINでの起動は不可能だった。下記を試行して見たものの、結果は変わらずとなった。

・CPUをシングルコアのみ指定
・互換モード設定(XPSP3,視覚効果無効,管理者権限)
・ゲームの再ダウンロード/フォルダ再配置

『Elona』

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“何でもできる”スーパーフリーダムなローグライク『Elona』。あまりにも自由度が高く、それゆえ説明が難しいのが悔やまれる。システムの根幹的な部分(ターン制、未識別アイテム、死んだらアイテムロストetc)はローグライク系ゲームそのものだが、本作が他のローグライクと一線を画すのは驚異的なまでの自由度の高さ。

「じゃあ具体的に何が出来るの?」という点については、具体的な事例は年齢規制に引っ掛かるので、読者のみなさんにはぜひプレイしてその目で確かめていただきたい。

・GPD WINでのプレイ感想:
移動・戦闘・メニュー開閉など良好。デフォルトでXinputに対応しているため、ある程度の操作は可能。ただしチュートリアルで推奨されているテンキー操作はできないため、再割り当てをするか、キーボードを使う必要がある。

・推奨操作モード: XInput

※本作はDirectXの描写モードの関係上、FPS表示が不可となっていた

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『洞窟物語』

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開発室Pixelにより2004年に作られた『洞窟物語』。様々な面において今なお褪せない魅力を持つ、総合力の高い名作だ。国内外を問わず多くのファンに支持され続けていることからも、日本のフリーゲームで随一のタイトルであることは間違いないだろう。見知らぬ洞窟で目覚めた主人公の出自をめぐる大きな陰謀に巻き込まれてゆく……という、「敢えて語らない」ような謎の多いストーリーも人気を博した。

各マップの練られたデザインや難易度のバランスは良好で、100%のピクセルアートによって描かれたマップやキャラクターたちはどれも魅力的。さらにはアクションゲームには欠かせないバラエティ豊かな武器やボスキャラたちなどなど、どれもこれも的を外さない一作。

・GPD WINでのプレイ感想:
常時50FPS以上でサクサクと画面が動くさまはコンソールゲーム機と遜色がない。パーティクルが舞うような場所でも50FPS台をキープしているのは特徴的だ。また、画面全体が綺麗に動く様はSFCソフトを彷彿とさせる。ESCキーダブルクリックで終了も楽にできるのも良かった。

・推奨操作モード: DInput

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『レミュオールの錬金術師』

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公開後10年以上が経過するものの、未だに色褪せることのない名作フリゲシミュレーション『レミュオールの錬金術師』。本作はいわゆる経営シミュレーションであり、主人公のティコは多額の借金を返済すべく、弟子のルヴェルとともにお店を切り盛りしていく。

ゲームシステム自体は「商品を仕入れて→(場合によっては加工して)→売る」ことを繰り返してお金を稼ぐ、という極めてオーソドックスな店舗経営シミュレーションながら、定期的に起きるイベントや街の住民の訪問・ミニゲーム等で、延々と遊んでもプレイヤーを飽きさせないつくりになっている。お店経営そっちのけで全イベントを見るためにひたすらプレイし続ける人もいるとか……。

・GPD WINでのプレイ感想:
各種操作のレスポンスは快適。FPS値は取れなかったが、ほとんどラグがなくサクサク動いていた。音声なども問題なく再生される。しかし、基本的にマウス操作となるゲーム特性上、GPD WINのゲームパッドを生かすには難しいと感じた。

・推奨操作モード: マウス
※本作はDirectXの描写モードの関係上、FPS表示が不可となっていた

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『ヴァーレントゥーガ』

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『ヴァーレントゥーガ』は、2013年末までのふりーむ!累計ダウンロードランキングにて「ヴァンガードプリンセス」「Ruina 廃都の物語」と並び最上位にランクインし、現在でもランキング7位に位置する名作ストラテジーゲーム。

物語の舞台となる大陸にいくつか存在する国家の中から1つ選び、大陸を制覇することが目的となる。ゲーム内容としては外交や人材の雇用、軍団編成などを行う戦略パート、そして編成した軍団で敵の大軍と戦う戦術パートに分かれており、二つのパートを上手く攻略していく。戦術パートでは、大勢のユニットを運用して敵を撃破していく他、強力な必殺技で形成を逆転することも可能となっている。

また本作は、ゲームとしてだけではなく、プレイヤーが新しく派生作品を作ることの出来る「ゲーム制作ツール」としての側面も持っているのも特徴だ。

・GPD WINでのプレイ感想:
マップ/UI画面は特に重くなる場面はないが、戦闘画面で多数のエフェクトが表示される場合は全体的に重くなり、引きの視点で20FPSを下回ってしまう。

だが、フルスクリーン起動でドッドバイドッドで高画質に表示でき、小さくとも高精細な画面で多数のユニットが動き回るさまは圧巻で、一度は体験しておきたいと思わせてくれる。しかしながら、文字の小ささや、UIがマウス操作前提であることを鑑みると、残念ながら携帯ゲーム機としてのプレイは難しいと感じた。

・推奨操作モード: マウス

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『ムラサキ』

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『愛と勇気とかしわもち』や『いりす症候群!』、『魔王物語物語』で知られるゲーム制作サークル「カタテマ」から6年ぶりにリリースされた新作『ムラサキ』。公式サイトで謳われている「シンプルで楽しい爆発パズル物理アクション」という文句の通りの作品で、弾幕シューティングのような面白さも楽しめるゲームシステムが魅力的だ。そして世界を彩る音楽やグラフィックも魅力的で、見逃せないものとなっている。

・GPD WINでのプレイ感想:
背景のシーン切り替え時に若干重くなるものの、通常画面では常時60FPSで快適にゲーム可能。さらに、重めのエフェクトでも60FPSをキープしていた。

・推奨操作モード: XInput

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『シルフェイド幻想譚』

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RPGエディタ「WOLF RPGエディター」の製作者であるSmokingWOLF氏によるフリーシナリオRPG。プレイヤーは15日後に訪れる災厄に対処するためその元凶を探っていく。リプレイ性がとても高く、シルフェイドシリーズの特徴である仲間「トーテム」とのやり取りも多岐にわたる。本作独自のサクサクな戦闘システムにより、持ち歩くには最適のRPGとなることは間違いない。

・GPD WINでのプレイ感想:
独自戦闘システムとゲームパッドによりポータブルゲームとして快適にプレイ可能。余談だが、筆者はこのゲームを持ち歩くためにGPD WINを購入した。

・推奨操作モード: DInput

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プレイを終えて

今回は、紹介したフリゲ作品10作のうち『Ib』を除いた9作がプレイ可能という結果となった。そのうちエフェクトの豪華なストラテジーゲームやマウス操作前提のゲームなどはGPD WINとやや相性が悪い印象だったものの、標準的なRPGからシビアな操作が求められるホラーゲームだけでなく、『洞窟物語』や『ムラサキ』といったアクションゲームも動かすことができた。

以下、実際にフリゲをプレイしての細かい感想などをお伝えしたい。

GPD WINを使用してのプレイ感

・適するゲーム/適さないゲーム
RPGやアクション、STGなら常用範囲内、RTS等のマウス操作が前提のUIや、格ゲーなど正確なコマンド入力が必要なゲームは難しいと感じた。

・ゲームパッド標準搭載の強み
標準でモード切替可能なゲームパッドを搭載しているため、ほとんどのゲームにすぐ対応できる。ただし、細かいカスタマイズが必要な場合はゲーム内コンフィグで設定するか、「JoyToKey」等のジョイスティック-キー割り当てソフトを使い、ゲームごとに割り当てを設定したほうが良いだろう。

なお、キーパッド上部の切り替えスイッチで選べるモードは以下の3種類。

1.DirectInput(DInput)モード = RPGツクール製のゲーム等、XBox360以前のゲームに適している
2.マウスモード = マウス入力のシミュレートモード。十字キーはWASDに割り当てられ、FPS等に最適。
3.XInputモード = XBox360コントローラ準拠の入力モード。最近のゲームでは初期設定でもそこそこ使える。

・ゲームパッドの押し心地
ゲームパッドのボタンは、キーボード側にあるSELECT/START、L3/R3を除きクリック感がない。(キーボード側のキーは全てクリック感がある)
L1/L2、R1/R2ボタンはそれぞれクリック感があり押し心地がとても良い。十字キーおよびABXYキーはニンテンドーDS(初代~Lite)の感触に近い。アナログスティックの感触はPSVitaのものとほぼ同一と言ってよいだろう。

・Newニンテンドー3DSLLサイズでWindows10が動く
フリーゲームは勿論のこと、Steamのゲームなど、標準的なWindowsマシンで動くゲームを持ち歩ける。性能的には、概ね2013年までの3Dゲームでもグラフィック設定を落とせばプレイできるレベルになると思われる。

・入手したゲームをその場でプレイできる
即売会等で入手したゲームを、外付けのCDドライブ経由ですぐにインストールして遊んだり、インターネットにつながる環境であればすぐにダウンロードしてプレイしたり、開発版をUSBメモリに入れて出先ですぐにデモしたりできる。余談だが、実例として「箱庭えくすぷろーら」を作者さんの目の前でダウンロードし、そのまま作者本人にプレイしていただいた。

・容量の少ないフリーゲームは本体メモリに入れたほうが良い
microSDカード側に入れると読み込みが遅く、ロード時にフリーズすることがある。

・大容量バッテリー
常時CPU使用率100%でもフル充電から約2時間は使えることを確認した。

・余談:寒い時期には携帯カイロになる?
例えば、冬のコミックマーケットの待機列でゲームプレイする際、指先が凍えて従来の携帯ゲーム機ではプレイに適した環境とは言えなかったが、GPD WIN本体が暖かくなるため活躍しそうだ。逆に夏コミは放熱に注意が必要かもしれない。

このように携帯でPCゲームが楽しめるGPD WINだが、現在は初期出荷分のため様々な問題もみられる。以下でそれらを説明しよう。

GPD WINで発生している主な問題

 
・初期不良率の多さ

筆者が経験した致命的な初期不良は「スピーカーの音が鳴らない」。接続を確認したところ、スピーカーのケーブルが浮いていた。なお、イヤホンを挿して使用した場合には音声出力は可能だった。

また、2台目はキーボードの刻印が間違っていた。

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このほかにもハードウェア的な不具合が国内外含め報告されている。

・Windows10ライセンス認証問題

一時、同梱された一部プロダクトキーが認証ができない問題が発生しており、GPD社による対応が行われるとのこと。日本のクラウドファンディングサイト「Makuake」で購入したユーザーも、実行者へ問い合わせれば個別対応してもらえるようだ。

プロジェクト実行者 緑屋電気株式会社による不具合についての投稿

なお、筆者の手元にある2台は今のところライセンス認証関連の問題は発生していないため、この件での問い合わせは行っていない。

国内展開について

国内の正規代理店は緑屋電気株式会社となり、予定では来春(2017春)国内販売開始、販売価格は55,000円(税込・送料別)となっている。

PCゲーマーへ朗報!コントローラ付ゲーム専用モバイルPC<GPD WIN>上陸!

今のところは正式な国内販売がされていないにもかかわらず一部で話題なこの端末。国内展開において一番の焦点である「技適問題」は解決しているものの、現時点では、ライセンス関連の問題やハードウェア自体の交換が必要な初期不良なども見られる。いったんは今後の動向に注目したいところだ。

カタテマの新作『ムラサキ』続編が開発中

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ゲーム制作サークル「カタテマ」による『ムラサキ』は、「シンプルで楽しい爆発パズル物理アクションゲーム」と公式サイトで銘打つ通り、爽快で連鎖が楽しいパズル+シューティング風のゲームとしてリリースされ、現在ではSteamでの配信が行われている。

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リリース以来人気を博している本作だが、今回、続編となる新作が制作中であることが発表された。

「カタテマ」公式サイト内 告知記事

発表によると、制作のメインスタッフは前作『ムラサキ』と同じとのこと。制作はてつ氏、イラストは蓬餅氏、音楽はwatson氏が担当する。現在は軽い通しプレイも可能となっているようで、「そう遠くないうちに完成」する見込みのようだ。

なお、公式サイトには制作中の画面として「小さくてよくわからないスクショ」も掲載されている。ともあれ、今後の続報を待ちたいところだ。

・『ムラサキ』基本情報
タイトル ムラサキ
制作者 カタテマ(制作者様サイトはこちら
クリア時間 数時間程度(やり込みは果てしない)
対応OS Windows Vista/7/8
価格 無料(フリーウェア)
ダウンロード 制作者様サイト内のこちらから

なお、本作ムラサキはサウンドトラックも発売中だ。全19曲が収録。価格は750円となっている。あの名場面で流れていた音楽を好きなときに楽しみたい方は、ぜひ購入してはいかがだろうか。


ムラサキ オリジナルサウンドトラック クロスフェードデモ

サウンドトラックのダウンロードはこちらから
iTunes(750円)

Amazon Store(750円)

『青鬼』原作者公認の続編がスマホゲームとして12月下旬配信

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シンプルながら優れたゲームデザインで多くのプレイヤーにプレイされ、さらに実況動画でも大ヒットとなったフリーホラーゲーム『青鬼』。今回、その世界観を受け継いだ原作者公認の続編が、スマホゲームとしてリリースされることが発表された。

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『青鬼2』リリースページ

配信を行うのは、UUUM株式会社と株式会社GOODROID。2016年12月下旬予定として、AppStore及びGooglePlayにてリリースされるとのこと。いまのところ「街外れにあるとある廃校…。そこにはある噂があった…。」というキャッチフレーズが公開されており、どうやら「青鬼2」の舞台は廃校となるようだ。

内容としては、原作者noprops氏公認のもと、新しいストーリー、新しい謎、そして新たなキャラクターやスペシャルステージが登場するとのこと。現在は詳細なゲームシステムやストーリー情報、また有料・無料などの配信形式は公開されていない。今後の情報を待ちたいところだ。

大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』サウンドトラックが販売予定 デモも公開中

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今年9月に公開された大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』。亡国の騎士である少年「ゼイド」を主人公としたドラマチックな物語と、戦術性の高いゲームデザインが大きな魅力である本作だが、12月31日に開催されるコミックマーケットにて、サウンドトラックの頒布が行われることが発表された。


『ヴェスタリアサーガ』サウンドトラック デモページ

販売されるコミックマーケットのブースは「西る-37a」の「LILT RECORDS」。なおSweepRecordSHOPにて通信販売の予約も行われており、価格は3,600円となっている。予約販売の発送開始日は2017年1月5日以降とのこと。

『ヴェスタリアサーガ』のゲーム本編としては、各マップごとに特有の仕掛けがあり、それに対してプレイヤーが攻略方法を考えていくというゲームデザインが非常に優れているものとなっている。また主人公ゼイドの前に現れる登場人物たちそれぞれが背負う物語も見逃せない。

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プレイ時間としては数十時間ほどの長編だが、ゲーム開始時に難易度を選択できるため、SRPGの苦手なユーザーにも配慮されたものとなっている。冬の長期休みに入る人にはぜひ遊んでみて欲しい作品だ。

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あなたの選ぶ今年のベストフリーゲーム投票企画「フリゲ2016」開催中

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今年も年末が近づいて来た。もぐらゲームスでは、2016年もさまざまなジャンルのフリーゲームを紹介してきた。みなさんは、どのくらい作品をプレイできただろうか?

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フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!

育成やりこみ系フリゲRPG『ディスクリーチャーズ』に感じた「90年代への熱き想い」

寿司が高速で走るフリーゲーム『高速廻転寿司』。圧倒的加速でライバル寿司を追い越せ!

ダークファンタジーRPG『WIZMAZE(ウィズメイズ)』。迷宮に立ちふさがる“虚無”と“光<ニルン>”の試練に挑め!

美しい童話的世界を旅するフリーゲームRPG『片道夜行列車』。「使い魔召喚」を駆使し、「猶予時間」の中で敵を倒す戦略性も魅力

爽快フックアクションのフリーゲーム『ニュー・スーパーフックガール』。任天堂作品のような巧みなゲームデザインが光る

短編フリーゲームRPG『歪者行進曲』。高難度な戦闘と狂気の世界に酔いしれる

台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」

フリーゲームRPG『ひびかけ色のキセキ』。魔法使いの女の子が陰謀に立ち向かう物語と、リアルタイムバトルが魅力

フリーノベルゲーム『どとこい』。「正方形」にしか見えないドット絵美少女と仲良くなって画質を高める異色の恋愛ゲーム

これらは、もぐらゲームスにておすすめのフリゲを紹介した記事の一部だ。多くの読者の方々にお読み頂くことができた。そして年末には、ユーザーによるフリーゲームの人気投票イベント「フリゲ2016」も開催される。今回の記事では、このイベントを紹介したい。

「フリゲ2016」は、これまでに遊んだフリーゲームの中から「これが好き!」というフリゲを投票するユーザー投票型イベントだ。「作品のクオリティ」を決めることを目的としたものではなく、あくまで人気投票の一環となっているとのこと。

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フリゲ2016 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム

投票の対象となるフリーゲームは「2015年12月1日~2016年11月30日」の間に公開、または最新バージョンとして更新された作品だ。今年プレイしたフリーゲームの中で気になったゲームがあったら、そして、プレイした中でもし心に残った作品があれば、フリゲ2016に投票してみてはいかがだろうか。投票期間は2016年12月23日中までとなっている。

なお、「今年はあまりフリゲをプレイできなかった!」という方は、冒頭で紹介した記事の中から、気になった作品を遊んでみてはいかがだろう。思い出に残るゲームとの出会いが待っているかもしれない。

ユーザーが選ぶ今年のベストフリーゲーム投票企画「フリゲ2016」 結果発表

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先日より開催されていた、ユーザーによるフリーゲームの人気投票イベント「フリゲ2016」。

「フリゲ2016」は、これまでに遊んだフリーゲームの中から「これが好き!」というフリゲを投票するユーザー投票型イベントだ。「作品のクオリティ」を決めることを目的としたものではなく、あくまで人気投票の一環となっている。

本イベントの投票結果が12月24日に発表されたので、投票数の上位5作品をサマリーとして紹介したい。

『ニュー・スーパーフックガール』

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『ニュー・スーパーフックガール』は、Unity製のアクションゲームとなっており、フックを射出する装置『フックショット』を駆使する少女「フックちゃん」を操作し、様々なステージを攻略していくアクションゲームだ。フリーゲームのダウンロードサイト「フリーゲーム夢現」でも、週間ダウンロードランキング、レビューランキングの上位となっており、話題を呼んでいた。

本作の特徴としては、フックちゃんが使う「フックショット」をステージのあちこちに引っ掛け、宙を飛び、縦横無尽にステージ内を駆け巡る楽しさ。そして、ステージの隅から隅まで仕掛けが作りこまれており、それらを攻略・探索する楽しさが魅力だ。

登場するステージには、高い建物が連なる雪の降る街、広大な海原、突風の吹きすさぶ大空、機械の空中庭園……などなど、多様なステージと仕掛けが待ち構えている。どれも特徴あるステージで、攻略が楽しいものとなっている。

また、アクションの腕を磨いて攻略を行なう楽しみのほかに、ステージの攻略ルートや方法を自分で見つけていく面白さは、かつてニンテンドウ64でリリースされたコンシューマゲーム『スーパーマリオ64』のような「自由な攻略性」を思い出す作品となっていた。

(紹介記事)
爽快フックアクションのフリーゲーム『ニュー・スーパーフックガール』。任天堂作品のような巧みなゲームデザインが光る

『メイジの転生録』

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フリーゲームの投稿コンテスト「VIPRPG紅白2015」にて総合1位の評価を得たRPG『メイジの転生録』。

ノンフィールド型のRPGとして優れたゲームバランスや、ユーザビリティの優れたシステム設計が特徴。加えて、独特ながらもプレイするたびに馴染んでくる世界観や台詞回しは、多くのファンを生み出した。

『メイジの悲劇譚』『メイジの因果録』といった過去作も存在するが、本作はそれら作品をプレイしていなくとも楽しめるようになっている。ただ、過去作をプレイしている場合はより楽しめるものとなっているので、本作の途中まで遊んだ段階で好みと感じた場合、過去作を遊んでみるのもよいだろう。

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コラム:フリーゲームをはじめよう。「第1回 誰もが最初は知らない、フリーゲームという未知の世界」

『END ROLL』

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『END ROLL』は、『ミノニヨクシティ』などのフリーゲームRPGを制作してきた、せがわ氏の作品。

本作は「絶望系RPG」と称されている。謎の部屋に連れてこられた「ラッセル」は、幸せな夢を見るという薬を注射させられる。そして、夢の中の世界の町などを探索することになる……。というのが物語の筋書きだ。

戦闘の難易度は低めとなっており、バトル自体が物語演出の一環となっているような設計のため、RPGが苦手な人でもクリアすることはできるだろう。海底囚人氏の『大海原と大海原』『灰色庭園』といった作品の持つゲームバランスとなっている。

自作素材などで作りこまれた世界は探検しているだけでも楽しいものとなっている。寄り道要素などもあるため、ぜひ世界の隅々まで冒険してほしい。

『ヴェスタリアサーガⅠ 亡国の騎士と星の巫女』

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今年9月に公開された大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』。亡国の騎士である少年「ゼイド」を主人公としたドラマチックな物語と、戦術性の高いゲームデザインが大きな魅力である本作。

ゲーム本編としては、各マップごとに特有の仕掛けがあり、それに対してプレイヤーが攻略方法を考えていくというゲームデザインが非常に優れているものとなっている。主人公ゼイドの前に現れる登場人物たちそれぞれが背負う物語も見逃せない。

プレイ時間としては数十時間ほどの長編だが、ゲーム開始時に難易度を選択できるため、SRPGの苦手なユーザーにも配慮されたものとなっている。冬の長期休みに入る人にはぜひ遊んでみて欲しい作品だ。なお、12月31日に開催されるコミックマーケットにて、サウンドトラックの頒布が予定されている。

(関連記事)
フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』が9月21日公開予定
大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』サウンドトラックが販売予定 デモも公開中

『箱庭えくすぷろーら』

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『箱庭えくすぷろーら』は、すき氏によって制作されたフリーゲームアクションRPG。

本作の特徴はビジュアルだけにとどまらず、クォータービューで描かれたユニークな世界観、武器やアイテムを使ったアクションバトル、プレイヤーを縛らない自由な探索の楽しさ、全編書き下ろしのBGMと多くの魅力が詰まっている。

主人公「にと」が旅先で出会う人達は個性的な人物ばかり。プレイヤーのガイド役をしてくれる女の子は、なぜかスクール水着を着て各地にいる。他の住人もちょっとだけエッチな台詞や有名なゲームのパロディを言ったりと、愉快なテキストが冒険にユーモアを添えてくれる作品となっている。

(紹介記事)
フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!

本記事で紹介した作品以外にも、企画ページにて詳細な結果が掲載されている。自分のお気に入りの作品がないか確認してみてはいかがだろうか。

ブラウザで遊べる「定期更新型オンラインゲーム」とは? 新規タイトル3作を紹介

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みなさんは「定期更新型オンラインゲーム」というゲームジャンルを知っているだろうか?

定期更新型オンラインゲームとは、主にプレイヤーキャラクター(PC)の行動をあらかじめ登録、その内容にもとづいて、週に1回から数回更新されるテキスト描写メインの作品を指す。webブラウザ上でプレイできるRPGで、非同期型オンラインゲームとも呼ばれる。

今回は、今年秋・冬より新規に開始している定期更新ゲームのタイトルが3作品あるので、記事にて紹介したい。

……と、そのまえに、まずは定期更新ゲームに馴染みのない方もいると思われるので、基本的なルールの例を紹介しよう。

定期更新型オンラインゲームの基本ルールとは?

定期更新ゲームの基本的な進行の例としては、まず最初にプレイヤーキャラクター(PC)を登録する。次の結果更新時に、自分のPCの行動結果を確認し、その結果を受けて次の行動を登録する。さらに次の結果を見て、そのまた次の行動を……といったように進行していくのだ。

以降、行動結果の確認と行動登録の繰り返しとなる。更新の度に戦闘のあるゲームが大半で、この戦闘はフリーゲームの例でいえば『Tactical Chronicle』や『ランナーズ・エクリプス』のシステムのように、戦闘行動をプレイヤーが事前にプログラムし、戦闘時には事前に組んだプログラムに基づいた行動が半自動的に行われるものとなる。

オンラインゲームの一種とはいっても、多くは個人制作・管理されているフリーゲームであり、作品それぞれに作者の個性がでているものが多い。ゲームのテーマとしてはファンタジー、SFにおける冒険や戦闘、現代風世界でのコンビニ運営まで様々だ。

このゲームジャンルの見どころとしては、まずプレイ時間が直接的にゲームの結果に影響しないこと。長時間かけてレベルを上げPCを強くするシステムではなく、プレイヤーがいかに上手な判断・行動登録ができたかを問われるため、手軽に参加することもできる。そして自らのオリジナルキャラクターを、ゆとりをもったペースでロールプレイしたり、他のPCとも交流することができる。

またオンラインゲームでありながら、おおむね3ヶ月から2年程の期間と限られており、あらかじめ終了時期が決められていることもあること。終わりなくダラダラと続けてしまうこともなく、2ヶ月以上の期間で目標を立ててプレイすることはなかなか有意義な体験となりやすい。そして、一定期間毎に行動登録の締め切りがあるということ。締め切りがあるからこそ、限られた時間の中でプレイヤーの優れた意思決定が行われたり、PCたちの魅力的な物語が紡がれてきた。

こういったゲームの性質上、RPG、ターンベースストラテジー、ローグライク、テーブルゲーム、TRPGやプレイバイウェブ、プレイバイチャットが好きなプレイヤーにオススメなゲームジャンルとなっている。

それでは、ここからは3作品を紹介しよう。興味を持った方は、まずはルール・注意事項を見て、そして登録してみてはいかがだろうか。

Last Order サイコロを振って、惑星を開拓しよう

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グルメ愛好家なるものから円柱型惑星に呼ばれ、ダイスを託され、食の天敵となる”BUG”と戦いながら、惑星の開拓を目指すゲームだ。

特徴的であるのは、基本的にダイスを振って惑星マップを移動していくことと、PC同士の模擬戦上位者を敵であるBUGは姿から戦術までをコピーするという点だ。毎更新好きなPCを自分のパーティに加えることができるようになっているため、手軽に様々な戦い方を試すこともできる。

タイトル 『Last Order』
制作者 神谷(公式Twitter)
更新間隔 週1回
更新予定回数 20~40回更新(予定変更の可能性あり)
参加はこちらから
http://ykamiya.sakura.ne.jp/index.html

Seven Seas 7つの海に沈む海底遺跡を暴け!

財宝、未知の生物、全てを統べることのできる魔法があるなど、様々な噂のある7つの海にある海底遺跡を探索するゲームだ。

海底を舞台とするため、スキルストーンという水中での呼吸・行動・会話・耐圧 を可能にするアイテムを持たされることになっており、キャラクターに供給される空気を戦闘に使用可能なSPというリソースで表している。呼吸が必要ないPCは溺れてしまうことがない代わりにSPがないなど海底での戦闘を表すためのシステムがあるのが特徴だ。
またPC同士の戦闘である「PvP」として海賊や海賊狩りのシステム、戦闘で最も貢献したものが報酬を得られるレイドボスとの戦闘がある。

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探索協会の教官がチュートリアルで身をもって、呼吸の大切さを教えてくれる

タイトル 『Seven Seas』
制作者 ロキサ(公式Twitter)
更新間隔 週1回
更新予定回数 50回更新(予定変更の可能性あり)
参加はこちらから
http://www.sssloxia.jp/index.html

夕闇国のコンビニ戦争 !!夕闇の虚無に商機を刻め!!

あらゆる世界の夕闇の狭間に繋がる昏い国、夕闇国。この世界に転移されたPCたちはコンビニの店長として闇円を稼ぎ出すのだ。特徴としてはPC20 vs NPC20というお客様への売上を競い合い(戦闘)だ。ランダムで毎回、店長たちとお客様たちの構成が決定されるので、より大きな売上を目指すならばその時に応じた商品陳列(アセンブル)が求められれる。

タイトル 『夕闇国のコンビニ戦争』
制作者 霧のひと(公式Twitter)
更新間隔 週1回
更新予定回数 全10回更新
参加はこちらから
http://blacktea.sakura.ne.jp/conveni/


キュートで退屈(?)なフリーホラーゲーム『Spooky’s Jump Scare Mansion』 あなたは1000部屋目にたどりつけるか?

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年末年始。大みそかからお正月にかけて長期休みという方も多い。長期休みはゲーム三昧だ!と意気込んでいる人もいるのではないだろうか?

今回はそんな長いお休みにぴったりのホラーゲーム『Spooky’s Jump Scare Mansion』を紹介しよう。本作はゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて無料配信されているフリーゲームで、Steamアカウントを持っていればすぐに遊ぶことができる。

このゲームの特徴は、とにかく「長い」こと。長いといってもそれはプレイ時間ではない。その道のりがはてしなく長いのだ。

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『Spooky’s Jump Scare Mansion』はアメリカの二人組のインディディベロッパー「Lag Studios」が手掛けた作品。タイトルにある「Jump Scare」とは、ホラー映画などによくある大きな音を鳴らしたり映像を変えたりしてびっくりさせる演出のことで、ようするにワッと驚かせるのが得意なゲームだ。心臓にはよろしくない。

ちなみにタイトルロゴに張り紙をして名前を書き換えているのは、諸事情でタイトルが変わったからである。以前は『Spooky’s House of Jump Scares』というタイトルだった。なぜタイトルが変わってしまったのか。そこにはインディゲームのつらさが隠れている。

事の発端はドイツのモバイル会社「Spooky House Studios」が「Spooky house」の商標を取得しようとしたことに始まる。そこで商標と似通った本作とぶつかってしまった。「Spooky House Studios」は「Spooky House」のヨーロッパ圏での商標を取得しているとして、「Lag Studios」にタイトルの変更を要求したのだ。大きい会社ならここから法廷闘争に突入するところだが、二人組の小さすぎるディベロッパーにはその力がなかった。そして、最終的にタイトルが変更される形となったそうだ。これは本作のSteamの更新情報にて開発者自ら報告している。

インディゲームはたびたび法廷闘争に巻き込まれる。が多くの場合、開発チームの規模の小ささが災いし、チームに苦労だけが強いられてしまう。なんとも、つらい話である。

話がそれてしまった。ゲームの話に戻ろう。

世界一キュート(?)なホラーゲーム

 

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『Spooky’s Jump Scare Mansion』はプレーヤーが古くから丘の上に立ついわくつきの大邸宅に訪れるところからはじまる。そこへこの邸宅の主であり、ゲームの案内役であるスプーキーちゃんが現れる。かわいい。

「こんにちは。私はスプーキー。ここは私のおうち。つつましいプレーヤーさん、あなたは1000の部屋を通り過ぎることができるかしら?」

そう、このゲームは1000の部屋を生きて通過することが目的だ。

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スプーキーちゃんの大邸宅は空間がねじ曲がっているのか、部屋が一本道のようにいつまでも続いている。部屋の形は様々で、ただの廊下のようになっている部屋、アーケードゲーム機が陳列された部屋、行き止まりがいくつもある部屋などたくさんのパターンがある。プレーヤーはここをただひたすら通過していく。

操作はFPSなどによくみられる一人称視点のものそのままで、慣れている人はすぐに遊べるだろう。右上に今自分が何部屋目を通過しているのか表示されているので、ゴールまであとどれくらいかすぐにわかる。部屋のデザインはスプーキーちゃん同様、かわいいイラスト調になっている。

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怖がらせ方もかわいい。部屋を進んでいると突然看板が飛び出して、音がジャジャジャーンと鳴る。びっくりはするが、看板そのものはとてもかわいい。ここまでキュートづくしのホラーゲームはなかなかないだろう。不気味なBGMが流れてはいるのだが、スプーキーちゃんはプレーヤーを怖がらせる気があるのだろうか?

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安心してほしい。このゲームは間違いなくホラーゲームだ。プレーヤーが特定の部屋数を通過すると、特殊な部屋が現れる。謎の研究所であったり、日本の学校であったり。その場所はさまざまだ。突然のグラフィックデザインの変化に驚くことになるだろう。

この特殊な部屋は通常の部屋と違い、ドアにカギがかかっていて次の部屋にそのまま進めない。なので、カギを探して部屋を探索せねばならない。すると、この特殊な部屋には何やら怪しいメモ書きや血痕が残されている。ああ、これはきっと、化物がいるに違いない……。

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デター!特殊な部屋のカギを開けると、そこに縛られていた化物もまた部屋から解き放たれる。化物は問答無用にプレーヤーを襲ってくるのでとにかく逃げねばならない。部屋を脱出したからといって安心はできない。やつらもまた部屋を通過してプレーヤーを追いかけてくるのだ。攻撃を食らって減った体力は徐々に回復するものの、化物の攻撃はとてつもない威力がある。何度か攻撃されるだけで死んでしまう。

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プレイヤーはスタミナの続く限り走ることができるが、すぐにスタミナは切れてしまう。うまくやりくりして化物から逃れよう。何部屋か逃げ延びれば、化物を振り切ることができる。だが、一度解き放たれた化物は何度も君を襲いにやってくる。次、無事に逃げられるかはわからない。

ちなみに、殺されたときの演出は化物によって異なる凝った作りになっている。

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あまり書いてしまうとネタバレになるので避けるが、化物にはそれぞれ特徴があり、プレイヤーを苦しめる特殊な性質を持っている。プレイヤーの視界を狂わせる、化物を見ていないと高速で移動し、見ている限りは動かない、部屋を少しずつ埋め尽くして触れるだけで死ぬ、などなど。さまざまな化物から逃げ延びねばならない。

スタミナの回復を待って、迫る化物から逃げたい衝動にかられ、やっとの思いで走った先が袋小路だったとき、このゲームの真の恐怖を知ることになるだろう。精神的に焦らせ、ランダムに選ばれる部屋を通り抜けるというシステムで追い込む作りはよくできている。かわいいデザインではあるが、このゲームはホラーゲームなのだ。

あと、化物に追われてめちゃくちゃ緊張しているときに、ババーンと看板おばけが出てこられると非常にびっくりする。こんなにかわいいやつに怖がらせられるなんて。この屈辱感もぜひ味わってほしい。

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さて、このゲーム、オマージュやパロディが非常に多いのも特徴だ。このゲームはセーブポイントが最初は50部屋おき、途中から100部屋おきに設置されているのだが、ここを出るときの演出がバイオハザードを彷彿させる。たまに部屋に設置されているゲーム機はどれも名作レトロゲームのパロディ。そもそもアメリカの作品なのに日本の学校が出てくるのはジャパニーズホラーゲームのオマージュ。そして、最後に出てくる化物なんてギミックからなにからなにまで……といったように。それはもういたるところにオマージュやパロディがある。ゲームファンならきっとニヤリとできるはずだ。

”やめたい気持ち”と戦う異例のゲームデザイン

 

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しかし、いかに定期的に化物たちの住処を訪れ、化物たちから逃げ回ったとしても、やっていることは部屋を通り過ぎるだけの単調なゲームである。部屋はパターンからランダムに選ばれてはいるものの、そのパターン数も限られる。100部屋も通り過ぎるころには大体の構造を覚えてしまうだろう。退屈さに投げだしてしまうのも時間の問題だ。

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それでいいのだ。このゲームはなんとクリアを諦めることを前提に作っている。その証拠に、このゲームは何部屋生きて進めたかがスコアとして記録されるようになっている。死んだあとセーブポイントをロードして、また死んだ場合もその部屋数が記録される。死なずにどこまで進めたかがこのゲームのスコアではない。諦めずにどれだけ進めたかがこのゲームのスコアなのだ。

1000部屋という途方もない数の部屋を、理不尽な化物の攻撃にも耐え、諦めずに通過しきれるか。それが、このゲームの作りなのである。通常のゲームならプレイヤーをあの手この手で楽しませ、最後まで遊ばせようとするが、このゲームはプレイヤーを”やめたい気持ち”と戦わせ、最後まで遊ぶことができるのかを試す異例のゲームデザインなのだ。インディゲームならではの作風だろう。

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あなたは1000の部屋を通り過ぎ、このゲームのエンディングを見ることができるだろうか?それはあなたの飽きっぽさと忍耐力にかかっている。

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またこのゲームはフリーゲームではあるが、海外のインディディベロッパーの作品らしくマネタイズも考えられている。DLC販売があるのだ。最初はゲームのサントラだけだったが、現在は1000部屋目以降に存在する謎のエリアを探索するエキスパンション『Karamari Hospital』も配信されている。ゲームを気に入った方はぜひ買ってあげてほしい。

また、先日Unityエンジンで作り直したHDリマスター版の開発が発表された。現在Steam Greenlightにて投票を募っている。HDリマスター版はVR対応や日本語翻訳も考えているそうなので、こちらも併せて応援してほしい。

年末年始のお休みは長く休めるものの、やることがなくて退屈だという人も多い。今年のお休みは、その退屈さと戦ってみるというのはどうだろうか?スプーキーちゃんがあなたの挑戦を待っている。

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[作品情報]
タイトル 『Spooky’s Jump Scare Mansion』
制作者 Lag Studios(制作者様サイトはこちら)
対応OS Windows Vista以上
プレイ時間 4~5時間程度(DLC含まず)
価格 フリーソフト(サントラ:980円, エキスパンションDLC『Karamari Hospital』:198円)

ダウンロードはこちらから

『箱庭えくすぷろーら』風のドット絵アクションRPGが作れる!ゲーム制作ツール「箱庭あにま」β版公開

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すき氏により制作されたフリーゲームのアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』。スクリプトエディタ「Hot Soup Processor」 (HSP)によって開発され、精緻に作りこまれたドットアニメーションが印象的で、開発の早い段階からツイッターで拡散され話題を呼んでいた。

本作の特徴はビジュアルだけにとどまらず、見下ろし型のクォータービューで描かれたユニークな世界観、武器やアイテムを使った派手なアクションバトル、プレイヤーを縛らない自由な探索の楽しさ、フリーゲームSRPG『グレイメルカ』などの楽曲も担当した吉松たつゆき氏による全編書き下ろしのBGMと、多くの魅力が詰まっている。

そんな本作『箱庭えくすぷろーら』のようなクォータービューのドット絵アクションRPGを制作できるツールのβ版「箱庭あにまβver56」が、すき氏により公開されたので、紹介したい。

本ツールには、すき氏の製作した『箱庭えくすぷろーら』自体が、サンプルプログラムとして登録済みの状態となっている。そのため、本ツールを使用して、『箱庭えくすぷろーら』がどのように作られているのかを知ることができ、自分のゲーム制作に役立てることが出来そうだ。

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さっそく筆者が本ツールをダウンロードして触ってみたところ、項目としては、ゲームの舞台であるマップを作成するマップ編集、マップにキャラやイベントを配置するイベント編集、キャラクターの能力値やスキル設定などのデータベース管理、音楽や画像などの素材管理といった要素が存在し、既存のゲームエンジン使用者なら馴染みやすいものになっていると感じられる。
 
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ゲームの舞台となるマップは、マス目で区切られている形式となっている。マップ編集の仕様としては、横幅10マス×縦幅10マス×高さ10マスの正方形の中でマップチップを配置し、マップを作り上げていく。

また、マップに設置するイベントの作成は、特定のプログラミング言語への習熟を必要せず、あらかじめ用意されたコマンドを組み合わせていく「RPGツクール」のような形式であることを確認できた。

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ReadMeによると、本ツールの全体の進捗度としては95%程度とのこと。今後のアップデート予定などは公表されていないが、ひとまず触っているだけでも楽しいので、まずはダウンロードしてみてはいかがだろうか。

本ツールで作成したゲームの著作権は作成者にあり、個人使用・商用目的問わず自由に配布可能。ただし、ツール同梱の作品『箱庭えくすぷろーら』を直接または改変した作品の商用利用は禁止。

一方で、『箱庭えくすぷろーら』のプロジェクトファイルに入っている画像素材は、本ツール以外を使用したゲーム作成に使用することや、改変、二次配布などは、常識の範囲内であれば可能とのこと。

そのほか、詳細な内容に関しては、ツールに同梱されているReadMeを参照いただきたい。

なお、合わせて『箱庭えくすぷろーら』本体もver1.55へのアップデートが行われている。内容としては、Xinputゲームパッド対応、描画数を抑えた低スペックモードなどの実装がなされたとのこと。こちらもチェックしておきたいところだ。

(関連記事)
フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!

2016年もぐらゲームス人気記事ランキングを発表!注目を集めた10作品は?

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今年も残りわずか。読者のみなさんは、今年はどんなゲームを遊んで過ごしただろうか?もぐらゲームスでは今年、240本以上の記事を掲載。昨年に比べて、本数が大きく増えた年となった。

年末最後の記事となる今回は、2016年にリリースされたゲーム紹介記事・レビュー記事のうち、最もアクセスされた10記事を上位から紹介しよう。自信を持っておすすめできる名作ゲームも多いので、記事の中で気になるゲームが見つかった人は、ぜひダウンロードして遊んでみてほしい。

なお、昨年のランキングはこちらとなっている。
2015年 もぐらゲームスのゲームレビュー人気ランキングを発表!今年注目を集めた記事は?

『ひとりぼっち惑星』

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2016年のアクセス1位となったゲームの記事は、これまでにも『ひとたがやし』や『ひとほろぼし』など独特のアートワークや設定が光るスマホゲームを送り出してきた、ところにょり氏の新作『ひとりぼっち惑星』のレビュー記事だ。

スマートフォン向けの放置型ゲームとして、AppStoreのランキング上位を獲得するなど大きな話題となっていた(記事へのアクセスにより、もぐらゲームスのサーバーも一時期重くなるほどであった)。

本作の舞台は、「ジンコウチノウ」同士が延々と戦争を行なっている惑星。そこで、たったひとりだけ存在するいきものが、宇宙からの声を「じゅしん」し、そして自分の声を宇宙へと「そうしん」するゲームだ。

ゲームプレイ開始当初こそ、目的のわからない世界に放り出されてしまうという感触が強いかもしれない。しかし、初めて惑星にアンテナを立て、宇宙からの声を「じゅしん」したとき、プレイヤーの多くはその世界観に心打たれるだろう。

紹介記事:
放置型スマホゲーム『ひとりぼっち惑星』。ひとりぼっちのいきものは、惑星で誰かの「こえ」を探す。

『INSIDE』

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アクセス2位となった記事は、影絵で構成されたアクションアドベンチャー『LIMBO』を制作したplaydeadの新作。

LIMBOに引き続いて2Dアクションゲームとなっており、冒頭から結末までまったくの言葉を使わずに、アートのみでストーリーを構築している作品。ステージの演出に加え、ステージに残された状況から背景をプレイヤーに想像させることで物語を伝える手法が特徴だ。

紹介記事:
『LIMBO』のplaydead新作『INSIDE』レビュー 生命があまりにも軽い世界の果てに、少年が見たものは

『Elin』

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アクセス数3位は、『Elona』作者の新作『Elin』が開発中であることを紹介した記事となった。

新作『Elin』の設定として、『Elona』と同じ世界観「イルヴァ」を舞台にしているが、続編ではなく、ゲームジャンルもローグライクゲームではなくRPGとなっている。また、Steamのアーリーアクセス登録を目指して開発中とのことだ。公式サイトでのデモプレイ動画から伺える情報として、『Elona』は2Dのローグライクゲームであったが、今作は3Dモデリングのキャラが街の中や酒場を自由に歩き回る様子を見ることが出来る。

なお、制作者の過去作である『Elona』は、公開後10年近く経ったいま、なおも多くのファンに愛されるローグライク・フリーゲーム。システムの根幹的な部分(ターン制、未識別アイテム、死んだらアイテムロスト、など)はローグライク系ゲームそのものだが、本作が他のローグライクと一線を画すのは圧倒的な自由度の高さが大きな魅力であるという点だ。

紹介記事:
名作フリーゲーム『Elona』作者の新作『Elin』が開発中

『ヴェスタリアサーガ』

ヴェスタリアサーガ

4位は、今年9月に公開された大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』。亡国の騎士である少年「ゼイド」を主人公としたドラマチックな物語と、戦術性の高いゲームデザインが大きな魅力である本作。12月31日に開催されるコミックマーケットにて、サウンドトラックの頒布も行われた。

『ヴェスタリアサーガ』のゲーム本編としては、各マップごとに特有の仕掛けがあり、それに対してプレイヤーが攻略方法を考えていくというゲームデザインが非常に優れているものとなっている。また主人公ゼイドの前に現れる登場人物たちそれぞれが背負う物語も見逃せない。

プレイ時間としては数十時間ほどの長編だが、ゲーム開始時に難易度を選択できるため、SRPGの苦手なユーザーにも配慮されたものとなっている。冬の長期休みに入る人にはぜひ遊んでみて欲しい作品だ。

紹介記事:
フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』が9月21日公開予定
大作フリーゲームSRPG『ヴェスタリアサーガ』サウンドトラックが販売予定 デモも公開中

『ファウストの悪夢』

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第5位は、台湾発のフリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。日本語で遊べる翻訳バージョンが既にリリースされており、特徴としては『Ib』『魔女の家』をどこか彷彿とさせるような、それでいて本作の強い独自性を持って作りこまれた「物語」と「謎解き」の絶妙なバランスが魅力となっている。またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。
 
本作で最も特徴的と感じたポイントのひとつは「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さだと感じた。
探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだ。その点、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。

紹介記事:
台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」

『箱庭えくすぷろーら』

第6位は、すき氏により制作されたフリーゲームのアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』。スクリプトエディタ「Hot Soup Processor」 (HSP)によって開発され、精緻に作りこまれたドットアニメーションが印象的で、開発の早い段階からツイッターで拡散され話題を呼んでいた。

本作の特徴はビジュアルだけにとどまらず、見下ろし型のクォータービューで描かれたユニークな世界観、武器やアイテムを使った派手なアクションバトル、プレイヤーを縛らない自由な探索の楽しさ、フリーゲームSRPG『グレイメルカ』などの楽曲も担当した吉松たつゆき氏による全編書き下ろしのBGMと、多くの魅力が詰まっている。

なお、12月30日には、本作のようなクォータービューのドット絵アクションRPGを制作できるツールのβ版「箱庭あにまβver56」が、すき氏により公開されている。こちらも合わせてチェックしたいところだ。

紹介記事:
フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!
『箱庭えくすぷろーら』風のドット絵アクションRPGが作れる!ゲーム制作ツール「箱庭あにま」β版公開

『あなたの事が嫌いです』

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第7位は、出てくるキャラクター全員が冷淡な反応しかしないという異色のスマホゲーム『あなたの事が嫌いです』。女の子をタップすることで、どんどん好感度が下がっていくというシステム。どの選択肢を選ぼうとも、好感度は絶対に上がらない。

登場する女の子のうち、気の強い女王様系の「藤代綾」、ギャルな「悠木亜里紗」は、主人公に対して予想通りの嫌悪感溢れた辛らつなリアクションを返してくれるが、印象的なのは、おっとりした図書委員の「園原ひなた」の反応だ。

彼女は基本優しい子なので、口撃はあまり行わない。ただ、こちらに厭忌の目を向けているのを、ポロッと漏らす。全力で嫌悪感をぶつけてくるわけじゃない分、無理に気を使っている分、見ていて大変しんどいものを感じるだろう。タップしていてどんどん変な気持ちになっていくプレイ感を味わって欲しい。

紹介記事:
心を痛めつけるためのスマホゲーム『あなたの事が嫌いです』のおしとやか美少女・園原ひなたちゃんに嫌われてみよう

『Hyper Light Drifter』

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第8位は、不治の難病を患った主人公が治療に必要な過去の遺産を求めて探索する見下ろし型のアクションRPG『Hyper Light Drifter』。ゲーム内容としては、かつての『ゼルダの伝説』を彷彿とさせるが、本作のメインは謎解きではなく、探索とバトルにある。

バトル、は剣と銃を用いたスタイリッシュなもの。剣撃を当てると弾丸が装填されるシステムなので、剣で斬ったら下がって撃つ、というヒット&アウェイが攻略の基本となる。剣で草を刈ったり箱を壊したりしても弾丸は装填されるので、『ゼルダ』よろしく草刈りに興じることも。他にもボタンを溜めて放つ回転斬りがあったり、ダッシュで壁にぶつかると転んだりと、『ゼルダ』へのリスペクトを感じられる部分が多々存在する。

またグラフィックにも注目だ。描き込まれた2Dのドット絵はレトロな雰囲気ではなく、現代的なピクセルアートなスタイルとなっているのが特徴。派手めの赤や蛍光グリーンなど、鮮やかな色彩も独特の雰囲気を与えているのも素晴らしい。

紹介記事:
『ゼルダ』や「ジブリ」の影響が息づく『Hyper Light Drifter』は美しくもムズかしいアクションRPGだった

『UnderTale』

UnderTale Steam

第9位は、多くのファンを持つ名作インディゲームRPG『Undertale』。かつて地球では人間とモンスターが共存しており、ある日、互いに衝突して戦争が起きてしまう。長い戦いの後に人間側が勝利して、モンスター達を魔法により地底へと封印する。
 
物語の舞台は、それから長い時を経た201X年。主人公となる子供は、とある山に登っていたが、この山には「登った者は二度と帰ることができない」という言い伝えがあった。うっかり穴に落ちてしまった子供は、モンスター達が生息する地下世界へ入り込むことになる……。というのがあらすじだ。
 
もぐらゲームスでは、下記のレビューにて極力ネタバレを排した紹介を行っている。レビューでは登場キャラクターの詳細や冒険のワンシーンなどについて全く触れていないが、未プレイの方へ向けて『Undertale』の魅力をこの上なく堪能してほしいからである。とにかく、ゲームに登場するありとあらゆるものを初めて目にしたときのインパクトが強い作品なのだ。

紹介記事:
名作インディーRPG『Undertale』は、「モンスターを倒す」ことの意味を問い掛ける
『UnderTale』 公式日本語版が2017年配信予定

『トラウマ*トラウム』

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第10位は、『クロエのレクイエム』や『幻想乙女のおかしな隠れ家』を作り出したサークル「ブリキの時計」の新作『トラウマ*トラウム』。

本作は西洋風の世界が舞台であり、少女「リリー」や「フィネ」たちを中心とした物語となっている。ゲームシステムとしては、手に入れた「情報」を上手く使いつつ、キャラクター毎の能力を使い分けて進行していく探索アドベンチャーゲームだ。

本作はキャラクターボイス・主題歌付の作品となっており、各キャラクターごとにそれぞれパートボイスを担当している。公式ページでは各キャラクターごとのサンプルボイスも聞くことができる。

また、本作の主題歌「記憶の花」は、幅広い音楽活動などで活躍している霜月はるかが担当。キャラボイスを担当する声優陣も、アニメーションなどで活躍する豪華なメンバーとなっている。

紹介記事:
フリーアドベンチャーゲーム『トラウマ*トラウム』。『クロエのレクイエム』制作者の「ブリキの時計」が新作体験版を公開
『クロエのレクイエム』の「ブリキの時計」、新作フリーゲーム『トラウマ*トラウム』を公開

来年も宜しくお願いいたします

以上、2016年もぐらゲームスの人気記事上位10記事を紹介した。もし今回初めて知った作品で、興味のある作品があったら、ぜひダウンロードして遊んでみて欲しい。

もぐらゲームスでは来年も面白いゲーム作品の紹介や、様々な企画などを行っていく予定となる。引き続き、お読み頂けると幸いだ。

フリーホラーゲーム『徒花の館』 殺人鬼の少女となり、駆け引きが熱い「デス・ゲーム」で皆殺せ!

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いまでは多くの作品がリリースされているフリーホラーゲーム。このジャンルの特徴としては、怪奇現象に出会ってしまったり、殺人鬼や恐怖の存在に追い掛け回されるようなゲームが主だろう。

しかし、今回は、そういった普通のホラーアドベンチャーとは180度違った内容となるゲーム『徒花の館』を紹介しよう。

本作の特徴は、自分が殺人鬼となって対象を皆殺していくという、「逆」ホラーなゲームデザイン。隔離された空間に集まった男女6人に対してさまざまなゲームを仕掛け、敗者を殺していくというルール。仕掛けるゲームはそれぞれ全く別のルールとなっており、初見プレイでの対戦時の読み合いがとにかく熱い作品となっている。さっそく紹介しよう。

駆け引き・読み合いが非常にアツい「デス・ゲーム」を勝ち抜け!

ホラーゲームでありながら「主人公が殺人鬼」という設定が特徴的な本作であるが、もうひとつ見逃せないシステムが、本作の主人公であるサイコパスの殺人少女「音霧紅刃」が、謎の隔離空間に集めた「砂野 陸」や「浜平 海」といった6人の少年少女それぞれに対して行う「デス・ゲーム」だ。

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囚われの身となり、デスゲームの対象となった「砂野 陸」ら6人の少年少女
 
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紅刃は少年たちに対し、勝利した場合に相手の命を奪う「デス・ゲーム」を仕掛けていく。これは物理的に相手と殺しあうのではなく、相手ごとに違ったゲームルールを用意して対戦するという内容だ。

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そこに、奇抜なゴシックファッションで現れる「音霧紅刃」(主人公)
 
たとえば初回のゲームは、相手の金庫に入ったお金を奪い合う「強奪ゲーム」。基本ルールは、お互いに1000万円入った相手の金庫から3回だけお金を奪うことができるというもの。奪う金額も選択することができるが、3回の機会のうち1度だけ自分の金庫に「警報」を仕掛けることができ、警報を仕掛けたターンにお金を奪おうとした場合、取ろうとした金額だけ相手にお金を渡さなければならないというルールが存在する。

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毎回ルールの異なる「デス・ゲーム」を仕掛け、対象を殺害していく

そして、お互いに一度だけ、相手の金庫に警報がついていないかのチェックを行うことができる。そのためこのゲームの場合、闇雲に大きな金額を取ろうとするのではなく、相手は警報を仕掛ているのか?万全を期して行動をパスすべきか?それともチェックを使うか?という判断が重要になってくるのだ。

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初回のゲーム以降も、それぞれ別のルールを持つゲームで対戦していくことになる。ゲーム中にはキャラクターたちの心理描写や、相手が駆け引きを仕掛けてくるシーンなどもあり、プレイすることを飽きさせない。

特に初見プレイ時は、プレイヤーもルールを初めて知った状態でプレイするため、「どんな一手を打てば勝てるのか?」ということを考えるのが非常に楽しいものになる。RPGのようにレベルなどが存在するわけではないため、純粋に自分の知恵を絞って相手と戦う面白さがあるのだ。

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こちらが駆け引きを仕掛けるだけでなく、相手から仕掛けてくる場合もあるので要注意だ
 
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コンパクトな短編ながらも巧みなゲームバランス

ゲーム自体はすべて数分で終わるミニゲームであるが、コンパクトにまとまったルールや演出の上手さ、そしてゲームごとにイレギュラーな状況が差し込まれることも相まって、1ゲームごとに熱中することうけあいだ。

また、ルールとしてさらに特筆すべき要素として、紅刃は全員とのゲーム対戦を通して一度だけ「嘘」を付くことができるという特殊ルールがある。たとえば強奪ゲームの場合、相手にチェックを使われた際に、警報を仕掛けている場合でも「仕掛けていない」と嘘をついて、相手を陥れることができる。この一度きりの嘘をどこで使うのか頭を使うことも楽しいものとなっている。

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デスゲーム中の手に汗握る「意思決定」が、悩ましくも面白いポイントだ

本作はこういったルールが上手く絡み合っており、短編としてまとまりながらも、常にプレイヤーに意思決定を迫るというゲームバランスが見事なものとなっているのだ。

デスゲームの先に待つものとは

本作は、コンパクトながらも練り上げられたゲームシステムの一方で、紅刃や少年少女たちを巡るストーリーも用意されている。紅刃はなぜ6人にデス・ゲームを仕掛けるのか?集められた6人の取る行動とは、そして結末に待つものとは…

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なお、ゲームを進めるごとに、ゲーム相手である6人のプロファイル情報も更新されていく。彼らの人物像を知ることができるので、こちらを読み進めるのもまた物語の補完に役立つだろう。

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キャラクターの背景などを知ることが出来るプロファイル情報も

本作のような、思考と意思決定がメインとなるゲームが苦手な人も、二週目以降は相手の思考パターンやルールがある程度掴めていくと思うので、繰り返しプレイすることでクリアできるようになるだろう。しかし、まずは初回プレイ時の手に汗握る読み合いをぜひとも体験してほしい。

1プレイ30~40分ほどでクリアすることができる短編となっているので、手軽に頭脳戦を体感できるゲームをプレイしてみたい人は遊んでみてはいかがだろうか。

フリーゲーム作者による「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載が開始 完成作はダウンロードして遊べる!

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2016年9月8日(木)に株式会社スマイルブームよりリリースされたWindows用RPG制作ソフト「SMILE GAME BUILDER(スマイルゲームビルダー)」。プログラミング不要で3DのRPGが作れることが特徴のツールとなっている。

今回、もぐらゲームスでは2017年1月から4月頃までにかけて、フリーゲーム制作者の方々による、SMILE GAME BUILDERを使用したゲーム制作の実演記事を連載する。そして最終的に、プレイ可能な完成作品の公開も実施する。完成したゲームの実装を見ることができるSMILE GAME BUILDERのプロジェクトファイルも合わせて公開する予定だ。

制作実演記事は月に数本ほどの掲載予定となり、SMILE GAME BUILDERでゲームを作るうえでのポイントや、「このゲームはどうやって作ったのか?」「どういったポイントに気をつけたか?」というゲーム制作全般におけるコツなども見ることができる内容となる。

今回の連載企画に参加するフリーゲーム制作者は、下記の3名だ。

連載企画に参加する制作陣

 
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連載第1回担当:創作活動サークル「Qpic」(制作チーム代表:クスト)
 
ユーザーによる人気投票企画「フリゲ2016」にて最多の得票数を獲得した、爽快フックアクションが特徴のフリーゲーム『ニュー・スーパーフックガール』が代表作。同作のディレクターであるクスト氏の所属するサークル「Qpic」では、アナログゲーム頒布イベント「ゲームマーケット」にて『かぐや姫と5つの難題』を頒布し、iOS/Androidタブレット向けリズムゲーム『EQLIPSE』の開発も行うなど、幅広い活動を行っている。

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ニュー・スーパーフックガール
 
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連載第2回担当:カナヲ
 
ゲーム制作サークル「てりやきトマト」代表。代表作となるフリーゲームは、自らの命を絶った少女が過去を探す探索ホラーアドベンチャー『虚白ノ夢』(2016年3月に小説版も発売)、そして墓荒らしダンジョン探索RPG『積層グレイブローバー』など。シナリオ執筆やグラフィックデザイン、作曲なども行えるクリエイターであり、現在は『被虐のノエル』を制作中。
 
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虚白ノ夢
 
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連載第3回担当:坂本昌一郎
 
レーベル「sound sepher」主宰。ゲーム・アニメ作品『11eyes』の楽曲や、PC/PlayStation4向けのインディ・シューティングゲーム『アスタブリード』の楽曲を担当してきたサウンドクリエイター。現在はゲーム制作も行っており、体験版として公開されているフリーゲームRPG『箱庭セレナータ』を制作中。RPGツクール・WOLF RPGエディターのスクリプトやコモンの公開も行っている。
 
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箱庭セレナータ
 
第一回を担当する創作活動サークル「Qpic」の連載は、さっそく明日1月8日の昼頃から開始する予定だ。SMILE GAME BUILDERを使った制作に興味ある方は、ぜひお読みいただきたい。
 

フリーホラーゲーム『宵闇ノ影』 会社に閉じ込められたサラリーマンたちを待つものとは?

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現在、さまざまなタイプの作品が数多くリリースされているフリーホラーゲーム。
今回はそんなゲームの中から、オカルトミステリーアドベンチャー『宵闇ノ影』を紹介しよう。

本作の特徴は、フリーホラーゲームとしても珍しく、現代の会社オフィスが舞台となっている点にある。主人公や主要登場人物たちも全員会社員となっており、その多くが10代の少年少女にスポットを当てたホラーゲームの中では、珍しい感覚を楽しむことができるだろう。

物語自体もコンパクトかつ丁寧にまとまっており、1~2時間ほどでクリアすることができる短編となっているのもポイントだ。さっそく紹介したい。

会社に閉じ込められたサラリーマンたちを待ち受けるものは……

このゲームの主人公である「月宮潤」は、月宮コーポレーションの社長の息子。「19時以降になると子供の幽霊が出る」という噂が流れているこの会社で、夜まで眠りに落ちてしまっていた潤は、会社から外に出ようと試みる。しかし道中、会社に残っていたさまざまな人物との遭遇や、そして外へ出ようとする潤を阻む怪奇現象にも直面することになり……。

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本作の主人公である「月宮潤」。会社にて目を覚ますと、そこは既に夜だった

本作の基本的なゲームシステムとしては、マップを探索して謎解きを行うオーソドックスな探索型アドベンチャーとなっている。探索の最中にアイテムや会社の資料などを獲得することができ、それによって行動できる範囲が広がるほか、物語の背景をより詳しく知ることができるようになっている。

このゲームの特徴的なシステムとしては「ザッピング」の要素だ。潤は会社を探索中、さまざまな人間と出会う。たとえば序盤に出会う女性「黒穴舞」とは一緒に行動をすることとなるが、特定のポイントでは別々に行動することになる。その際に「ザッピング」を行うことにより、操作するキャラクターを切り替えることができる。

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潤が一番初めに出会う女性「黒穴舞」。彼女とは行動を共にすることになる

ザッピングを活用して、それぞれのキャラクターで会社を探索することで、より登場人物のことや物語を深く知ることが可能となる。ザッピングを使用した複雑な謎解きは存在しないため、こういったシステムが苦手な人でも楽しむことができるようになっている。一方、ザッピングをうまく活用することで、より作品を味わうことがことができるため、試行錯誤して探索した人が楽しめるような設計となっていることも特徴のひとつだ。

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ザッピングによって、より深く物語を楽しむことができる

プレイアビリティへの配慮や細部へのこだわりもポイント

本作は、プレイヤーがゲームを遊ぶ上でのプレイアビリティへの配慮が行われているのもポイントだ。たとえばメニュー画面では、これまでのストーリーの要約や、これからするべき行動などをいつでも確認することができる。

また、社内で見つけた資料の内容や登場人物のプロフィールなども参照できるようになっているため、もし内容を忘れてしまっても安心できるようになっている。

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ストーリーのまとめや次の目標、登場人物の情報などをいつでも確認することができる
 
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また、会社を探索する際にオブジェクトを調べたときの反応にも注目してみてほしい。細かいながらも、棚などの小物を調べたときに実際に戸が開くなど、反応がしっかりしており、ビジュアルへのこだわりを感じ取ることができる。

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細部までこだわって作られたマップグラフィックも雰囲気を出してくれる

会社を脱出しようとする潤たちの前に現れるものは…?

会社から抜け出そうとする潤は、道中でさまざまな人物や怪奇現象と出会う。ゲーム序盤から「重要な日付」として提示される「8月27日」、そして会社の探索中に見つかる過去の資料。これらを総合したときに見えてくる「真実」とは……?ここからは、そんな物語のダイジェストを紹介しよう。

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舞はなにやら探し物をしているようだが……?

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月宮コーポレーションの部長である「天地蓮」。風貌からは頼れる存在に思える

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探索中に出会う美人秘書「七星叶」。彼女もなにか理由があって会社に残っていたのだろうか。

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謎の幽霊のような存在が潤たちの前に出現する…

本作は、ゲームシステム上の特徴となるザッピング以外は、全体としては一見、オーソドックスな作品という印象を受けるかもしれない。

しかし、プレイヤーへの細かい配慮や小物を調べたときの細かい反応などを見ると、作品の基礎となる部分に丁寧な作りこみが行われていることが伺える作品だ。マルチエンディング制であり、クリア後のおまけ要素も存在しているため、作品世界をより楽しみたい人も満足できるだろう。休日などにぜひ一度プレイしてみてはいかがだろうか。

[作品情報]
タイトル 『宵闇ノ影』
制作者 C3(製作者様サイトはこちら
対応OS Windows
プレイ時間 1~2時間程度
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/13681

SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第一回:Qpic『スーパーフックガール外伝』①

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※本記事は、1月7日より開始した「SMILE GAME BUILDER」製作実演の連載です。

フリーゲーム作者による「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載が開始 完成作はダウンロードして遊べる!


  
こんにちは、『スーパーフックガール外伝-for Smile Giving Birthday-』制作チーム代表のクストと申します。

僕たちは大学生による創作活動サークル「Qpic」という団体で活動しており、時間を見つけつつ音楽を作ったり絵を描いたりゲームを作ったりしています。最近ではボードゲームの制作も行っており、昨年のアナログゲーム頒布イベント「ゲームマーケット」では『かぐや姫と5つの難題』『サークルプリンセス』『旅行企画課』という作品を出展しました。

僕が代表として担当したのは『Super Hook Girl』『ニュー・スーパーフックガール』の二作です。また、サークルでは『EQLIPSE』という音楽ゲームも現在開発中で、もしよろしければそちらもフォローしていただけると嬉しいです。

SMILE GAME BUILDERで制作中のゲーム概要を紹介!

今回、SMILE GAME BUILDERで制作する本作の世界観は、2016年に公開したアクション・フリーゲーム『ニュー・スーパーフックガール』のスピンオフという立ち位置の作品ですが、本編を未プレイでも楽しんで頂ける内容となっています。

ゲームジャンルとしても、本編のようなビュンビュン飛び回るアクションゲームではなく、キャラクター同士の掛け合いを楽しみながら遊ぶ、会話と探索を主体としたゲームを目指して制作を進めています。

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どのようなミッションが与えられ、どのようにこなすかはまだ開発途中のため面白そうなアイディアを試作中ですが、今後意識したい点は二つあります。

一つ目は、カメラワークを活用した気持ちのいい演出です。

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僕たちがSMILE GAME BUILDERを使った際、一番魅力に感じた点が、自在なカメラワークです。ズームイン・アウトはもちろん、撮影の起点となる場所の移動も可能なため、他のツールだと表現が難しい演出を実現することができると感じました。このカメラ移動の面白さにハマって、作業スケジュールがかなりずれてしまいましたが(笑)
 
二つ目は魅力的な街づくりです。冒頭でも述べたように、本作は「探索」を主体としているため、街を歩くこと自体を飽きさせないための仕組みを考えることに注力しました。2Dツールの場合はそういった街を表現することが難しく感じ、毎回飽きさせないための別の手段を考えていたのですが、SMILE GAME BUILDERを使うことで簡単に立体マップを作ることができるため、思わず「うわ、探索したい!」となるような街を作れていると思います。

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この点はまだ完成まで煮詰めますが、SMILE GAME BUILDERで作ったマップをテストプレイで歩くのは、制作者としても楽しく感じています。

ゲーム制作における「企画の考え方」とは?

今回の制作に関しては、使用するツールと「短編を作る」ということが先に決まっていたため、「SMILE GAME BUILDERでできることは何か」をリストアップしていきました。

普段だったら「何がしたいか」「どんな場面を見せたいか」といったことから考えるので、こういった制作は新鮮でした。その後に、プレイヤーを喜ばせるような体験を考え、それが実現できそうなシステム・ストーリーを考えました。

例えば、拙作『ニュー・スーパーフックガール』の制作の際は、水中を舞台としたステージ「オリオンオーシャン」で水中から水上に飛び上がった瞬間、輝く太陽が見えるといった体験を早期から考えていました。「このシーンを見せたい!」というアイディアはなるべく大事にしています。

本作もまだ開発段階ですが、プレイヤーに体験してほしいと思ったシーンはすでにテスト実装されています。思惑通りになるかどうかわかりませんが、プレイした人に楽しんでいただけるよう、引き続き頑張ります。次回の記事では、制作風景をお見せしつつ、こだわって作っているポイントなどお伝えできればと思います。

※本連載で制作しているゲームは完成後、作品を遊べるようにダウンロード形式で公開することに加え、SMILE GAME BUILDERを持っている人向けに、ゲームの実装の中身を見ることができるプロジェクトファイルも合わせて公開する予定です。


もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2016年おすすめフリゲ・インディゲーム18選

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2017年に入って、はやくも一週間が経過した。みなさんは昨年はどんなゲームをプレイしただろうか?

まだ新年明けて間もない時期、これからプレイするゲームを探し始めている人もいることだろう。そこで、今回はそんな読者の方々に向けて、もぐらゲームスの執筆陣のうち8名が、2016年にプレイしたゲームの中で特におすすめできるフリーゲーム・インディーゲームを18作品特集する。各執筆者が昨年プレイした中で心に残った「各々の名作」を順番に紹介していくので、気になった作品があればぜひ遊んでいただきたい。

『箱庭えくすぷろーら』

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フリーゲームRPG『箱庭えくすぷろーら』は、斜め上からの視点・クォータービューが特徴のアクションRPGです。プレイヤーは各地に散らばるダンジョンを自由に探索し、冒険できる地方を少しずつ開拓していきます。
 
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美しいドットで描かれたゲームは多々ありますが、本作では特に襲いかかってくる女の子型のモンスターのドットアニメーションに光るものがあります。可愛らしいだけでなく、縛ったり抱きついたりと「フェチズム」にこだわった動きは、完成度が非常に高いです。凶悪な攻撃ほど作り込まれているので、見とれているとあっという間に負けてしまいます。

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ボコボコにされるのを楽しむのも嗜好としてはアリですが、本作では彼女たちと戦うための多種多様な攻撃手段が用意されています。武器は種類ごとに使い勝手や攻撃範囲が大きく変わり、アイテムも魔導書や大きなタルの爆弾など様々。それらには使用回数や所持数の限度があり、装備やアイテムを使い分けて戦う必要があります。

他にもユーモアに富んだテキスト、冒険達成度を示す「実績」も用意されています。壮大な冒険を小さな箱庭に詰め込んだ本作は、手軽に濃厚な体験をするのにうってつけです。最近のアップデートでXinputゲームパッド(XBOXコントローラーなど)や低スペックモードにも対応したので、気になったらぜひ挑戦してみて下さい。
(ノンジャンル人生)

タイトル:箱庭えくすぷろーら
製作者:すき(suxamethonium)
価格:無料
ダウンロード先:http://ux.getuploader.com/twsuxa/

紹介記事:
フリーゲームアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』 遊び心を詰め込んだドット絵の箱庭で、自由度が高くてちょっとだけエッチな大冒険をしよう!

『メイジの転生録』

メイジの転生録はダンジョン探索要素をカットした「ノンフィールドRPG」というジャンルのフリーゲームで、ゲーム投稿企画「VIPRPG紅白2015」にて総合1位、ユーザーによる人気投票企画「フリゲ2016」でも多くの票を獲得した作品です。架空の都市「宿命ヶ原」を舞台に、主人公の魔黒理人が前世に目覚め異能を操る者【メイジ】達の戦いに巻き込まれます。

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独特な作風の絵や設定など、一見すると思春期の頃に誰もが思い描いたような世界観のようです。しかし、RPG特有の冗長さを徹底的に省いたキレのある展開、強烈な個性のキャラクター、言葉の大洪水と言えるほどインパクトのあるテキスト群でプレイヤーを圧倒していきます。「これは本気で言っているのか、それともギャグなのか?」と思っているうちに物語が一転二転し、息もつかせぬ展開がプレイヤーを待ち受けます。

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「CLOSS FAIT BATTLE」と呼ばれている本作の戦闘では、遊び心に満ちた戦闘の演出と、合間に挟まれるイベントシーンが驚きを与えてくれます。オーソドックスなターン制コマンドバトルでありながらも敵の行動バリエーションが多彩で、最後までプレイヤーを飽きさせません。

敷居が高そうに見えますが、遊びやすさに重きを置いたゲームデザインのおかげで、すんなりと進めることが出来ます。物語と戦闘でゲームが構成されているので、RPGが苦手な方や時間のない方にもオススメです。
(ノンジャンル人生)

タイトル:メイジの転生録
製作者:unbreaktell
価格:無料
ダウンロード先:http://www.geocities.jp/vipkohaku2015/entry31.html
※プレイの際にはRPG_RT.exeファイルの移し替えが必要です。

関連記事:
コラム:フリーゲームをはじめよう。「第1回 誰もが最初は知らない、フリーゲームという未知の世界」

『Rush Dungeons!β』

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現れる敵をひたすら倒し続け、次々と入手できる装備品を吟味しながら自動戦闘で進んでいく放置系フリーゲーム。全滅してもこれといったペナルティはなく、じわじわとキャラクターを成長させていくシミュレーションゲームや、ハックアンドスラッシュゲームで遊びたい方へおすすめの一作だ。一度攻略できなかったマップを、装備品を強化したり入れ替えたりしながら突破する瞬間が何と言っても快感である。

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同じ装備品でもレア度によって効果が違う。強化し続けてきた愛用の武器とレアな武器を入れ替えるか・・・?そういった“選択”を次々と迫られる。手に入れた装備品の自動売却システムもあるので、ゲームを放置してご飯を食べにいくというのも選択の一つだ。食べ終わって戻ってくると、資金が集まっていて、レアな武器も手に入っていて、キャラクターもレベルアップしていて、嬉しい事尽くし!

本作は第8回「WOLF RPGエディターコンテスト」の画像/音声部門にて1位を獲得しており、放置ゲームということに反して「放置して画面を見ないのはもったいない!」と思わされたほどの、踊り狂う熱の入ったドット絵アニメーションも見どころだ。
(vanillaice)

タイトル:Rush Dungeons!β
制作者:Najicore
クリア時間:5時間程度
価格:無料
ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/12685

『Hyper Light Drifter』

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『Hyper Light Drifter』は、崩壊した文明や荒れ果てた遺跡の世界で自身の病を治すために旅をする探索型のハードなアクションゲーム。

「剣」と「銃」を駆使し敵を倒していく本作をハードアクションと呼ぶのは、「雑魚敵でも普通にやられてしまう」からだ。アクション後の一瞬の硬直に隙が発生するので、ゴリ押しプレイがしにくいゲームである。敵に囲まれたり、角に追いやられるとあっという間に死んでしまう。しかし、死亡時のコンテニュー画面が無いため、戦闘がハードでもストレスに感じることはない。

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『Hyper Light Drifter』の戦闘の深みを出しているのが、緊急時の戦闘サポートアクション「ダッシュ」である。本作は「盾」が存在せず、敵との間合いの取り方が戦闘の鍵。瞬時に攻撃回避、そして間合いを一気に詰めて攻めに転じる。ダッシュが戦闘にスピード感を与え、攻撃のバリエーションを広げることでスタイリッシュさを生む。

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極彩色に彩られた独特な世界は、レトロ風の雰囲気を出しつつも新鮮味が感じられる。探索や戦闘の合間に座って背景を眺めてはいかがだろうか。
(みたらし)

タイトル:『Hyper Light Drifter』
開発元:Heart Machine
クリア時間:10時間~
価格:1,980円
購入はこちら:

紹介記事:
『ゼルダ』や「ジブリ」の影響が息づく『Hyper Light Drifter』は美しくもムズかしいアクションRPGだった

『Pony Island』

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ゲームを開始して飛び込んでくるのは、陽気で緩やかなBGMと共にポニーが楽しそうに跳ねている和やかなスタートメニュー。しかし、心癒されるのは最初だけだ。ゲームを始めようとすると、雰囲気は一気に変わり、画面はモノクロ、モーター音のような重い音が耳を包む。いったい、何が起こっているのか……。

『Pony Island』は大きく分けると「アクションパート」と「プログラミングパート」に分かれて進行していく。若干のびっくり要素があるが、怖がりな筆者でもプレイできる範囲の演出なので安心していただきたい。

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「アクションパート」は、スタート画面に出ていた「Ponyくん」を操作しハードルを越えていく。ハードルにぶつかることなく、飛びきればゴールというルール。難易度としても簡単であるため、シンプルなパートだと思うことだろうが、しかし、ゲームを進めていくうちに……。

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次に、ゲーム画面内で現れる「バグ」を治す「プログラミングパート」。現れたバグをクリックするとプログラミング画面へと移る。プログラミングといっても、専門的な知識は必要ない。表示されている「鍵」を下の「鍵穴」へと導ければクリアとなる。

本作は、ゲーム初見の驚きが大きな魅力のひとつなので、内容の紹介はここまでにしたい。興味を持った方は是非『Pony Island』をプレイしていただきたい。あなたは、ふだん遊んでいるゲームの「裏側」を覗けるかもしれない……。
(みたらし)

タイトル:『Pony Island』
開発元:Daniel Mullins Games
クリア時間:2時間~
価格:498円
購入はこちら:

関連記事:
Steamセールで買いたい!おすすめ名作インディゲーム20選

『Replica』

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突如、何者かによって連れてこられたプレイヤーの目の前に置かれたのは1つのスマホ。そして謎の人物に「このスマホの持ち主によるテロの証拠を見つけろ」と伝えられる。『Replica』は、全ての出来事がスマホを通じて起こり、スマホ内部で完結するゲームだ。日常ではタブーとされているスマホの除き見を堂々とできてしまう。

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「誰かに電話をかけて助けてもらおう」と思っても無駄だ。謎の人物が常にあなたを監視している。開放されるには、大人しく支持に従った方が良いのかもしれない。スマホから持ち主の人物像や交友関係を探りテロ事件を紐解いていく。パスワードは、一見ノーヒントに見えて、実は「スマホならではの情報」が散りばめられている。TwitterやFacebookのようなアプリ、写真、検索履歴などから情報を集めよう。

本作は、プレイヤーの行動によって変化するマルチエンディングなので、前回とは違った行動や新たに仕入れた情報を試してみると良いだろう。エンディングを通してまた新たな謎が出てくるかもしれない。一度見たイベントはスキップができるので、サクサクと周回プレイができる。
(みたらし)

タイトル:『Replica』
開発元:Somi
Mullins Games
クリア時間:2時間~
価格:298円
購入はこちら:

紹介記事:
他人のスマホを覗いて謎を解く背徳のアドベンチャー『Replica』 Steamにてリリース

『VA-11 Hall-A:Cyberpunk Bartender Action』

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近未来のディストピア都市グリッチシティ。その片隅で営業する認可バー「認可番号 VA-11 Hall-A」、通称「ヴァルハラ」を舞台に、様々な物語が交錯するノベルアドベンチャーゲーム。遠いベネズエラのディベロッパー「Sukeban Games」が開発した日本ゲームへのリスペクトを強く感じる作品だ。

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プレイヤーは「VA-11 Hall-A」のバーテンダーである主人公ジルとなり、「VA-11 Hall-A」に訪れるさまざまな顧客の要望に応え、カクテルを提供していく。多くのノベルゲームは選択肢で展開が左右されるが、このゲームは提供するカクテルで展開が変化していく。気分の落ち込んだ常連客に何を提供すればいいのか?謎かけのようなあいまいな注文にどう応えるべきか?全てはプレイヤー次第だ。

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近未来のディストピア都市というサイバーパンクな世界を舞台としながら、このゲームはほとんど「VA-11 Hall-A」店内で展開され、それ以外の場所は主人公の自宅ぐらいしか登場しない。だが、訪れる顧客たちはこの世界で職を持ち、生活をし、それぞれに悩みを抱えている。そして、その生活の一部を、悩みを、バーテンダーにふと漏らす。プレイヤーはその会話からグリッチシティという大きな世界を垣間見るのだ。バーという大人の世界を舞台に、味わい深いSF作品に仕上がっている。

残念なことに現在は日本語ローカライズされておらず、さらに口語表現が多いため読むのに慣れが必要と、日本人には正直勧めづらい。が、うれしいことに現在日本語ローカライズが進められている。ぜひ完成を待って、遊んでほしい。待つだけの価値がある作品だ。
(洋ナシ)

タイトル:『VA-11 Hall-A:Cyberpunk Bartender Action』
開発元:Sukeban Games
対応OS:Windows 7/8/10, OSX Yosemite, Ubuntu 14.04 LTS
クリア時間:15~20時間
価格:1,500円
購入はこちら:

『Okhlos』

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ギリシャ神話の神々は人類を振り回すことでおなじみだが、『Okhlos』はそんな横暴な神々に反旗を翻した人類の戦いが描かれる一大叙事詩だ。アルゼンチンの「Coffee Powered Machine」が開発した本作は、日本人が敬遠しがちなストラテジーゲーム(RTS)をユーモアと操作の簡略化で親しみやすくした快作だ。

オリュンポスの神々はティターン族同様に人間を振り回していた。そんなある日、勉学に励む教え子を殺された哲学者がとうとうキレた……。本作は古代ギリシア期の長編叙事詩『イリアス』の作者ホメロスが語るもう一つの物語として始まる。ホメロスのギリシャ神話や歴史ネタを絡めたユーモアあふれる語り口は非常に軽妙だ。思わずクスっとくるフレーバーテキストも雰囲気を盛り上げてくれる。

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プレイヤーは怒れる哲学者を操作し、民衆を集め、扇動し、戦いへと駆り立て、横暴な神々とそれに仕える人外たちを駆逐していく。RTSを簡略化したゲームデザインから『ピクミン』シリーズと比較されることの多い本作であるが、本作は『ピクミン』シリーズよりもさらに簡略化された操作性が特徴だ。

基本的に群衆はカーソルの周りに群がっているだけで、哲学者から離れてどこかに移動しろといった命令はできない。”攻撃しろ”、”防御しろ”、”散らばれ”、”集まれ”の4つしか命令はない。哲学者から離れて待機することすらできないまさしく烏合の衆である。

だが、烏合の衆と侮るなかれ。敵を倒すたび、建物を破壊するたび、民衆はどんどん興奮していく。興奮した群衆は勢いづき、より強い攻撃を繰り出すようになる。強い攻撃ができるなら、より多くの敵を倒すことができるわけで、すると民衆の士気はさらに高まっていく。群衆は戦果を上げ続けることで、止まることない暴徒と化す。

加えて、道中のショップで民衆を対価にして英雄を購入することができる。英雄はステータス上昇や特殊効果をもっている貴重な存在だ。この英雄をうまく加入させることで、群衆はより強固で強大な存在へと育っていく。烏合の衆はいつしか神をも脅かす暴動の嵐となるのだ。

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しかし、いかに横暴で人間を振り回す迷惑な神であったとしても、神は神である。その力は絶大で、群衆を一瞬で屠る超常の力で対抗してくる。興奮する群集の勢いは神殺しを成し得るのか?それは哲学者であるプレーヤーの知恵と策略にかかっている。

しっかりとした日本語化。RTSながらゲームパッドでも遊ぶことのできるアクションゲームに近い操作性。RTSはちょっとなあ……という人にもぜひ勧められる作品だ。
(洋ナシ)

タイトル:『Okhlos』
開発元:Coffee Powered Machine
対応OS:Windows Vista/7/8/8.1/10 x86 or x64, Mac OS X 10.8 or later, Ubuntu 12.04 or later
クリア時間:5~10時間
価格:1,280円
購入はこちら:

『Move or Die』

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ルーマニアのディベロッパー「Those Awesome Guys」の開発した4人プレイのパーティゲーム。日本語ローカライズされており、オンラインでのマルチプレイにも対応している。

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タイトルの「動かなければ死ぬ(Move or Die)」というルールのもと、多彩なゲームで他プレーヤーを蹴落とし、優勝を目指そう。動かなければ死ぬルールは、プレイ当初は方向キーを押していればいいだけで、意味があるように思えないかもしれない。が、ゲームが白熱すればするほど動かなければ死ぬルールが牙をむくようにできており、対戦に緊張感を与えるスパイスとなっている。興奮のあまり、動くことを忘れ爆死しないように注意しよう。

ゲームの展開が非常に早くサクッと遊べるので、腰を据えなくとも気軽に遊べる。ゲーム時間も自由に設定できるので忙しいゲーマーにもぴったりだ。ゲーム仲間とワイワイ盛り上がりたいなら、『Move or Die』をぜひおすすめしたい。
(洋ナシ)

タイトル: 『Move or Die』
制作者:Those Awesome Guys
対応OS:Windows7, 8 or 10, Mac OS X 10.6+, Linux Ubuntu 12.04 – 13.10
プレイ時間:1ゲーム5~30分程度(設定でゲーム時間を調整可能)
価格:1,480円
購入はこちらから:

紹介記事:
Steam初心者にもおすすめなパーティゲーム『Move or Die』 「動かなければ死ぬ」ルールの緊張感で、右へ左へ盛り上がれ!

『Rabi-Ribi』

突如として動物のウサギから人間のバニーガールになってしまった女の子「エリナ」と、妖精の「リボン」のコンビが繰り広げるドタバタ探索型2Dアクション。台湾のデベロッパーによる作品ながら、アニメ調の親しみやすいイラストレーションと、日本語表示に対応している点が大きな特色となっている。

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アイテムを見つけることでアクションが増え、そのアクションを使うことで進めるようになる場所が増え、進んだ先で更に新しいアイテムを見つける…という、俗にいうメトロイドヴァニア型アクションゲームの「探索範囲を広げていく」という楽しみがしっかりと押さえられている。また、ボス戦ではシューティングゲームもかくやというハードな弾幕攻勢にさらされることになる。

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5段階から選べる難易度や、ゲームを1度クリアした後に解禁されるボスラッシュモード・スピードランモード、果てはアイテム収集率100%・0%クリアなど、様々な挑戦的な遊び方もできるようになっている。可愛くて歯ごたえのあるアクションゲームを求めている人はぜひ遊んでほしい。
(真野 崇)

タイトル: Rabi-Ribi
制作者: Kano-Bi , CreSpirit
クリア時間: 15時間~
対応OS: Windows
価格: 2,100円

ダウンロードはこちらから

紹介記事:
インディーゲームはアジアも熱い!東京ゲームショーで見つけた台湾・韓国・中国の作品5選

『SMASHING THE BATTLE』

眼鏡のセクシー巨乳美女がビキニパワードスーツに身を包み、手に持つ巨大な工具で並居る暴走ロボット軍団を蹴散らしまくるアクションゲーム。こちらも韓国開発ながら日本語にバッチリ対応している。

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大量に出てくる敵をひたすら殴って殴って殴り倒す「無双」系に近い内容で、ステージは短く区切られており、短い時間で少しずつ遊ぶのに適している。戦闘で入手したコインやパーツを消費し、主人公のパワーアップや衣装チェンジなどのカスタマイズもできるなど、ボリュームは十分。

高評価でのステージクリアを目指そうとすると、敵の攻撃を狙って避けつつ、武装のひとつ「マグネット」を使い、敵を一か所に集めてから必殺技で一網打尽を狙う必要があるなど、自身の立ち回りをうまく考えねばならず、予想外に唸らされた。

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とはいえ美女!鈍器!破壊!というのは大変にわかりやすく、七面倒臭い事を考えずに暴れることができる。良い意味でB級映画感にあふれた一本だ。
(真野 崇)

タイトル: SMASHING THE BATTLE
制作者: STUDIO HG
クリア時間: 6時間~
対応OS: Windows , iOS, Android
価格: 1,180円(Windows) / 120円~(iOS, Android)

ダウンロードはこちらから

 
Android版
 
iOS版
 

『刺青の国』

任侠映画で著名な映画会社・日活が立ち上げたインディゲームブランド「SUSHI TYPHOON GAMES」の第一弾作品。美少女ゲームに任侠映画の要素である「抗争」「刺青」を組み合わせるという異業種から持ち込まれた発想がいかんなく発揮されており、2016年で最も挑戦的だった作品と個人的に評したい。

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メインパートは半自動で進行する戦略シミュレーションゲーム的な内容となっている。パートナーである乙女と共に東京23区の各区へ侵攻し、敵対組織の構成員やちんぴらを自身の組の門下へと取り込んでいき、最終的に全23区の制覇を狙う。

侵攻を進めることによる警戒度の悪化や、時折発生する「大規模抗争」に敗北するなどの要因で「仁義」を消耗していき、「仁義」が無くなってしまうとゲームオーバー。「仁義」を消耗しきる前に各地域への侵攻を進められるかどうかがポイントとなる。

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刺青は侵攻を進めることで徐々に入手できるMP(みかじめポイント)を消耗して掘ることができる。

刺青には特定の地区の侵攻を押し進める能力や、仁義の消耗を抑える能力などの特殊効果がある。初めは筋彫りから始まり、色入れを進めるごとに効果が強化されていく。
乙女の柔肌に刺青が彫り込まれていく様子には背徳的な胸の高まりを感じずにはいられなかった。
(真野 崇)

タイトル: 刺青の国
制作者: SUSHI TYPHOON GAMES
クリア時間: 3時間~
対応OS: PlayStation Vita
価格: 2,160円

ダウンロードはこちらから
https://store.playstation.com/#!/ja-jp/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0/%e5%88%ba%e9%9d%92%e3%81%ae%e5%9b%bd/cid=JP1664-PCSG00899_00-NIKKATSUSUSHI001?EMCID=jGMsepad-gpsaw-br_0010352

『Liberty Step』

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『Liberty Step』は、2016年までのJ-RPG的要素をシンプルに統合したオーソドックスなフリーゲームRPG。「ドラゴンクエストIII」や「セブンスドラゴン」シリーズ、「世界樹の迷宮」シリーズなどでキャラクターメイクに熱中したプレイヤーにはぜひプレイしてほしい作品だ。

キャラクターメイクができるという点、オンラインゲームでは必須の要素と思われるところだが、オフライン、とくにフリーゲームにてそれが実現できているタイトルは特に限られている印象がある。

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そんなキャラクターメイクのシステムを搭載した本作では、職業と性別による個性が色濃く出ており、そのデザインが気に入るとキャラクターメイクに熱中するだろう。戦闘画面でよく動くドットキャラ達が可愛らしい。画像ではうまく伝えられないのが残念である。

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メインストーリーの目標と受注したクエストが簡単に確認できる点も地味な魅力の一つだ。RPGツクールVXaceのデフォルトシステムをうまく生かしつつ、拡張スクリプトをふんだんに使用したシステムをシンプルに統合し、ゲームとしての完成度が高いという点で評価したい。

「世界樹の迷宮」をベースに、「ファイナルファンタジー」シリーズ風のサイドビューバトルが楽しめ、「自由にキャラメイクできるオーソドックスなRPG」として、是非プレイをお勧めしたい作品である。
(クレウス)

タイトル 『Liberty Step』
制作者 はきか
対応OS Windows
価格 無料
ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/13285

紹介記事:
育成探索フリーゲームRPG『Liberty Step』 キャラメイクでパーティを組み「神域」に挑め!

『Ultimate Chicken Horse』

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私の2016年イチオシは『Ultimate Chicken Horse』。ざっくりと言ってしまうと「最大4人で遊べる、ラウンド制の『マリオメーカー』」的なゲームだ。

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各プレイヤーはラウンドの開始時に、アイテムボックスの中から任意のオブジェクトをひとつ選択する。数十秒の間そのオブジェクトを自由に配置したら……よーい、ドン! 各プレイヤーは、わき目もふらずゴール目指して突っ走ることになる。ゴールするといくばくかの点数がもらえるので、これを何度か繰り返し、一定以上の点数を稼いだプレイヤーが勝ちだ。

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オブジェクトは多種多様、自分を有利にするよう足場を置いてみるもよし、他のプレイヤーを奈落の底に突き落とすトラップを仕掛けるのもよし。中には周囲のキャラや弾を全部吸い寄せるブラックホールなんてものもある。おまけに他のプレイヤーをトラップでミスらせるとボーナスがもらえるので、積極的に嫌らしい配置にして悲鳴を上げさせていくとよい。

ちなみに「全員がゴールした」場合は”簡単すぎる”とみなされ、ポイントは0点。一方「全員がゴールできなかった」場合は”難しすぎる”と判断され、これまたポイントは0点。どれくらいの難易度にするかのさじ加減がキモだ。

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キャラのアクション自体はジャンプ・壁ジャンプ・そして移動のみと単純明快なので、みんなでワイワイさくっと遊ぶのに最適(バグもちょっと多いのはご愛嬌)。酉年の幕開けに、友達とSkypeやdiscordでおしゃべりしながら遊ぶのがオススメだ。
(水原由紀)

タイトル:Ultimate Chicken Horse
開発元:Clever Endeavour Games
対応OS:Windows,Mac OS X,SteamOS
価格:1,480円(2017/01/09時点)
購入はこちら:

『ヴェスタリアサーガ』

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ターンベースのSRPGという成熟したジャンルで、ここまで新しいプレイフィールを得られることに驚いた作品。亡国の騎士である少年「ゼイド」を主人公としたドラマチックな物語と、戦術性の高いゲームデザインが大きな魅力となっている一作だ。

基本的なゲームシステムこそ古典的に感じるかもしれないが、ゲーム中盤以降は1マップごとに攻略法が目まぐるしく変わっていき、プレイヤーは常に試行錯誤を求められることになる。しかし、それでいて先へ先へと進みたくなるのは、祖国を解放するというマクロな物語の盛り上がりに加え、個々の登場人物の生き様にもしっかりとフォーカスしたミクロな物語が高い魅力を持っているからだと感じる。

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ゲームバランスとしてはユニットごとに明確に能力の差異化がなされており、特定のキャラクター育成に偏ることなく運用することが非常に重要となってくる。パラメータ上の差異だけではなく、特殊な効果を発揮する「スキル」を個々のキャラクターに分散して振り分けている按配などにも、ゲーム制作におけるヒントにしたくなるような、絶妙な巧みさを感じさせてくれる。

単純な力押しだけでは勝ち残ることはできず、この戦局をどうやって打開するのか?ということを考える楽しみは、謎解きにも似た面白さがある。解法を導くためのヒントの開示も的確に感じ、ゲームプレイ自体がさながら作者との対話であるかのよう。長編であるため気軽にというわけにはいかないかもしれないが、まとまった時間のあるときにぜひ遊んでみてほしい重厚な作品だ。
(poroLogue)

タイトル 『ヴェスタリアサーガ』
制作者 Vestaria Project
対応OS Windows
価格 無料
ダウンロード http://site.wepage.com/vestariasaga

『ひびかけ色のキセキ』

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ターン制戦闘ではなく、リアルタイムで進行するアクティブタイムバトルの方式が特徴のフリーゲーム・ノンフィールドRPG。魔法を学ぶ学生たちの集う施設である「学校」から始まる。田舎で教師をしている魔法使い「リジェ」は、とある事情で学校を訪れていたが、学校の現役生や、リジェのかつての同級生たちと再会する中で、世界に関する大きな陰謀に巻き込まれていくことになる……という物語だ。

特徴的なシステムが、リアルタイムで進む戦闘中に、キー1つで「ガード」を行なうことが出来る点だ。ガード行動に対応するキーを押している間、行動に必要なゲージの蓄積はストップするが、その代わりに敵から受けるダメージを軽減することが出来る。RPGでありながら、まるでリアルタイムのアクションのような要素が存在するのだ。

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また、本作の戦闘は、基本的に「魔法」を使用して戦う。通常攻撃やアイテムは存在せず、攻撃・回復・補助など全てを魔法を使うことによって行なう。戦闘中に使用できる魔法は、キャラごとのステータス画面で装備品のように付け替えることが出来る。キャラクターのレベルが上がるごとに使用できる魔法が増えていき、装備できる魔法の属性は・数はキャラクターごとに異なる。

戦闘中にはMPを回復するコマンドもあり、常にリソースの管理が必要となってくる、戦術性のあるRPGを楽しみたい方にはおすすめの作品だ。
(PoroLogue)

タイトル 『ひびかけ色のキセキ』
制作者 ecoddr
対応OS Windows
価格 無料
ダウンロード http://www.freem.ne.jp/win/game/10983

紹介記事:
フリーゲームRPG『ひびかけ色のキセキ』。魔法使いの女の子が陰謀に立ち向かう物語と、リアルタイムバトルが魅力

『片道夜行列車』

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『片道夜行列車』は、幻想的で童話的な世界を旅する短編フリーゲームRPG。童話的な世界観で語られる切ない物語と、つい魅入ってしまうほどの美しいマップ芸術がまず目を引く本作。

本作の主人公は、周囲から憧れられる才女の「ルナ」。生活に何一つ不自由のなかった彼女は、ある日、列車の「終点の先」に迷い込んでしまう。そこで突如、謎の人影が出現し、ルナの心に語りかけてくる。そこで彼女の「親友」の辿った運命を思い出したルナは、怪物と化した人影と戦うことになる。

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ゲームシステムとしては、戦闘中に切り替えることが出来る補助キャラクター「使い魔」や、HPが0になっても倒れることがない代わりに、所定のターン数で敵を倒さなければいけない「猶予時間」という、独自システムを駆使した戦闘が魅力となっている。

また、装備すると能力上昇やスキル獲得ができる「スフィア」の存在も特徴。戦闘スタイルに応じて「何を装備し、何を捨てるか」という取捨選択が鍵になってくる。ルナ一人で全ての役割をカバーすることは難しいので、使い魔の能力を考えて、どういったスフィアを装備するべきなのか考えることも面白い作品だ。
(PoroLogue)

タイトル 『片道夜行列車』
制作者 hako
対応OS Windows
価格 無料
ダウンロード http://www.freem.ne.jp/win/game/11409

紹介記事:
美しい童話的世界を旅するフリーゲームRPG『片道夜行列車』。「使い魔召喚」を駆使し、「猶予時間」の中で敵を倒す戦略性も魅力

『ファウストの悪夢』

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『ファウストの悪夢』は、台湾発のフリーホラーアドベンチャー。日本語で遊べる翻訳バージョンがリリースされている。

特徴としては、日本の名作フリーホラーゲーム『Ib』『魔女の家』をどこか彷彿とさせるような、それでいて本作の独自性を持って作りこまれた「物語」と「謎解き」のバランスが魅力となっている。またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。

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父を亡くした少女「イリザベス」は、父の葬式の後、叔母に連れられある屋敷にやってきていた。屋敷に入った叔母の後を追うイリザベスは、不思議な格好をした悪魔に出会ってしまう。悪魔から逃げようとするイリザベスだが、屋敷の外に出るための扉が消えてしまっていた。突然現れた黒い猫にも導かれるように、狂気と謎に満ちた屋敷の中を探索することになる……。

主人公であるイリザベスの体力と、プレイヤーの見える視界の広さが比例しているシステムに加え、「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さが印象的な作品。探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだが、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。
(poroLogue)

タイトル 『ファウストの悪夢』
制作者 LabORat Studio
対応OS Windows
価格 無料
ダウンロード http://www.freem.ne.jp/win/game/11136

紹介記事:
台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」

 
いかがだっただろうか。今回紹介した18作品は、2016年に各執筆人が遊んだゲームの中でも、特に心に残った作品だ。もし気になった作品があれば、ぜひ遊んでいただきたい。

フリーゲームRPG『ラハと百年魔法石』 シリーズ三部作の完結編が公開

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1月9日、連作フリーゲームRPGの完結編となる『ラハと百年魔法石〜the endstory〜』が公開された。現在、Windows・Mac向けとなるダウンロード版、及びブラウザ版が作者サイトで公開中となっている。

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『ラハと百年魔法石〜the endstory〜』公式サイト

公式サイトによると、完結編となる本作は1作目より登場していた魔法士「サリィ」を中心とした物語が展開され、プレイ時間7~9時間程が想定されているようだ。

本シリーズとしては、1作目の『ラハと魔法の園〜the graystory〜』、2作目の『ラハと理の魔法生〜the 2ndstory〜』が公開されている。今回は、シリーズを未プレイの方向けに、第一作目のあらすじを紹介しよう。
 
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光の魔法学院「ルクシエメール」の門の前に倒れていた少年「ラハ」は、自分のことも世界のことも、全ての記憶を失っていた。学院長に拾われ、学院での生活をおくることになるラハ。そこで、落ちこぼれの魔法生である「チャタ」や、天才と呼ばれる魔法使いの少女「サリィ」と出会う。ラハは、魔法生の試験や、そしてさまざまな問題に巻き込まれていくことになるが……。
 
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ゲームシステムとしては、ゲーム開始時に幅の広い難易度を選択できる設定や、魔法生試験中の行動や戦闘結果などに点数が付けられる「魔法生評価」システムなどが特徴。バトルシステムとしてはオーソドックスなものでありつつ、攻撃手段が「魔法」のみという点がポイント。そのため、MPなどのリソースには注意を払わなければならない。

難易度設定によっては、物語を楽しむことに特化した易しい難易度とすることも可能なので、RPGが苦手な人にも物語を楽しめるような作品となっている。完結編の公開を機会に、前2作も含めて遊んでみてはいかがだろうか。

フリーゲームをブラウザで遊べる「PLiCy」登録作品数が1万を突破、RPG製作ツール「GAME DESIGNER WORLD」開発も発表

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ブラウザで遊べるフリーゲーム投稿・配信サービス「PLiCy(プリシー)」。現在様々な作品が公開されている同サイトだが、2017年1月10日、配信中のゲーム作品数が10,000作品を突破したことが発表された。

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PLiCy公式サイト 

フリーゲーム投稿・配信サービス「PLiCy」は、個人で製作したゲームの投稿・配信サービス。全ての投稿作品はWebブラウザ/Android/iOSなどマルチプラットフォームでプレイ可能となっていることが特徴。また、「Unity」、「RPGツクール」シリーズや「WOLF RPGエディター」、「ティラノスクリプト」をはじめとしたゲーム制作ツールによる投稿や、HTMLゲームの直接投稿にも対応している。

また、同社にてRPG製作ツール「GAME DESIGNER WORLD(仮題)」の開発を開始したことも発表された。同ツールは、これまでに同社のリリースした「pli-log」「GAME DESIGNER ACTION」と同様、PLiCyサイト上で本格的なRPGが作成可能なwebサービスとして開発が行われており、年内のサービス開始を予定。初心者から既存ツール経験者まで、幅広く使えるツールを目指して開発しているとのこと。

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なお、PLiCyでは、投稿されたゲームを対象としたゲームコンテストもこれまでに行っている。気になる作品があるかチェックしてみてはいかがだろうか。

フリーゲームコンテスト「第三回 PLiCyゲームコンテスト」結果発表

台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』がSteamに登録 配信日等は未定

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以前にもぐらゲームスにて紹介した、台湾発のフリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。

台湾発フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』。『Ib』『魔女の家』を思わせる巧みな「物語」と「謎解き」

海外のフリーゲームでありながら、日本国内の名作ホラーアドベンチャー『Ib』や『魔女の家』を思わせるような作風を持ち、話題となっていた作品だ。今回、同作品がSteamに登録されていることが明らかとなった。

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『ファウストの悪夢』Steamページ
 
1月14日現在、発売日は未定となっている。対応言語は日本語、英語、中国語(繁体字)。配信形式としては無料配信となり、パブリッシングは開発元であるLaboRatStudioが担当するようだ。そのほかの点の詳細は明らかになっていないため、今後の情報が待たれる。

『ファウストの悪夢』ゲーム内容

ここからは、未プレイのユーザー向けに本作『ファウストの悪夢』を紹介しよう。本作は日本語で遊べる翻訳バージョンが既にリリースされており、特徴としては『Ib』『魔女の家』をどこか彷彿とさせるような、それでいて本作の強い独自性を持って作りこまれた「物語」と「謎解き」の絶妙なバランスが魅力となっている。

またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。

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物語としては、父を亡くした少女「イリザベス」が主人公となる。イリザベスは父の葬式の後、叔母に連れられある屋敷にやってきていた。屋敷に入った叔母の後を追うイリザベスは、不思議な格好をした悪魔に出会ってしまう。悪魔から逃げようとするイリザベスだが、屋敷の外に出るための扉が消えてしまっていた。突然現れた黒い猫にも導かれるように、狂気と謎に満ちた屋敷の中を探索することになる……。

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主人公であるイリザベスの体力と、プレイヤーの見える視界の広さが比例しているシステムに加え、「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さが印象的な作品。探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだが、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。

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未プレイの方は、今回のSteamリリースを機会に遊んでみてはいかがだろうか。

抜群の「ひらめき」が鍵を握るアクションパズル 『ハナノパズル2』 簡単に見えて奥深い、美しきゲームデザイン

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1月5日、『ゼリーのパズル』を制作したことで知られる「Qrostar」より『ハナノパズル2』がリリースされた。本作は、過去に公開された『ハナノパズル』の続編となっており、海外の方からのステージ考案がきっかけとなって、国境を越えたつながりによる共同制作で生み出されている。

めちゃくちゃ簡単に見えるのに、いざやってみるとなかなか解けない。そして正解の道に気付いたとき、現れる美しさに唖然とする…そういった思考重視のステージ攻略型アクションパズルゲームの魅力がぎゅっと詰まった作品だ。

すべての石に花を咲かせよう

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1画面に収まる小さなマップの中で、躍動感のあるパズルが展開される。
 
ルールは、実際に触ってみるといたってシンプルである。色と矢印の付いた四角い「石」がある。この石は横へスライドさせることができて、石が隣合わせになっているときに互いの位置を入れ替えることができる。石は、同じ色の花に触れると矢印の方向に花を咲かせる。豪快に花が咲く音を聴いているとスカッとした気持ちになれる。

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最初から咲いている花は動かせないが、石から咲いた花は動かせる。
 
石から咲いた花は、同色の他の石に花を咲かせることができて、動かせる土台として利用することもできる。こうしてすべての石に花を咲かせるとステージクリアだ。

ひらめくことが最大の武器となる

と、ここまで紹介して「なんだか簡単そう」と思われた方にこそ、ぜひとも遊んでほしい。チュートリアルであるステージ1でも、大苦戦してしまったという声もあがっている。しかし、特筆すべきは難易度の高さよりも、挑戦意欲をかき立てられるシンプルな配置から生まれる奥深さと、遊びやすさだ。

闇雲に多くの物が配置されているといったことはなく(中にはそれをメインとしたユニークなステージも登場するが)、動かせる物の数が少ないエレガントな構成が特徴で、遊びやすさが重視されている。途中で操作を間違えても、1手ずつどこまでも戻すことができるという親切設計にもなっている。あまりにも複雑すぎる動きは必要とせず、ひらめくことによって難所を突破していくステージとなっているのだ。

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花を咲かせる場所がなければ、花は咲かない。この特性を上手く使おう。
  
ステージごとには、目標となる取っ掛かりがある。例えば「あそこに土台を持っていかなければならない」、「赤色の花を咲かせる前に、先に青色の花を咲かせなければならない」といったことだ。いきなり宇宙に放り出されてしまうかのように途方に暮れることはなく、その目標となるものに対して、アッと驚くような盲点となる意外な動きが必要だったりすることもある。他にも、正解の道を隠すための先入観を利用したカモフラージュがあるステージも登場する。直感が裏切られた瞬間は「やられた!」と思うと同時に、パズルの面白さに支配されていくことだろう。

すべてのパズルを解かなくてもエンディングに到達できるようになっているので、まずはゲームクリアを目指してのプレイをオススメしたい。そして後回しにしたステージがあれば諦めずに挑戦して、攻略したときの達成感を味わってほしい。「あと1歩なのに!」という場面からひらめいて正解の道が見えたときに、「なるほど」とうなり声をあげてしまう、そんな華(ハナ)のパズルがあなたを待っている。

[基本情報]
タイトル:ハナノパズル2
制作者:Qrostar
動作環境:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから(itch.io)
https://qrostar0.itch.io/hananopuzzle2
または下のウィジェットから

「Download Now」でダウンロードが開始されます。
「No thanks, just take me to the downloads」を押すと無料でダウンロードできます。希望した金額で購入し、開発者をサポートすることもできます。

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