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フリーホラーゲーム『204に眠る』 自らの存在をさぐりつつ、無人の世界から脱出する

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閉じ込められた空間から脱出する「脱出系」のゲームは、いつでも根強い人気があるものとなっている。今回は、そんな脱出系のゲームとして、2017年初頭に発表された『204に眠る』を紹介する。フリーゲームでありながら声優付きの、豪華な短編だ。

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主人公の「メグミ」は気がつくと、自分の部屋の床に横たわっていた。「もうこんな時間」とリビングに降りると、父も母も、飼い猫のシーもいない。玄関も内側から開かない。家を探索すると、変なところにアイテムや隠し階段があり、尋常な様子ではない。

少女メグミの、脱出劇が始まる。

と、ここまではよくある脱出ゲームだけど、このフリーゲームはそれだけにとどまらない。一言で言うと、自分の妹を名乗る明らかな人外の存在から逃げつつ、商店街、学校、そして病院の仕掛けを解いていくゲーム、になる。

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この妹、狂暴につき注意!
 
この子の名前は「ユウ」ちゃんという。主人公の妹を名乗るだけあって、姿も声もそっくりな女の子だ。

主人公の手に触れるとその手に呪いがかかったような文様を浮かび上がらせ、しかも見つけると執拗に追いかけてくる特性を持つ。やっかいなことに足も速い。

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彼女の最初の攻撃をかわせた、そんなあなたはニュータイプです。

「見つけた~」
「そこにいたか~」

そんな、可愛らしいボイスで死をお届けにやってくる女の子。ちょっとしたトラウマものだ。彼女からはただ逃げるしかなく、隠れてやりすごす工夫さえも必要になる。

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幸いユウちゃんは頭(AI)がそんなに「高性能」なわけではないので、遮蔽物を利用して直線に逃げたり、真後ろからちょこちょこ後をつけて出口に近づいたらダッシュする、といったやり方が可能だ。

というか、こういった手を使わないと、彼女を振り切るのはむずかしい。特に店のほとんどが閉まっている商店街では、カギで開けられる店を求めて、ヘタしたら数分間彼女と追いかけっこをするはめになる。

と、ここまで書いたが、この物語の目標は決して彼女から逃げることではない。閉鎖空間から脱出することだ。

このゲームの醍醐味は、謎を解いていくと過去に主人公に何があったのかがわかるところだ。それは床に落ちている「日記」の断片だったり、「しおり」をめぐる思い出だったりする。

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どうやら、メグミには過去に経験した「二つ」の重大な事件があって、そのため閉鎖空間にいて「妹」に追われているのだ。

「一つ」の事件を解いていくゲームはあるけれど、「二つ」となると、それらをまとめる作者の技量も必要になってくる。その点『204に眠る』は、シンプルでわかりやすい演出とコンパクトなシナリオにより、ゲームとして上手く短編に落とし込むことに成功している。

演出の面でもう一つ付け加えるなら、BGMの使い方が印象的だ。通路を歩いている時はおどろおどろしいBGMが流れているのに、部屋に入ると一転して時計とかの効果音のみの空間になる。単純なようだけど、こういった演出を物語の世界観にあうように設定するのは、なかなか難しいと感じる。

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で、最大の山場となるのが学校だ。仕掛けが多く、建物は複雑で、妹の追撃が頻出する。筆者はここでもっとも手こずった。

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なお、このゲームには時間制限がある。正確には「歩数制限」で、15,000歩以上を歩くとめでたくタイムオーバーだ。

妹の追撃から逃げ回るときも、もちろん歩数はカウントされる。ただクリアを目指すのではなく「効率よくクリアする」プレイングが必要だ。そのため、複数のファイルに分けての小まめなセーブを推奨する。

いちおう救済策として、妹から逃げるイベント発生直前に、オートセーブが施される。場所は20番目のファイルだ。

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これで、ニュータイプではない画面の前のあなたも安心なわけだ。

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妹を避け、商店街、学校と抜けると、いよいよ物語は最終局面だ。まるで歩数をかけさせようとしているような長い森を抜けた先にある、意味深な病院へとたどり着く。もちろん安定の無人状態だ。

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パスワードが散らばっている本の数だったり、人形に包帯を巻いてドアを開けたり、首のとれた地蔵をもとに戻したりとしていると、さすがにこの空間が実在する世界ではなく、一種の心像世界だということがわかってくる。明らかに、幼い子どもの目線で構成された閉鎖空間に、主人公は閉じ込められたわけだ。

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一体誰がこの世界を作ったのか? 少女はなぜ閉じ込められたのか? 妹とは何か? 「204」の意味とは?

秘められた世界の謎と過去の真相は、あなたの手で解決して欲しい。

『204に眠る』。少し暗い雰囲気で、最後には明るい演出もある。「ホラーは好きだけどバッドエンドは苦手」という人もプレイできるし、心臓が弱い人も安心だ。

毎晩の寝る前に「家」「商店街」「学校」「病院」とクリアしていってもいいし、雨の日の休日に一気にやってもいい、そんな良作ホラーアドベンチャーだ。

【基本情報】
タイトル 『204に眠る』
制作者 sIVA氏
キャラクターデザイン・CV えをん
製作ツール WOLF RPG エディター
クリア時間 50分~2時間半
対応OS windows
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14070
 
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対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム「∀kashicforce」体験版が公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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こんにちは。フリーゲームやインディーゲームと日本ファルコム作品の紹介を中心に活動しているライター兼編集者の中村友次郎です。インプレスのソフトウェア紹介サイト「窓の杜」の編集長を経て、フリーとなった後も同サイトにてゲーム関連の連載「週末ゲーム」「インディーゲーム・週間ダイジェスト」を先日の連載終了まで担当してきました。

今回より「今週のフリゲ・インディーゲームトピックス」として、毎週土曜日にわたくしや編集部がピックアップした、フリーゲームやインディーゲームに関するここ1週間の話題をお届けすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。


対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム「∀kashicforce」体験版が公開
 
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同人サークルエンドレスシラフより、“対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム”という斬新なジャンル名を謳う「∀kashicforce(アカシックフォース) -inundation of brigade-」の体験版が公開された。合わせて作品公式サイトも開設されている。現在開発中の作品で、完成版は今年8月中旬にリリース予定。

格闘ゲームのようなコマンド入力で強力な攻撃を繰り出せるシューティングゲーム「∀kashicverse(アカシックバース) -Malicious Wake-」を開発したサークルによる最新作。本作でもそのゲーム性を一部継承しており、落ちものゲーム風のフィールドでブロックを破壊してゲージを溜め、コマンド入力により“メソッド”と呼ばれる特殊技を発動し、画面上部の“天命”ゲージを奪い合うというゲーム内容となっている。さらに、条件を満たすと利用可能になるメソッド“エリミネーター”の発動時はフィールドが音ゲー風に変化するなど、さまざまな要素を駆使して戦っていく。

今回公開された体験版ではCPU対戦とローカルでの2P対戦、およびチュートリアルを兼ねているmissionモードをプレイ可能。なおエンドレスシラフは5月14日に開催予定の東京インディーフェスに出展予定で、こちらでも体験版が展示予定となっている。


長編ノベルアドベンチャーゲーム「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」限定特典付きプロローグ版がコミティア120で頒布
 
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創作サークルあまてる。の長編ノベルアドベンチャーゲーム「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」の限定特典付きプロローグ版が、本日5月6日に東京ビッグサイトで開催されるオリジナル同人誌即売会コミティア120にて頒布予定となっている。

「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」は、神話や伝説、御伽噺に出てくるような不思議な力を持った獣“ふしぎけもの”が住む街を舞台にした作品。日本からの留学生である主人公のコウタと、さまざまなふしぎけもの達の交流が描かれていく。

プロローグ版は現在、Web上でも公開中。コミティアで頒布されるバージョンはシナリオの収録範囲は同じだが、「用語辞典」「次の選択肢へ」などのシステムメニューと、クリア後のおまけコンテンツが実装されているという。また、限定特典としてタイピングミニゲーム「こるこぴ!」と、描きおろしL判カードが付属する。


犬と猫最新作、鍛冶屋経営シミュレーションゲーム「王国のソウルスミス」リリース
 
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同人サークル犬と猫より、鍛冶屋経営シミュレーションゲーム「王国のソウルスミス」の配信が開始された。体験版も公開されている。

フリーゲーム「レミュオールの錬金術師」をはじめ、数々のやり込み系シミュレーションゲームをリリースしている同サークルによる最新作。鍛冶師を雇って武器を作ったり、探索者と契約してダンジョンで資源やお宝を入手しながらゲームを進めていく。


シューティングゲーム「ヴァルシュトレイの狂飇」体験版が公開

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スタジオシエスタのシューティングゲーム「ヴァルシュトレイの狂飇」の体験版がSteamにて配信開始された。

「ヴァルシュトレイの狂飇」は宇宙を舞台に、人類と謎の機械構造体との戦いを描くSFシューティングゲーム。画面全体を覆い尽くすような超兵器「バリオンレーザー」や、完全無敵の体当たり攻撃「グラバスター」、さまざまなサブウェポンなどを駆使し、大量の敵機を破壊していく爽快感が魅力の作品だ。

作品自体は2015年末にリリースされているが、今回新たに体験版が公開された。体験版ではアーケードモードとストーリーモードを2面までプレイ可能。自機は1種類のみ選択できる。


科学史シミュレーションゲーム「PRINCIPIA: Master of Science」のスマートフォン版がリリース
 
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インディーゲームデベロッパーのtomeappより、科学史シミュレーションゲーム「PRINCIPIA: Master of Science」のAndroid版およびiOS版がリリースされた。

「PRINCIPIA: Master of Science」は、17世紀のヨーロッパ科学界を舞台に、アイザック・ニュートンをはじめとする当時実在した12名の科学者のうちの1人となって研究活動を行っていくシミュレーションゲーム。PCでは2016年9月にリリースされている。


フリーゲームADV「トラウマ*トラウム ~翠眼の人形~」ダウンロード版が公開
 
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ゲーム制作サークルブリキの時計の探索アドベンチャーゲーム「トラウマ*トラウム ~翠眼の人形~」のPC向けダウンロード版がふりーむ!にて公開された。

ホラーアドベンチャーゲーム「クロエのレクイエム」や「幻想乙女のおかしな隠れ家」などで知られる同サークルが昨年10月にリリースした作品。思春期の少年少女達を主人公に、トラウマを具現化した異世界を探索していく内容となっている(関連記事:『クロエのレクイエム』の「ブリキの時計」、新作フリーゲーム『トラウマ*トラウム』を公開)。

これまではWeb上でのみプレイ可能だったが、今回新たにダウンロードしてのプレイも可能となった。ダウンロード版ではデータのロードによる演出遅延等が改善されているとのこと。


「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」授賞作発表会の観覧申し込み受け付けが開始

同人ゲーム紹介サイトおすすめ同人紹介が主催する同人ゲーム表彰イベント「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」の授賞作発表会の観覧申し込みの受け付けが開始された。

ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心に、2016年4月~2017年3月に発表された作品から同サイトを運営するみなみ氏がさまざまな部門で授賞作品を選考し発表するイベント。現在サイト上にてノミネート作品が発表されている。

受賞作発表会は6月4日、東京水道橋で開催予定。観覧申し込みは必須ではないが、申し込みをしていない場合は立ち見になる可能性があるとのこと。なお、授賞作発表会はネット配信も予定されている。

また合わせて、授賞作発表会の休憩時間に会場で流すPVの募集も行われている。

フリーゲームRPG『ひびかけ色のキセキ』のスマホリメイク版がリリース。よりシンプルに洗練されたシステムで魔法使い達の戦いを描く

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ゲーム創作サークルecoddrのステージクリア型アドベンチャーRPG『ひびかけ色のキセキ~portable~』のAndroid版が5月6日に、iOS版が9日に配信開始された。広告や課金要素などもない完全無料のアプリとして提供されている。

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『ひびかけ色のキセキ~portable~』

『ひびかけ色のキセキ~portable~』は、同サークルが昨年、Windows向けにフリーゲームとしてリリースしたRPG『ひびかけ色のキセキ』(関連記事)のリメイク版。オリジナル版はアクティブタイムバトルをベースに敵の攻撃に合わせてガードする要素を加えた戦闘システムや、ポイント割り振りによるスキル強化を何度でもやり直せるなど自由度の高いスキルカスタマイズ、買い物や消費アイテムといった要素を排したノンフィールド型のシンプルな進行などが特徴。魔法使いの女の子たちが苛酷な状況を戦い抜く様子やキャラクター同士の交流が描かれる、シナリオも充実した中編作品となっている。(株)ドワンゴの開催したゲームコンテスト「ニコニコ自作ゲームフェス2016」では「窓の杜賞」を受賞している。

スマートフォン向けにリメイクされた『ひびかけ色のキセキ~portable~』でもこうした内容を引き継ぎつつ、さまざまな要素がリファインされている。スキル装備枠が減少するなど、全体的によりシンプルな形でシステムが再構成されているようだ。ユーザーインターフェイスもタッチ操作向けに練られたものとなっており、スマートフォンでも手軽にプレイできるだろう。
 
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敵の攻撃にタイミングを合わせてガードする要素が重要となる戦闘システム
 
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ポイントを割り振って任意のスキルを強化できる。強化は何度でもやり直しが可能
 
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苛酷な状況を生き抜いていくキャラクター達や、それぞれの想いが描かれていく
 
一方で、通常のスキルで消費したMPに応じて溜まる“TP”がフルになると発動できる“スペシャルスキル”といった新要素も実装。インターフェイスもオリジナル版のフラットでクールなものからファンタジーRPGらしい格調を感じさせるものへと一新されており、新規プレイヤーはもちろん、オリジナル版をプレイした人も新鮮な感覚でプレイすることができそうだ。
 
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スペシャルスキルは使える機会が限られているぶん、強力なものが揃っている

[作品情報]
タイトル:『ひびかけ色のキセキ~portable~』
開発元:ecoddr
価格:無料

ダウンロードはこちらから
Android版
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.pronama.hibikake

iOS版
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%B2%E3%81%B3%E3%81%8B%E3%81%91%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%82%AD-portable/id1179764122?l=ja&ls=1&mt=8

システム独自開発のフリーゲームSRPG『インペリアライザー』新体験版が公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は、期待のシミュレーションRPGの体験版公開やゲームエンジン開発に関するものなど9本です。


システム独自開発のフリーゲームSRPG『インペリアライザー』新仕様の体験版が公開

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個人開発者の渡烏氏がフリーゲームとして開発中のシミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』の新しい体験版が公開された。

『インペリアライザー』は大陸の果ての地にして六大国家が争う「ラグメル」を舞台に、その中央を治める帝国の第二皇女「ラウフェイ」を主人公として描かれる地域制圧型の戦略シミュレーションRPG。ヘクスマップのアクティブターン制で、近接攻撃などは対象ユニットと重なることで行うという射程ゼロの概念などが特徴。

システムは既存のゲーム制作ツールを使用しない独自開発によるもので、場面に応じたヘルプの表示機能など、インターフェイスも練り込まれている印象だ。クラシカルな趣を感じさせるドット絵によるキャラクターグラフィックや、戦記物らしい雰囲気を演出する音楽も自作となっている。

今回公開された体験版は、以前公開されていた先行体験版からさまざまな仕様が変更されており、序盤にあたる第5章までをプレイ可能。ラウフェイが指揮官として頭角を現していく中、「真なる脅威」が浮かび上がっていくさまが描かれる。公称プレイ時間は約3~6時間。なお、開発途中での公開は今回の体験版が最後になるとのこと。

合わせて、本作のPVも公開されている。


マップ自動生成型アクションゲーム『常世ノ塔』ファーストトレイラームービーが公開、東京インディーフェスに開発版を展示

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インディーゲーム開発サークル//commentout.infoが開発中のアクションゲーム『常世ノ塔』のファーストトレイラームービーが公開された。

『常世ノ塔』は、モンスターやトラップが待ち受けるダンジョン「常世ノ塔」を舞台としたサイドビューの2Dアクションゲーム。ダンジョンは現実世界の24時間ごとにサーバー上で自動生成され全プレイヤーが共通のマップに挑むという仕組みが特徴で、「鬼畜なダンジョンを他プレイヤーと競い合って遊ぶ」というコンセプトで制作されている。可愛らしいキャラクターなどアートワークも魅力の作品だ(関連記事)。

同サークルは5月14日に秋葉原で開催される東京インディーフェスに出展予定で、現行開発バージョンの展示と各種グッズの配布を行うとのこと。また今後は死んだ場所に書き置きを残すといったゆるいソーシャル機能の実装や操作キャラクターの追加を行い、2017年中のリリースを予定している。プラットフォームはPC/Mac/iOS/Androidを予定しているほか、現状でパブリッシャーと話をしているわけではないもののコンシューマ(PS4/Nintendo Switch)での展開にも意欲を示している。


記憶喪失の少女達が過去と向き合っていく短編フリーゲームADV『廃憶のレヴァリエ』が公開

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個人開発者のおばけ氏による短編アドベンチャーゲーム『廃憶のレヴァリエ』が7日、フリーゲームとして公開された。

生と死の間にあるという「プルガトリウム」に流れ着いた、記憶のない3人の少女達が主人公の作品。現れる船に乗って記憶が再現された世界へと向かい、自らの過去と向き合っていく。公称プレイ時間は約1時間程度。

雪の夜がずっと続くプルガトリウムや廃墟のような記憶の世界など、仄暗く物寂しい雰囲気がマップデザインや音楽で表現されている。主要なイベントシーンはボイス付きなのも特徴。なお性的および残酷な表現があるためとして自主的にR15指定がされているのでご留意いただきたい。


Reminisceの3Dアクション『Link: The Unleashed Nexus』のフルリメイク版がPC/PS4でリリース決定、作品サイトが開設

Reminisceの3Dアクションゲーム『Link: The Unleashed Nexus』のフルリメイク版がPCおよびPS4でリリースされることが決定し、作品サイトが開設された。ファーストトレイラームービーも公開されている。

『Link: The Unleashed Nexus』はReminisceが2014年にリリースした作品。空中を滑空したり壁を蹴って跳躍したりとさまざまなアクションを駆使してフィールドを駆け抜けていくハイテンポなゲームとなっている。フルリメイク版ではアクションやゲームデザインの大幅な改修、ストーリーの追加などが予定されている。


TORaIKI、RPG『アストロメイデン/アポストロ』スピンアウトボイスドラマのダウンロード販売を開始

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オリジナルゲーム制作サークルTORaIKIのファンタジーRPG『アストロメイデン/アポストロ』のスピンアウトボイスドラマ『アストロメイデンボイスドラマ「アリムとミアリスのはじめての二人旅」』のダウンロード販売が開始された。

『アストロメイデン/アポストロ』は、前後編の2作で展開されるRPGの前編にあたる作品。後編は現在開発中となっている。王女とその騎士、異世界からきた女子高生など主要キャラクターが女の子ばかりである点や、パーティメンバー間でスキルを繋げるコンボが重要となるサイドビューバトルなどが特徴だ。

4組の主人公達によるオムニバス作品である点も特徴で、ボイスドラマはその中から、キャラクター人気投票でもとくに人気だった「アリムドーテ」と「ミアリス」のコンビが主役となる。そのほかのキャラクターもゲスト的に登場し、賑やかな内容となっている。また、「ゲームより百合度高め」とのこと。


HTML5ベースのノベルゲームエンジン『Lily Engine』開発プロジェクトが開設

HTML5ベースのノベルゲームエンジン『Lily Engine』の開発プロジェクトが、オープンソース開発のホスティングサイトであるGitHubにて開設された。プロジェクトを立ち上げたのは同人ゲーム制作サークル4th clusterの代表でもあるWeb&ゲームプログラマーのあおみかん氏。現在プロトタイプの開発が行われている。

仕様としてはHTML5+WebGLによるマルチプラットフォーム対応、ネイティブアプリ化(Windows/Mac/Android/iOS)のサポート、JavaScriptによる拡張などが検討されている。スクリプトの記法は現在広く使われているKAG3に近いものとなるようだ。

プロジェクトのページでは、さまざまな技術的課題などの検討も行われており、GitHubのアカウントがあれば意見を述べることもできる。個人ベースの開発であり、実用に耐えるエンジンになるまでにはまだまだ時間がかかるとのことだが、質の高いエンジンとなることに期待したい。


『RPGツクールMV』オープンソース版コアスクリプトのバージョン1.2が公開

(株)KADOKAWAのゲーム制作ツール『RPGツクールMV』のコアスクリプト(ゲーム実行部分)のコミュニティ版の新バージョンとなるcommunity-1.2が8日に公開された。なお9日にはcommunity-1.2で指摘された不具合を修正したcommunity-1.2bが公開されている。

コミュニティ版コアスクリプトは、動作の安定性向上や高速化などを目指してオープンソースで開発が進められており、製品標準のコアスクリプトと差し替えて利用することが可能。また、その成果は『RPGツクールMV』本体にもフィードバックされる。

community-1.2では「ゲームが止まることを防ぐ」ことに主眼が置かれており、リソースの読み込み失敗時にリトライする機能の追加や、画像のメモリ量の節約といった改良が施された。そのほかにもいくつかの不具合修正や改善が行われている。


Unite 2017開催を記念しUnityアセットのセールが実施、ビジュアルノベルツール『宴』が30%オフなど

ゲームエンジン『Unity』のアセット(素材やスクリプト、エディタ拡張など)を販売するUnity公式のアセットストアにて、Unityの開発者イベント「Unite 2017 Tokyo」の開催を記念したセールが行われている。セール期間は5月25日の21:59まで。

たとえばUnity用ビジュアルノベルツールの定番である『宴』が、80ドルから56ドルと30%オフで提供されている。『宴』の公式ブログによると、『宴』セールはリリース直後以来で3年ぶり2度目となり、滅多にない機会であるとのこと。


PLAYISM、6周年記念セール開始

ゲーム配信サイトPLAYISMは11日、開設6周年を記念してセールを開始した。同サイトで配信されているインディーゲーム等、100本以上のタイトルが最大で90%オフとなっている。セール期間は2週間、25日まで。

SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第4回:カナヲ『虚毒ノ夢』①

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※本記事は、1月7日より開始した「SMILE GAME BUILDER」制作実演の連載です。

フリーゲーム作者による「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載が開始 完成作はダウンロードして遊べる!

Qpic『スーパーフックガール外伝』 制作連載 / 2 / 3 / 完成作品ダウンロード


 
こんにちは、「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載・第二回を担当するカナヲと申します。

2013年よりゲーム制作サークル『てりやきトマト』の代表として、数々のフリーゲームを制作してきました。シナリオ、グラフィック、作曲と、必要に応じてひととおりの制作をすべて個人で担当しています。また近年はEntyを中心とした同人活動のほか、フリーランスのクリエイターとして活動しており、『心霊写真使い涙歌』『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』など、企業との関わりのあるプロジェクトにも参加しています。

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カナヲ氏の代表作の1つ『虚白ノ夢』(紹介記事:フリーホラーゲーム『虚白ノ夢』。運命に囚われた少女の物語と、巧みな恐怖演出が味わえる

代表作は、RPG『はじめての宿屋さん』『積層グレイブローバー』や、探索ホラーADV『虚白ノ夢』など(こちらは小説版も発売中です)。現在はダークファンタジー『被虐のノエル』を連載中。今後とも特定のジャンルにこだわらず、幅広いコンテンツを手がけていきたいです。

制作するゲームは、3D探索ホラーADV『虚毒ノ夢』!

今作は、2015年公開の探索ホラーADV『虚白ノ夢』と世界観を共有し、そこから数年がたった後の世界が舞台の番外編『虚毒ノ夢』です。ただし登場人物のほとんどが新規キャラで、物語の理解に前作の知識が求められることもほとんどないので、前作に触れていなくても今作単体で楽しめるようになっています。

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ではどこに『虚白ノ夢』シリーズたる要素があるか、などの話はまた別の機会に語るとして、ここでは今作のキモになるゲームシステムについてご紹介したいと思います。

主人公の未散(ミチル)は記憶障害を抱えており、眠るとその日あったことをすべて忘れてしまいます。そのため、毎日『記憶ノート』に今日の出来事を記し、それを次の日の自分に伝えているのです。リハビリをしながら日々を細々と生きていくミチルを支えているのは、3LDKのマンションに同居している優しい兄ただ一人。

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そんなミチルですが、ある日『記憶ノート』の一部に不自然な黒塗りを見つけます。まるで書いてあったなにかを封印するかのような黒塗りの下になにが書かれていたのか、そもそもそれは過去の自分が塗りつぶしたのか、それとも……? 兄に『保護』され、外出すらできない3LDKの我が家を舞台に、ミチルは兄の目を盗んで隠された記憶の手がかりを探していきます。

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今作では、SMILE GAME BUILDERならではの機能のひとつである『主観視点』を最大限に活かし、

・目の前しか見えない限られた視野の中で、
・同じ3LDKの部屋のどこかにいる兄に気取られないよう背中を気にしながら、
・まるで監禁犯の目を盗んで外に助けを求めるかのごとく、部屋を調べていく

といった要素をゲームのメイン要素にしています。

今テレビをつけたら、音で隣の部屋にいる兄にバレないか? 兄がシャワーを浴びている間にこそ調べられる場所はないか? 余計なことをしているのがバレれば兄は静かに背後から忍び寄り、そこで今日のミチルは終わり、なにも覚えていない明日のミチルが目覚めるだけでしょう。

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これ、けっこうドキドキします。いつの間にか音もなく後ろに人が立ってるのってかなりホラーですね。僕もホラーは苦手です。

3Dホラーゲーム「ならでは」のポイントとは?

今作はとにかく「SMILE GAME BUILDERにしかできないことをしよう」という一点に尽きました。

従来のRPGツクールなどのゲーム制作ツールとの最大の違いは3Dの世界を簡単に作れることだったので、「3Dのマップで」なおかつ先ほども記した「主観視点で」一番映えるゲームを考えたところ、それは目の前と背中を気にして緊張しながら遊ぶホラーゲームなんじゃないかと思い至ったというわけです。それらの要素を最大限活かすため、目の前と背中を気にして緊張しながら遊ぶことに関係ない要素はすべて削り、シンプルな内容を目指しています。

ただし、3Dならではの欠点も忘れてはいけません。主観視点で遊ぶならとくに、3Dは細かく素早い移動操作を苦手とします。例えば、2Dのホラーゲームでは定番となった「追いかけられイベント」は移動の負担を大きくするので、今回は避けることにしました。「広いマップ」も、ゲーム画面が主観視点で固定だとマップを覚えるのに苦労しそうです。となれば、今作は「アクション要素がなく、狭いマップを行き来する」ゲームになりそうですね。

作りたいゲームの雑感が決まれば、あとはそれをより魅力的にするフレーバー、すなわち物語を肉付けするだけです。僕の場合は、ゲームの構造に『虚白ノ夢』に似た構造を感じたので、いい機会だと思い、以前から薄々考えていた続編的なアイデアをアレンジして活かそうという形になりました。

次回の記事ではより具体的なシーンや物語の登場人物についても触れつつ、SMILE GAME BUILDERの使用感などについても書きたいと思っています。どうぞ引き続き『虚毒ノ夢』にご注目ください!

※本連載で制作しているゲームは完成後、作品を遊べるようにダウンロード形式で公開することに加え、SMILE GAME BUILDERを持っている人向けに、ゲームの実装の中身を見ることができるプロジェクトファイルも合わせて公開する予定です。

結界を駆使して戦う同人シューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』がフリー化 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は同人シューティングゲームの無償化や、今週末に開催されるイベントに関するものなど7本です。


結界を駆使して戦う同人シューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』がフリー化
 
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同人ゲームサークルProject Noiseが2015年にリリースしたシューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』の無償公開が13日に開始された。

雪晶石 -Malice Eater-』は、敵弾にカスって溜めたエネルギーを攻撃や防御に転じて戦うシステムが特徴の縦スクロール弾幕シューティングゲーム。敵弾にカスることでゲージが溜まり、フルになることで結界を発動可能。結界の発動中は被弾を1回無効化できたり、特殊な攻撃を繰り出すことができる。結界の発動中にさらに敵弾にカスり続けることで、残機やボムを増やせるのもポイントだ。

酷寒の大地を舞台に妖や精霊が登場する世界観が、描き込まれたドットグラフィックやキャラクターイラスト、BGMなどで表現されているのも見どころ。ゲームの進め方によって展開が変わるマルチエンディングも特徴となっている。

なお、Project Noiseは本作のリリース後に役目を終えたとして解散しており、メインスタッフのうちMimaki SiON氏とkuu氏は同人サークル秋空シンセシスに所属。今回の無償公開も同サークルのWebサイトにて行われている。また、同じくメインスタッフの一人であるCaras Ohmi氏は個人サークル萬楽破天孔を立ち上げ、現在2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』を開発中(次項にて関連ニュースを掲載)。


萬楽破天孔、2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』Web体験版を更新

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萬楽破天孔は17日、2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』の新体験版を公開した。Web上でプレイ可能となっている。

『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』は、ワープ能力や雷の弓を駆使してステージをクリアしていくサイドビューのアクションゲーム。操作はマウス(または画面タッチ)のみで行う形で、クリックした場所に瞬間移動しつつ、ドラッグで弓を引くという独特の操作感が特徴の作品となっている。今回のWeb体験版ではワールド1の10ステージとボス戦をプレイ可能。

なお同サークルは、20~21日に京都で開催されるインディーゲームのイベントBitSummitに出展し、体験版のダウンロードカードなどを頒布予定。


オートリ電子、横スクロールSLG『MagicScrollTactics』デモ動画を公開

同人ゲームサークルオートリ電子は16日、横スクロールSLG『MagicScrollTactics』の作品ページを開設、ゲーム画面やデモ動画を公開した。動画からは2Dサイドビューのフィールド上でコマンドを選択して戦う場面などを見て取ることができる。

作品はWindows/Android向けに2017年リリース予定。なお同サークルは21日に京都で開催されるインディーゲームのイベントMegabit Conventionに出展予定で、ゲームの展示やノベルティの頒布が予定されている模様。


ノンリニア、東京大学の学園祭「五月祭」にてゲーム試遊企画を実施

東京大学発の同人サークルノンリニアは18日、20~21日に東京大学の本郷・弥生キャンパスにて開催される学園祭「五月祭」への参加情報を公開した。

同サークルでは企画として「ゲーム試遊空間」を設置。世界に音楽を取り戻すリズムアクションアドベンチャーRPG『Coilion』や迷宮探索型2.5D横スクロールスタイリッシュコンボアクションゲーム『ウロボロスの函』など、開発中のものを含め10作品以上のゲームが試遊可能となるようだ。また、同企画内および五月祭の同人誌即売会企画「コミックアカデミー」にてゲームの頒布も予定されている。


アクションゲーム『Emil’s Task Plus』体験版が公開、Windowsデスクトップアプリ版の配信も開始

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インディーゲーム作成サークルInukagGamesは15日、アクションゲーム『Emil’s Task Plus』の体験版を公開した。

さまざまな種類が用意されている魔法を駆使してモンスターを討伐していくステージ選択型の作品。新たな魔法を購入したり、ドロップや購入により入手できる装備品でキャラクターをカスタマイズするRPG的な要素も特徴となっている。

体験版は難易度の異なる3つの体験版用ステージを選んでプレイ可能。体験版では使える魔法や装備品が固定となっているが、ステージごとにそれぞれ異なる魔法を利用可能だ。

また、同作はこれまでWindows 10用のWindowsストアアプリとして配信されていたが、体験版の配信と同日より、デスクトップアプリとしてのダウンロード販売も開始された。対応OSにはWindows 7が追加されている。


ミナプラス、フリゲRPG『ふうらい奇譚』PR動画を公開

フリーゲーム制作サークルミナプラスが制作中のRPG『ふうらい奇譚-太陽の霊廟-』のPR動画が13日に公開された。

昨年、RPG『リベロアストーリア』を公開した同サークルの次回作。家族で旅をする冒険者達が古代の遺跡に挑んでいくといった内容となるようだ。公称プレイ時間は10~15時間程度で、夏頃の公開が予定されている。


フリゲSRPG『インペリアライザー』デバッガー、マップクリエイター募集

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シミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』のデバッガーとマップクリエイターの募集が開始された。

『インペリアライザー』は個人開発者の渡烏氏がフリーゲームとして開発中の作品(関連記事)。マップ制作についてはマップチップと専用エディターが用意されており、これを利用しての制作になるとのこと。

多人数視点推理サウンドノベル『朱き炎の悲歌』体験版ダウンロード開始 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は多視点型サウンドノベルの体験版や、将棋をテーマにしたミステリーADVの公開など6本です。

Wooberg! 、多人数視点推理サウンドノベル『朱き炎の悲歌』体験版ダウンロード開始

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オリジナル創作サークルWooberg!(うーばーぐ!)は25日、サウンドノベル『朱き炎の悲歌』体験版のダウンロード頒布を開始した。Windowsでプレイ可能。

『朱き炎の悲歌』は、炎を操る能力者「炎術師」がごくわずかに存在する世界を舞台に、多視点で描かれる推理もののサウンドノベル。体験版では炎術師の少女「霞城(かじょう)あかね」と、「ホームズくん」の渾名で呼ばれる少年の視点で物語の序盤をプレイ可能。平穏な日常が描かれる一方、あかねの周囲で不審火が発生するなど今後の展開も予感させる内容となっている。

表情や仕草、眼鏡の有無など豊富な差分が用意された立ち絵でシーンを演出したり、女性キャラクターの可愛らしさを画面いっぱいに表現したスチルが挟まれたりと、オリジナルのキャラクターイラストも魅力だ。

体験版では選択肢が制限されているが、完成版では選択肢によるストーリー分岐なども発生する模様。完全版は2018年夏のリリースが予定されている。また今後、体験版で読めるストーリーの内容の追加も検討されているようだ。

kotonoha*氏のフリゲRPG最新作『RiSE -囚われ少女の魔法譚-』が公開

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RPG『ラハと魔法の園~the graystory~』などで知られるkotonoha*氏のフリーゲームRPG最新作『RiSE -囚われ少女の魔法譚-』が27日に公開された。RPGツクールMV製で、Windows、MacおよびWebブラウザ上でプレイ可能。想定プレイ時間は7~12時間。

同氏が2016年1月に公開したRPG『ナイトオブシンデレラ』のリメイク作品。魔法が失われた世界で、魔法を持つ少女の謎を解くため旅に出る少年が主人公となり、物語が展開する。

今回のリメイクではストーリーが一から書き直されており、マップデザインやユーザーインターフェイスなども一新され、コスチューム変更やテレポート機能といった新要素も追加されている。

Child-Dream、完全無償スマホアプリの将棋ミステリー『千里の棋譜』完結編を公開

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ゲーム制作集団Child-Dreamは23日、ミステリーアドベンチャーゲーム『千里の棋譜-完結編-』をAndroid/iOS向けにリリースした。

『千里の棋譜』は、将棋をテーマにしたミステリーアドベンチャーゲーム。コンピューターとの決戦を前に名人が失踪するという事件の真相や、将棋界で隠され続けた禁忌の棋譜の謎に迫っていく。実在の棋士・高橋道雄九段がゲーム内に出演するという趣向や、別アプリと連携し、ゲーム内での対局を実際に体験できる仕組みも特徴だ(対局をせずに進めることも可能)。

完結編からでもプレイ可能だが、将棋初心者やストーリーを最初から楽しみたい場合は『千里の棋譜Ⅰ序盤』からのプレイがお勧め。解説なども随時用意され、将棋を知らなくても楽しめる内容となっている。なお、全編ともに完全無償のアプリとして公開されている。

フリーゲームRPG「ひびかけ色のキセキ~portable~」のブラウザ版が公開

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ゲーム創作サークルecoddrのフリーゲーム『ひびかけ色のキセキ~portable~』のWebブラウザ版が、ゲーム投稿サイトPLiCyにて公開された。

『ひびかけ色のキセキ~portable~』は、同サークルが昨年、Windows向けにフリーゲームとしてリリースしたステージクリア型アドベンチャーRPG『ひびかけ色のキセキ』のリメイク版(関連記事)。これまでAndroid/iOS版が公開されていたが、ブラウザ版の公開によりPCでもプレイ可能となった。

PhantomIsland、オープンワールド3DACT『SLEEPWALKER』最新プレイムービー公開

ゲーム開発サークルPhantomIslandが開発中のオープンワールド3DアクションRPG『SLEEPWALKER』の最新プレイムービーが22日に公開された。

ムービーでは鎌による攻撃や、時間の流れを遅くする、空中を飛翔するといった特殊なアクションの様子を確認できる。完成は来年の春頃を予定しているという。

魔法を創るダンジョンRPG『魔法の女子高生』、アップデートでクリア後ダンジョンを追加

同人サークルilluCalabのダンジョンRPG『魔法の女子高生』のSteam版およびiOS版が22日にアップデートし、クリア後ダンジョンの追加などが行われた。

『魔法の女子高生』は、魔法の世界に迷い込んだ女子高生が主人公のダンジョンRPG(関連記事)。魔法へ自由に名前を付けることができ、それによって効果が決まるシステムが特徴となっている。今回のアップデートではクリア後ダンジョンが追加されたほか、既存のダンジョンのバランス調整なども行われている。

フリーゲーム・サイコADV『SPIEGEL EI』 虚ろな少女が“鏡の世界”に惑う。

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鏡に向かって「お前は誰だ?」と言い続けると気が狂う。そんな都市伝説を聞いたことはないだろうか。
実際にやってみたところを想像してみて欲しい。きっと言い知れぬ不安感が湧き上がるはずだ。何も起こるはずはない……しかし万が一でも、何らかの反応が返ってきてしまったら。鏡に映った自分の顔がぐにゃりと歪んで返事をしたら、という思いが浮かんでしまう。

今回紹介するゲーム『SPIEGEL EI』は、そういった鏡が抱かせる不安感を題材にした作品だ。
 
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虚ろな目をした一人の少女が、孤児院に入所した。少女の名はアイ。
同じ棟で暮らす二人の少女・フロイとテューマに暖かく迎え入れられるが、アイの心は頑ななままだ。
そんな少女が心を奪われたのは玄関の大鏡。あるときアイは、鮮血のように真っ赤なチョークの粉が、鏡の中へ誘うように続いているのを目にするが……。

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現実と鏡、少女は二つの世界を行き来する

プレイヤーは主人公であるアイを操作し、現実世界と鏡世界の双方を行き来しながら謎を解いていく。
たとえば、現実世界で暗証番号のロックがかかった扉があるとき、鏡の世界で暗証番号を知ることができる。逆に、鏡の世界で必要となるキーアイテムを現実世界で拾えたりする。

ただし、注意点がある。そもそも「鏡の世界へ行く」ことは、少女にとって危険な行為だということだ。
鏡の世界には奇妙な住人たちがいる。可愛い外見のものもいるが、中には少女を餌食にするものもいる。また、鏡の世界は少女の持つトラウマをも映し出す。すなわち、トラウマが実体を持って襲い掛かってくる。
謎解きを誤ったり、トラウマに捕まったりすると即ゲームオーバーになってしまう場面もあるため、こまめにセーブすることが重要だ。

さらに、冒頭の都市伝説の話を思い出して欲しい。鏡の世界という曖昧な世界に浸りすぎると、少女の精神は戻ってこられなくなるかもしれない。よりゲーム的に言うなら、BAD ENDに近づいてしまうのだ。
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ゲームという特性を活かした演出は不安を煽るのに効果的

ゲームという媒体ならではの演出も、工夫があって面白い。
ゲーム開始直後、プレイヤーネームを入力すると、アイに似た少女が見透かしたように「それ、本当にあなたの名前なの?」と問うてくる。「いいえ」を選ぶと「駄目だよ、嘘ついちゃ」と叱られてしまう。
もちろんゲーム側がプレイヤーの本名を知る由もないのだが、ドキッとさせる演出だ。

他にも、ドアから漏れ聞こえる会話をアイが盗み聞きするかどうかなど、「いけないこと」の是非をプレイヤーに委ねられる場面がある。
もちろんゲームの中の出来事だから、どれを選んでもプレイヤーの自由だ。好奇心に負けて聞き耳を立ててもいい。しかし、その行いは「見られている」。名前の入力時と同様に、ゲームプレイ中に突然糾弾されることも覚悟しなければならない。

このように、小説やアニメと違い、ゲーム特有の「プレイヤーのアクションに対するフィードバック」として不安をかきたてられる演出が本作の優れているところだ。

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人を選ぶが、ハマる人にはとことん魅力的な世界観

「儚げなキャラクターとサイケデリックな鏡世界」という独特の組み合わせが気に入った方や、少女が精神的に追い詰められていくサイコな世界観をのぞきこんでみたい人は、本作をプレイして損はないだろう。
また、本作はホラー系ADVにありがちな、音で驚かせたり、画面いっぱいの顔でおののかせたりする演出はない。ただ静かに、プレイヤーの精神を揺さぶって不安を煽ってくる。直接的なホラー表現に食傷気味という方にも、ぜひおすすめしたい。

[基本情報]
タイトル SPIEGEL EI
制作者 タオ (制作者様サイトはこちら)
クリア時間 1~2時間
対応OS win
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/game/se511477.html


超水道のデンシ・グラフィックノベル『ghostpia』第3話が配信開始 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はデンシ・グラフィックノベル『ghostpia』の最新話公開や、ノンフィールド・リソース管理RPGの新作リリースなど7本です。

超水道、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』第3話配信開始

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創作ユニット超水道は5月31日、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』iOS版のアップデートを行い、第3話「はたらくしごとをみつける日」を追加した。ブラウザプレイが可能なノベルスフィア版については、後日アップデート予定となっている。

『ghostpia』は雪に閉ざされた、幽霊の住む町を舞台にしたノベル作品(関連記事)。第3話では主人公の小夜子と新人幽霊のヨルによる仕事探しや、そこから巻き起こる騒動が描かれる。イラスト枚数は約200枚、さまざまな演出も盛り込まれており、ボリューム、密度ともにこれまで以上の内容に仕上がっている。

ノンフィールド・リソース管理RPG『Ark Noir / 箱舟のノワール』がリリース

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Amamori Labは5月31日、リソース管理RPG『Ark Noir / 箱舟のノワール』のダウンロード販売を開始した。WindowsおよびMacに対応しており、体験版も公開されている。

沈没しつつある巨大移民船からの脱出を目指すノンフィールド型の作品。ランダムに入手した、使用回数に限りのある武器などのアイテムを駆使して戦っていくというローグライクRPG的なシステムが特徴となっている。幸運を数値化した「FR」という値の管理もポイントで、FRは休息によりHPを回復したり、物資コンテナからアイテムを入手したり、他の乗員を救助したりとさまざまな行動で消費する。

沈没事故の真相に迫っていくアドベンチャー要素も特徴。3人の主人公を選べるほか、条件を満たすことでゲーム開始時にあらかじめセットできるパッシブスキルが増えるなど、周回プレイも楽しめる作りとなっている。

フリーゲーム短編RPG『魔剣少女の物語』公開

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個人開発者のRISE氏は5月28日、短編RPG『魔剣少女の物語』をふりーむ!にて公開した。Windowsに対応するフリーゲームで、公称プレイ時間は2~3時間。

亡き父から不思議な力を持つ剣を受け継いだ少女「ラーマ」が主人公の作品。剣を使って村の平和を守りながら暮らしてきたラーマだが、ある目的で村へ訪れた王女「クレア」との出逢いにより、剣の持つ力の真実に触れ、人と人ならざる者の戦いへ関わっていくことになる。展開は基本的にシリアスだが、王女という立場ながらフランクな性格のクレアや、ラーマを支える兄貴分の「エクスシオ」と弟分の「ミドル」など、キャラクター達の賑やかな掛け合いが描かれるシナリオも見どころだ。

戦闘ではスキルなどの使用で消費する「気力」が低下すると被ダメージが上がる要素が特徴で、難易度はやや高め。1戦闘に3回だけ使える特殊技「ブレイドアーツ」なども駆使して戦っていく。バランスタイプ、スピードタイプなどの戦闘スタイルを切り替える要素もあり、スタイルによってステータスや使用可能なブレイドアーツが変化。さらに、瀕死状態でのみ発動可能な自己強化技「リミットブレイク」やリミットブレイク中のみ使用できる特殊技「ファイナルアーツ」といった要素もあり、手に汗握るバトルを楽しめる作品だ。

Unity 1週間ゲームジャムが開催、「転がる」をテーマにした150本以上の作品が集まる

Unity製ゲームの投稿サイトunityroomにて、5月22日から28日にかけて「Unity 1週間ゲームジャム」が開催された。

「Unity 1週間ゲームジャム」は、発表されたテーマをもとに、1週間でゲームを制作して投稿するというオンラインイベント。2回目の開催となる今回のテーマは「転がる」で、サイコロを転がすパズルゲームや、土地を(物理的に)転がしてお金を稼ぐゲームなど、テーマをさまざまな形で解釈したユニークなゲームが150本以上投稿されている。投稿されたゲームはブラウザ上でプレイ可能だ。

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サイコロの上面に描かれた数字の数だけサイコロを四方向へ転がすことができ、一定の手数内でゴールを目指すパズルゲーム『サイコロリ -Saikorori

 

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土地を物理的に転がしてお金を稼ぐ『土地ころがせ

 

趣味工房にんじんわいん、『RPG用音楽素材集 [Yuggdrasill Seed]』ダウンロード販売開始

フリーゲームRPG『ネフェシエル』『イストワール』の楽曲担当としても知られる音楽製作サークル趣味工房にんじんわいんは5月30日、『RPG用音楽素材集 [Yuggdrasill Seed]』のダウンロード販売を開始した。

過去に音楽CDとしてリリースされた『Yuggdrasill Seed -opening episode-』をベースとしたコンテンツ。MP3ファイルのほか、ループ処理が施されたOgg Vorbisファイルが同梱されており、使用権利込みの商品として提供されている。

ALICE IN DISSONANCE、「Patreon」による支援に関する日本語の解説ページを公開

ノベルゲーム『fault』シリーズの開発元である同人ゲームサークルALICE IN DISSONANCEは、クリエイター支援プラットフォーム「Patreon」での同サークルの支援に関する日本語の解説ページを公開した。

Patreonは、毎月指定した金額を支払うことでクリエイターを継続的に支援できる米国のサービス。国内ではEntyやFantiaなどが知られているが、こうしたサービスの先駆けと言える存在だ。英語サイトのため少々とっつきにくい印象もあるが、解説ページではALICE IN DISSONANCEのPatreonで用意されている支援額別特典の内容のほか、Patreonへの登録方法や支援方法も日本語で解説されているので、Patreonがどういったサイトなのか興味のある方もチェックしてみてはいかがだろうか。

なお記事執筆時現在、ALICE IN DISSONANCEのPatreonでは月額4,000ドル弱の支援が集まっている。

てりやきトマト、Fantiaにてファンクラブを開設

同人サークルてりやきトマトは2日、月額制のクリエイター支援プラットフォームFantiaにて同サークルのファンクラブの本格運用を開始した。

てりやきトマトは、フリーゲーム『積層グレイブローバー』『虚白ノ夢』(関連記事)などの作者として知られるフリーランスのクリエイター、カナヲ氏の運営する同人サークル。ファンクラブの会員プランには無料を含む複数のプランが用意されており、無料プランでも開発中のゲーム制作SLG『じげじょ。』の開発状況を確認したり、今後リリースされる同作の開発バージョンをダウンロードできるという。

加えて有料プランでは、開発ブログの閲覧や、通常公開されているゲームに追加要素が実装された「アドバンスver.」のダウンロードといった特典がプランに応じて用意されている。すでに開発ブログの#01が掲載されており、月額100円以上のプランに入会することで、現在開発中の短編ダンジョンRPGについての情報を確認することができる。

なお、同氏は株式会社ドワンゴの電ファミニコゲームマガジンにて連載中のアドベンチャーゲーム『被虐のノエル』の作者としても知られるが、こうした企業と関わりのある案件にて制作したゲームはFantiaで扱う対象外となるとのこと。

短編フリゲアドベンチャー『One week, My room』 あなたが救う、ちいさな世界

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壁に空いた穴、ゴミの詰まったゴミ箱、女の子の人形、放置されたランドセル、棚、時計、机、ベッド、布の被された鏡、開けられないドア、カレンダー、ラジオ、押入れ、日記、薄暗い八畳の部屋。今回紹介する『One week, My room』の世界の全てである。

とある理由から小さな世界へ閉じこもってしまった少年は、毎週土曜に聴くお気に入りのラジオ番組だけを楽しみに生きている。この世界であなたがすべきことはただひとつ。一日に一度だけ部屋の中の物を調べること。ただそれだけだ。そしてそのささやかな行動が、少年を救うことになるかもしれない。
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『One Week,My room』は、こやまなつみ氏とおうる氏によるゲーム制作サークル「常夜灯」の処女作となる短編の謎解きアドベンチャーだ。室内で謎解きと言うと脱出ゲームのシチュエーションを想像するかもしれないが、本作の目的は部屋からの脱出ではなく、クリスマスから始まる少年の一週間を最後まで無事に見届けることである。

前述の通り一日に一度だけ部屋内の物を調べてアクションを起こすことでゲームは進行していくが、もちろんただ闇雲に選んでいるだけでは最良の結末へ到達することは中々できないだろう。その鍵はアクションを起こす“タイミング”にあるが、決して複雑なものではない。数分ほどで終わる1プレイを何度か繰り返していれば、自然とどうすれば良いのかが見えてくるはずだ。
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また、本作には何度か繰り返しプレイすることでTipsが開放されていく要素がある。このTipsはタイトル画面から確認することができ、その内容は新聞記事の切り抜きやラジオ番組からのお知らせといったものから、なぜかオンラインゲームのチャットログといった一見すると無関係な情報が存在している。

これらは文字通りヒントとなっているものもあるし、また本編では語られない少年を取り巻く環境を深く知るためのアーカイブとなっているものもある。最良の結末へ辿り着き、Tipsを全て読むことで、この小さな世界の全貌が見えてくるだろう。
 
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筆者としてはなるべく先入観や前知識など抜きで遊んでみて欲しいと思うが故に、あっさりとした紹介になってしまったかもしれない。最良の結末まで辿り着き、Tipsを全て埋めたとしても、おそらく一時間も要しないと思われる。そんなささやかな作品である。

しかし、この作品が扱っているのは、現代社会におけるいくつかの深刻な問題だ。主観としての閉じた本編とそれを補完するTipsにより、短編というよりはショートショートほどの物量にも関わらず、その重苦しさを見事に表現してみせた。プレイヤーが考え、「気づく」ことで心に突き刺さる、秀逸なストーリーテリングをぜひ体験して欲しい。

あなたの一時間はとても貴重だが、それを費やす価値がこのゲームにはあると思うのだ。

[基本情報]
タイトル:『One week, My room』
ジャンル:謎解きアドベンチャー
製作者:こやまなつみ氏,おうる氏(サークル 常夜灯)
クリア時間:1時間(Tips全解除まで)
対応OS:Windows
価格: 無料

ダウンロードは下記より

ふりーむ
http://www.freem.ne.jp/win/game/14961

BOOTH
https://nightlight.booth.pm/items/541520

SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第5回:カナヲ『虚毒ノ夢』②

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※本記事は、1月7日より開始した「SMILE GAME BUILDER」制作実演の連載です。

フリーゲーム作者による「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載が開始 完成作はダウンロードして遊べる!

Qpic『スーパーフックガール外伝』 制作連載 / 2 / 3 / 完成作品ダウンロード
カナヲ『虚毒ノ夢』制作連載


 
カナヲです。前回の記事から引き続き、SMILE GAME BUILDERによる『虚毒ノ夢』の制作状況をご紹介します。

3D探索ホラーADV『虚毒ノ夢』制作中!

今作は、2015年公開の探索ホラーADV『虚白ノ夢』の数年後の世界を舞台としたホラーADVです。ただし物語の理解に前作の知識はほとんど必要なく、主要な登場人物はいずれも新規キャラとなっており、 前作に触れていなくても今作単体で楽しめるようになっています。
 
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記憶障害のせいで記憶が一日しか保てない主人公の未散(ミチル)が、3LDKの部屋に同居する兄の目を盗みながら記憶のかけらを探し、隠された真実に迫っていきます。このゲームの舞台はこの部屋のみで、SMILE GAME BUILDERならではの主観視点を最大限に活かした構造になっています。

『虚毒ノ夢』の登場人物を紹介

 
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折原未散(オリハラ ミチル)

主人公。記憶障害を持つ16歳の少女。 眠ると多くの記憶を忘れてしまうため、毎日記憶ノートをつけないと物事を覚えられません。プレイヤーは彼女を操作し、いつの間にかできていた『記憶ノートの謎の黒塗り』に隠された記憶の手がかりを探すことになります。ある画家の絵をとても気に入っているようですが……。
 
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折原悠(オリハラ ユウ)
 
ミチルの兄で、21歳の大学生。 現在は大学を休学し、ミチルの世話をするためほぼ一日中家にいます。ミチルをとても大切にしている一方で、時折冷淡にミチルの行動を監視し、咎めます。たとえ彼が睡眠薬を使ってミチルを気絶させたとしても、ミチルは自分がされたことを次の日まで覚えていられないでしょう。彼には、そうまでして隠したいことがあるのでしょうか……。

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織原未来(オリハラ ミライ)

ミチルの夢に出てくるガサツな少女。「名前が似ているから」という理由で仲良くなった彼女は、ミチルとどんな関係にあったのでしょうか……。

ポイントとなるゲームシステムとは

今作のメインパートである3LDKの探索時は基本的に、怪奇現象や幽霊などによる恐怖演出が起こりません。ホラー要素は、兄に見つからないように背中を気にしながら「調べるな」と言われた場所や兄の部屋、ときにはその懐を調べる背徳感と緊張感がほとんどです。もちろん、兄に見つかってしまった際は怖めの演出が入る……かもしれませんが、おそらく本質は「もし見つかったら……という見つかるまでの緊張感」にあるのではないかと思います。

こうして見ると、敵から身を隠して進むステルスゲームの独特の緊張感を、ホラーで補強したような感覚かもしれません。ただしこのゲームには、タイミングをうまく見計らって素早く突撃、といったアクション要素はありません。すべては、絶対に見つかるタイミングと絶対に見つからないタイミングの二通りだけです。
 
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たとえば、兄が今シャワーを浴びていることに気づいたあなた。今ならこっそり兄の部屋を調べられるかもしれませんが、果たして兄はいつまでも長々とシャワーを浴びているのでしょうか? 確率要素もアクション要素もないので、兄の気配などから導き出したプレイヤーの判断、推察さえ正しければ行動は成功です。今作はアクションゲームではないので、それ以外のプレイヤースキルは要求しないことにしています。
 
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兄が本当にただの優しい兄なら、なにも恐れることはないのですが、果たして……。

SMILE GAME BUILDERの使用感

SMILE GAME BUILDERは、マップ制作がとても簡単です。それでいて完成したマップは3Dゆえに2Dよりもはるかに没入感あるものになるので、雰囲気を重視したゲームを作りたい場合は相性がよさそうです。さらに3Dの世界を彩るためのカメラワークもイベントで直感的にいじれるため、カメラ操作を駆使してイベントシーンを作り込めば映画のようなワンシーンの制作も夢ではないです。

反面、3Dは自作素材を用意するハードルが2Dより高いため、既存の素材では表現できないようなマップやシーンを作りたい場合は苦労しそうです。また、よく使うイベント内容を丸ごと保存して呼び出せるコモンイベント機能がないため、内部処理で何度も条件分岐させる自作戦闘や探索ゲームなどを作る際はエディタがごちゃごちゃしてしまいがちです。『虚毒ノ夢』でも、兄に見つかった時の処理などをコモンイベントで作れればなお快適……だったかもしれません。

とはいえ、なにより複雑な知識なしに、これまでにないインパクトある演出が作れるのはSMILE GAME BUILDERの強みだと感じました。

次回の記事では、いよいよ完成品をもとにした内容をお届けする予定です。お楽しみに!

※本連載で制作しているゲームは完成後、作品を遊べるようにダウンロード形式で公開することに加え、SMILE GAME BUILDERを持っている人向けに、ゲームの実装の中身を見ることができるプロジェクトファイルも合わせて公開する予定です。

敵に“憑依”するアクションアドベンチャー『SOULLOGUE』デモ版がEnty支援者向けに配布 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は2Dアクションアドベンチャーのデモ版配布やオープンワールド3Dアクションゲームの公式サイト開設、同人ゲーム表彰イベントの結果発表など6本です。

noitems studio、2Dアクションアドベンチャー『SOULLOGUE』プレイアブルデモをEnty支援者向けに配布

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インディーゲーム開発チームnoitems studioは6日、開発中の2Dアクションアドベンチャーゲーム『SOULLOGUE』(関連記事)のプレイアブルデモを、同チームのEntyの支援者限定で配布開始した(月額150円以上のプランが対象)。本作はWindowsおよびMac向けのリリースが予定されているが、今回のデモ版はWindows用となっている。

『SOULLOGUE』は、憑依することで敵を操り、その能力を使いながら戦闘や謎解きを進めていくのが特徴の作品。今回配布されたデモ版は先日開催された「A 5th of BitSummit」の展示用バージョンに調整等を施したもので、「ゲームに慣れている方であれば5分もかからない程度のボリューム」とのことだが、基本的なシステムやアクションなどを体験することができる。

PhantomIsland、オープンワールド3Dアクションゲーム『SLEEPWALKER』公式サイトおよびファーストトレイラームービーを公開

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ゲーム開発サークルPhantomIslandは8日、オープンワールド3Dアクションゲーム『SLEEPWALKER』の公式サイトを開設した。合わせてファーストトレイラームービーも公開されている。

ハイスピードなコンボアクションと、広大な世界を“翔け抜ける”体験を謳う作品。ムービーではさまざまなフィールドを駆け抜けたり飛翔する様子や、鎌を使ったスタイリッシュなアクションを見て取ることができる。2018年にWindows向けにリリース予定。

「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」授賞作発表

同人ゲーム紹介サイトおすすめ同人紹介は4日、同サイトが主催する同人ゲーム表彰イベント「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」の授賞作を発表した。

ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心に、2016年4月~2017年3月に発表された作品から同サイトを運営するみなみ氏がさまざまな部門で作品をノミネートし、授賞作を選考して発表するイベント。「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー」は、前身となるイベントも含め2006年から開催されている。

授賞作の発表は東京・水道橋で開催された授賞作発表会にて行われ、みなみ氏による全ノミネート作品の紹介も行われた。発表会には同人ゲーム開発者やプレイヤーが集まり、受賞作の作者からはコメントが寄せられるなど、オンライン配信も含め、同人ゲームファンの交流の機会としても盛況なイベントとなった。発表会の内容は動画でも公開されている。

Novectacle、7月16日に大阪でライブイベントを開催

Novectacleは4日、7月16日に大阪にてライブイベント「The Live in Fata Morgana in Osaka」を開催することを発表し、9日には開催概要を公開した。

Novectacleのノベルゲーム「ファタモルガーナの館」の楽曲の演奏や、同サークル代表の縹けいか氏やイラストレーターの靄太郎氏によるトークなどが予定されている。内容は5月に東京にて行われたイベントと同じものが予定されているが、異なるアレンジなどもあるかもしれないとのこと。

「RPGツクールMV」バージョン1.5.0配信開始、スマホアプリ化サービスとの連携機能が追加

株式会社KADOKAWAは8日、「RPGツクールMV」バージョン1.5.0の配信を開始した。

本バージョンでは同日提供が開始されたクラウドサービス「Monaca for RPGツクール」との連携機能が追加。同サービスを利用すると、「RPGツクールMV」製のゲームを簡単にAndroid/iOSアプリ化できるという。「Monaca for RPGツクール」は有償サービスで、2週間の無料トライアルが用意されている。

バージョン1.5.0ではそのほか、リソース読み込みの失敗時にリトライする機能の追加や、メモリ管理の改善、不具合の修正などが施された。なお、オープンソースで開発されているコミュニティ版コアスクリプトのバージョン1.2cをさらにデバッグしたものが組み込まれているとのこと。

Home Security Company、『星詠みの紡ぐ詩』背景制作担当および先行プレイヤー募集

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ゲーム開発サークルHome Security Companyは4日、現在開発中のノベルゲーム『星詠みの紡ぐ詩』の背景制作担当および先行プレイヤーの募集を開始した。 背景制作についてはデジタル・アナログを問わず、また「写真素材の提供などでもありがたい」とのこと。

『星詠みの紡ぐ詩』は、ある「異変」により大きく変容した世界を舞台にしたノベルゲーム。同サークルの過去作『Colors/Forest』『春へと続く丘』と共通の世界観で、特殊な能力を持つキャラクター達の姿が描かれる。現在「Episode1」が公開されており、「Episode2」以降が開発中となっている。

フリーゲームRPG『アンダルシアの森』 魔法少女がコツコツとアイテム作りに励む

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「SMILE GAME BUILDER」は、ゲーム開発会社のスマイルブームより販売されているRPG制作ソフトだ。プログラミング不要で3DマップのRPGを生み出せるという手軽さが備わっている。今後はVRに対応していく予定で、柔軟なゲーム開発ツールとしても期待が高まる。

フリーゲーム制作者による「SMILE GAME BUILDER」の制作実演記事
SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第一回:Qpic『スーパーフックガール外伝』①。
SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第4回:カナヲ『虚毒ノ夢』①

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『アンダルシアの森』はMickeysmith氏により公開されたSMILE GAME BUILDER製のフリーゲームだ。ひたすら材料を採ってきてアイテムを合成していくことがメインの、小規模なアトリエ系RPGとなっている。早速紹介していきたい。

あらゆるものが調合で生み出される

とある森に一人で住んでいる魔法少女、アンダルシア。長らく行方不明となっている魔女の母をずっと待ち続けている。13歳の誕生日を迎えたアンダルシアは夢の中で母の声を聞き、そして家の中には奇妙なイスが置かれていた。その不思議な現象の正体は、母が仕掛けていた魔法によるものであり、一人前の魔女になるための試練が用意されていたのである。アンダルシアは試練を乗り越えるべく冒険を繰り広げていく。
 
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アンダルシアと一緒に暮らす使い魔のコウモリ、モリ太。冒険やアイテム合成のヒントをくれる。

試練の初日、突然現れたしゃべるイスに驚きを隠せないモリ太であったが、しゃべるコウモリもいかがなものか。ほのぼのとしたキャラクター達がコミカルな会話をしていく。

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まずは家の近くを歩き回ってみよう。

探検していくと橋が壊れていたり、大雨が降っていたりして困った問題が出てくる。それを解決するために材料を集め、家にある壷を使って必要なアイテムの調合をしていく。材料は釣りや伐採、戦闘により入手できる。この繰り返しがゲームの基本的な流れだ。

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戦闘にて魔法を使うアンダルシア。魔法は探索時の困った問題を解決するときにも使える。

アンダルシアが暮らしている場所ではお金というものがなく、魔法書を買って簡単に魔法を覚えることはできない。魔法習得にも、アイテムの調合が関わってくることになる。さらには装備品や頼りになる味方キャラも、調合により生み出される。

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食料を食べてステータスを上げよう。

卵や魚といった食料については、キャラクターの育成に使用する。ひたすら食べて戦闘を有利に進めよう。ついには魔法を使うまでもなく、杖を一振りしただけでモンスターをノックアウトしてしまうことも。

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手ごたえのある3Dダンジョンの中を、覚えた魔法を使いながら攻略していく。

調合して出来上がるアイテムすべてにレシピが用意されているわけではなく、手探りで未知の物を作り出していく面白さもある。のほほんとした日々を過ごしながら、コツコツとアイテム作りに励んでみてはいかがだろうか。

[基本情報]
タイトル:アンダルシアの森
制作者:Mickeysmith
プレイ時間:5時間程度
動作環境:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14786

ブースト移動で要塞を探索!ASTRO PORTの新作アクションSTG『ロケットロン』体験版公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はアクションSTGやアクションパズルの体験版公開など9本です。

ASTRO PORT、アクションSTG『ロケットロン』体験版公開

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ゲーム開発サークルASTRO PORTは15日、アクションSTG『ロケットロン』の体験版を公開した。

メカメカしい2Dドットグラフィックや、作り込まれたステージデザインが魅力のアクションゲームやシューティングゲームを多数リリースしている同サークルの最新作。ロケット噴射による高速移動や短時間の飛行が可能な主人公を操作して敵の大要塞を攻略していく内容で、ロケット強化により噴射時間が延びて行動範囲が広がるなど、探索アクションゲーム的な要素も備えている。さまざまな武器を入手し、切り替えながら利用できるのもポイントだ。

体験版では最初のエリアの一部をプレイ可能で、ボス戦も収録されている。完成版はコミックマーケット92(夏コミ)での頒布が予定されている。

ノンリニア、パズルゲーム『ころころぼっくす』v2.0フリー公開

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同人サークルノンリニアは14日、パズルゲーム『ころころぼっくす』の最新版v2.0を無償公開した。

『ころころぼっくす』は、各面に色の付いた箱を、面の色と床の色が重なるように転がしていき、すべての床を1回ずつ通ることでステージクリアとなる一筆書き系のパズルゲーム。v2.0ではステージが自動生成される「ふりーぷれい」モードが追加された。

デスモフモフの横スクロールシューティングゲーム『ネコネイビー』のSteam配信が開始

ゲーム製作サークルデスモフモフのシューティングゲーム『ネコネイビー』のSteam配信が、15日に開始された。

『ネコネイビー』は今年1月にリリースされた、ネコが主人公の横スクロールシューティングゲーム(紹介記事)。Steam版では多言語対応が施されたほか、実績やワールドランキングなどが追加されている。

なお本作には無料版『コネコネイビー』もあり、こちらは難易度HARD(3段階のうち真ん中)のみ選択可能でコンティニュー不可だが、最後までプレイ可能という仕様になっている。

JumpGun! Project、2Dアクションパズルゲーム『JumpGun!』最新体験版公開

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JumpGun! Projectは10日、開発中の2Dアクションパズルゲーム『JumpGun!』の最新体験版を公開した。

当たったものをジャンプさせる銃『ジャンプガン』を利用し、反射させた弾を自分に当ててジャンプしたり、敵を浮かせて通り抜けたりしながらステージをクリアしていく作品。2013年から開発が続けられている。今回公開された体験版は、先日大阪で開催された同人ゲームオンリーイベント「同人ゲーム.fes 2017」で展示されたバージョンとなる。

えーでるわいすの稲作シミュレーション&探索コンボアクションゲーム『天穂(てんすい)のサクナヒメ』E3トレイラーが公開、PS4でのリリースが発表

えーでるわいすが開発中の稲作シミュレーション&探索コンボアクションゲーム『天穂のサクナヒメ』のE3 2017トレイラームービーが公開された。PCのほかPS4でのリリースが発表され、2018年リリース予定とされている。また、同サークルによるとコミックマーケット92(夏コミ)にて最新の体験版を頒布予定とのこと。

AECRNIA、3D横スクロールアクションゲーム『ELMIA』紹介動画公開

AECRNIAは12日、3D横スクロールアクションゲーム『ELMIA』の紹介動画を公開した。

少女と妖精を同時に操作し、妖精の位置へ少女をワープさせられるシステムが特徴の作品。コミックマーケット92(夏コミ)にて頒布予定となっている。作品公式サイトではデモ版も公開されている。

趣味工房にんじんわいん、『フルオーケストラ RPG GAME音楽素材集vol.04 【遺跡】』ダウンロード販売開始

フリーゲームRPG『ネフェシエル』『イストワール』の楽曲担当としても知られる音楽製作サークル趣味工房にんじんわいんは16日、『フルオーケストラ RPG GAME音楽素材集vol.04 【遺跡】』のダウンロード販売を開始した。

収録楽曲は全曲新作で、MP3ファイルのほか、ループ処理が施されたOgg Vorbisファイルが同梱されている。ゲームのBGMとして、無報告、クレジット無しでの使用が可能とのこと。

Novectacle、ライブイベント「The Live in Fata Morgana」大阪公演チケット販売開始

Novectacleは10日、ライブイベント「The Live in Fata Morgana in Osaka」のチケット販売を開始した。

Novectacleのノベルゲーム『ファタモルガーナの館』の楽曲の演奏や、同サークル代表の縹けいか氏やイラストレーターの靄太郎氏によるトークなどが予定されている。5月には東京で「The Live in Fata Morgana」が開催されており、今回はその大阪公演として、関西で初のライブイベントとなる。イベントの内容は基本的に東京公演と同じものが予定されているが、異なるアレンジなどもあるかもしれないとのこと。

ふりーむ!、作品へのレビュー投稿により制作者とレビュー投稿者に米や米菓が当たる企画「コメ騒動」 を開催

フリーゲーム投稿サイトふりーむ!は14日、レビュー投稿企画「コメ騒動」を開始した。

ふりーむ!に投稿されているゲームへレビュー(コメント)を投稿することで、レビューされたゲームの制作者には米5kgが、レビュー投稿者には米菓が抽選で当たるという企画。6月14日0時から7月31日24時までに新規投稿されたレビューが企画の対象となる。とくに応募手続きなどはなく、レビュー投稿を行うと自動的に抽選対象となる仕組み。当選者には8~9月頃にメールで通知が送られるとのこと。

2016年のフリーゲームを語り尽くす!もぐらゲームスライター陣による振り返り座談会

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もぐらゲームスにて日頃紹介を行なっている「フリーゲーム」。2016年にも多くの新作がリリースされ、さまざまな話題で盛り上がった。そこで今回は1月に実施した、もぐらゲームスのライター陣4名が2016年のフリーゲームを振り返る座談会の様子をお送りする。

日々フリーゲームをやり込んでいるメンバー達の間では多数のタイトルが話題に上り、1万字をゆうに超える内容となった。諸事情により掲載が遅くなってしまったが、2017年の折り返しを前に、あらためて2016年を振り返ってみてはいかがだろうか。「このゲームも話題だった」といったご意見があれば、Twitterやはてブなどでコメントをしていただけると幸いだ。

昨年の話題作といえば……?

poroLogue:それでは早速なのですが、2016年のフリーゲームを振り返る座談会を始めたいと思います。いったん、参加するみなさんの自己紹介をお願いできればと。私はもぐらゲームス編集長のporoLogueです。ちなみに前回はもぐらゲームスのメンバーで、2015年下半期のフリーゲームを語る座談会を行いました。

ノンジャンル人生:ノンジャンル人生です。もぐらゲームスで一昨年から主にRPG関連の記事を書いています。去年は「フリーゲームをはじめよう。」という連載をさせて頂きました。まだまだ若輩者ですが、よろしくお願いします。

vanillaice:2001年からのフリーゲームファンのvanillaiceです。インディーゲームのステージクリア型アクションパズルゲームにてステージデザインなども行っています。去年よりもぐらゲームスでゲーム紹介記事をちょこっと書いています。本日はよろしくお願いします。

友次郎:中村友次郎です。窓の杜というオンラインソフト紹介サイトの編集長を経て、現在はフリーのライター・編集者として、同誌の連載記事「週末ゲーム」の担当編集など、主にゲーム関係の執筆・編集を担当しています。他にも各所でゲーム関係の記事執筆などを少々。プレイヤーとしては、色々プレイしますが「システムが凝ったRPG」を特に好んでプレイしています。(編注:「週末ゲーム」の連載は4月に終了し、中村氏は現在もぐらゲームスにライターとして参加している。)

poroLogueさんには窓の杜にご執筆いただいているといったご縁もありまして、今回参加させていただくことになりました。よろしくお願いします~!

poroLogue:それでは、2016年のフリーゲームを振り返っていきましょうか。年末にはフリゲダウンロードサイト「ふりーむ!」のDL数ランキングや、「フリゲ2016」の結果なども出ました。ユーザーによる人気投票であるフリゲ2016では『ニュー・スーパーフックガール』(紹介記事)や『メイジの転生録』など、話題となっていた作品も登場していましたね、皆さんプレイされましたか?

ノンジャンル人生:『ニュー・スーパーフックガール』は可愛らしい見た目に反し、予想以上に難しくて最後までクリアできてないんですよね。プレイヤーに何度も挑戦させるような作りなど、デームデザインで学ぶところが多い作品だと思います。

vanillaice:かなり手ごわかったですが、それが気にならないくらいに豊富なギミックで楽しませてもらいました。正規ルートと裏ルートがうまく両立した、表裏一体のステージ設計も素晴らしかったです。疾走感のあるサントラは今でもドライブ中に流すことがあります。

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『ニュー・スーパーフックガール』

友次郎:『メイジの転生録』は、厳密には2015年末のゲーム投稿イベント「VIPRPG紅白2015」が初出の作品ですが、年間を通して人気でしたね。昨年の11月くらいからさらに盛り上がってきた印象があります。私もプレイしましたがとても面白かったです。

vanillaice:転生録はTwitterで感想が飛び交っていまして。その流れでプレイしたのですが、想像以上に引き込まれました。

友次郎:引き込まれますよね……。独特の台詞回しが癖になります。ダンジョン探索などのプレイアビリティが高く、するするプレイを進められるのも魅力かなと。ベースの部分の作りがよく、ゲームプレイの部分でストレスなく進められるからこそ、あの独特の世界観が引き立つのかなと個人的には思っています。

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『メイジの転生録』

vanillaice:転生録の台詞といえば、巧妙な誤字も特徴ですね。

poroLogue:誤字をゲームの演出のひとつとして組み込めてしまってるのが、メイジの持つ世界観の強さかもしれませんね。想定されているにせよ、そうでないにせよ。

友次郎:あの、狙ってるんだか狙ってないんだかわからない感は狙って出せるものではないと思います(笑)

poroLogue:それと『メイジ』が凄いなと思ったのは、一見アーティスティックで尖った作品という印象を受けるんですが、その実、伝統的なノンフィールドタイプのRPGをさらに洗練させたゲームデザインで、ストレスなく気持ちよくプレイできるところなんですよね。実は、かなり幅広いユーザーにおすすめできる作品と感じています。

友次郎:ですね。シリーズ前2作も尖った魅力はあるのですが、転生録でゲームとしての完成度が段違いに上がったと感じます。ストーリー的には、前2作の「24億年分の伏線」があってこそのシナリオだと感じるので、順番にプレイするとより感慨深いかなとは思いますが。まず転生録を少しプレイして、合いそうなら改めて第1作から、というルートをお勧めされている方もいたのですが、自分もそれがお勧めかもです。

ノンジャンル人生:自分の場合、1作目の『メイジの悲劇譚』、2作目の『メイジの因果録』からプレイしたんですが、やられた!と思いましたね。想像なのですが、たぶん1作目を出してからの10年の間にツクールの技術力を高めて、2作目を発表したのではないかと……。

poroLogue:たしかに、1作目から最新までプレイすると、ゲームデザインの進化を感じますね。

vanillaice:作者さんの新作予定『メイジの百騎録』ではBGMの選曲にものすごく時間をかけているそうですが、転生録でもそれは十分に感じました。

poroLogue:選曲もすばらしいですね。それぞれのシーンにあった音楽を的確に選ばれている印象があります。『四月馬鹿達の宴』の作者さんと同じような、選曲へのこだわりを感じます。

友次郎:1作目の『悲劇譚』は王道RPGのミニマム化作品としての纏まりはすごく良いと思っていて、個人的には「気軽にゲーム1本クリアしたと感じられる短編」としても素晴らしいと思います。

終盤以降はややゲームバランスがやり込み寄りになる印象ですが、それに関してもレベル上げ済みのセーブデータが用意されていたりと、プレイヤーへの配慮は第1作から見られますね。 実際は難しい仕掛けとかはないんだけど、何となく雰囲気がそれっぽいマップになっていて、達成感を味わえるのも面白かったです。

vanillaice:ゲームを始める前からすでにあるセーブデータ、あれにはびっくりしました(笑)

ノンジャンル人生:実況プレイする方は、まずそこにツッコミを入れていますね(笑)。ゲームデザインについては、一見粗いようですが、実際プレイしてみるとRPGの面白さを凝縮させているんですよね。つい語りたくなる作品なので、メイジがきっかけで知り合いになれた方も沢山います。

vanillaice:そういえばノンジャンルさんと知り合ったのは、メイジシリーズがきっかけでしたね。

ノンジャンル人生:どうしても話が弾んでしまいます(笑)

poroLogue:ひとつの作品をきっかけにフリゲファンの輪が広がるのは、素晴らしいですね!いまではファンの方が色んな絵柄でファンアートも出していますね。グラフィックについては以前、友次郎さんと話していたときには『東方Project』みたいという話もしてました。

友次郎:ですね。デザインとして魅力があり、それでいて固まりきっておらず解釈の余地があるようなイラストだと、「自分ならこう描く」みたいな二次創作の盛り上がり方もするのかなーと思ったりしました。もちろん、純粋にキャラクターの魅力というのも大きいとも思いますが。

ノンジャンル人生:確かに、想像の余地のある作風なので、自分たちでそこを補えるのが創作しやすい理由かなと思いました。自分も趣味でファンアートを描いていますが、やっぱり楽しいです!

友次郎:メイジの転生録のイラストは、ダイナミックな構図で勢いやアクションが伝わってくるのでゲームイラストとして非常に正しいと思っていたのですが、新作予定の『百騎録』ではその魅力は完全に残ったままで、一般的な絵としての観点においても品質が上がっているので、もう完全に隙がないなこれ……と圧倒されています(笑)

ちなみに、『メイジの転生録』が発表された「VIPRPG紅白2015」は他にも良作RPGが多かった印象です。

poroLogue:なにかイチオシの作品はありましたか?

友次郎:個人的には『アイマス』が年間を通しても一押しの作品になりました。渋みのあるシナリオなども良いのですが、「ボス残機制」が自分にとってはとても新鮮で……。端的には「第○段階」みたいなボスの耐性・行動パターン変化の可視化ですが、これにより段階ごとの戦略などが立てやすく、その行動パターンもボス毎に個性的で、ボス戦が本当に楽しいゲームでした。主人公側もヒロインごとに戦闘スタイルもキャラクターも個性があって魅力的でした。

なので好きな子のシナリオをプレイするのもよし、全員分コンプするもよし、そのあたりはプレイする方の自由でよろしいかと思います。自分はコンプしましたが(笑)

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『アイマス』

vanillaice:『アイマス』についてはTwitterで友次郎さんの熱い感想を見かけまして、タイトルだけは知っていました。

友次郎:1周なら2時間くらいで気軽にできますよ~、と言いつつ5周した人です。ギャルゲー的に、ヒロインごとに後半のストーリーが分岐しますので。ルートによって待ち受けるダンジョンやボスも別々になりますね。

ノンジャンル人生:メイジのインパクトが凄かったですけど、紅白2015のゲームは魅力的な作品ばかりでしたね。

友次郎:VIPRPG紅白2015作品だとRuinaオマージュの『金リカ2』も良かったです。『Ruina』が面白いから面白い、というのももちろん大きいのですが、あのシステムでちゃんと中編1本作り上げるのは凄いと思いますし、いわゆる魔法具現化ベースで多数のキャラクターを揃えつつ、個々の戦闘スタイルなどキャラも立っていました。

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『金リカ2』

ブラウザ公開の環境が充実してきた2016年

poroLogue:2016年のフリーゲームは全体的にどんな感じだったんでしょう。各々、主観的なもので構わないので、プレイした作品やトレンド感について聞ければなあと。

vanillaice:これまでオフラインで遊べるフリーゲームを中心にプレイしていた自分としては、RPGツクールMV製のゲームに注目していました。ツクールMVについては、「AndApp」にてPCとスマホ間でセーブデータを共有できるゲームが出てきたり、「RPGアツマール」が登場したりと、オンラインという名の風を強く受けました。フリゲはダウンロードして遊ぶようなフリーウェアのイメージが強かったのですが、昨年はブラウザゲームを相当プレイしていて、フリゲに対する捉え方が少し変わりました。

poroLogue:「PLiCy」の作品数も10,000を超えて、「ふりーむ!」もブラウザ対応しましたね。

vanillaice:そういえば今年に公開されたものですが、座談会が始まる前にアツマールで『The Hotel 337』のデモ版をプレイしていました。このドット絵に惹かれてしまう……。

poroLogue:これは完成が本当に楽しみです。

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『The Hotel 337』(デモ版)

ノンジャンル人生:フリゲを作る人も増えてきた印象がありますね。ツールそのものが扱いやすくなり、気軽に作品も投稿できるようになったという感じに。

友次郎:ふりーむ!のブラウザ対応とRPGアツマールの開始が印象としては特に大きく、ブラウザプレイが一気に進んだ年という印象でしたね。ミニゲームなど気軽に遊べるゲーム、掌編ノベルゲームなどには非常にマッチしていると思います。

一方でじっくりプレイするようなRPGですと、セーブデータを手元にずっと残しておきたいのでオンラインのみというのはややもどかしい感じも。ある程度のボリュームの作品だとローカル版も用意していただけていることも多いので助かります。

ノンジャンル人生:アツマールは向き、不向きがはっきり分かれますよね。皆でワイワイするのが楽しいゲームと、ひとりでじっくり遊ぶゲームだと、全然違いますし。

vanillaice:アツマールのゲームをいくつか遊んでいたときに、ユーザーの投稿コメントにより話の展開がわかり、気になってしまったことがありました。今は事前に対処していますが。

友次郎:タイトル画面に感想コメントを書く場合も多いので、そういうのを読みたくなければページを開いた瞬間にコメント表示をオフにするなどの対処も必要になりますね。システムは色々とアップデート予定ではあるようですが。

ノンジャンル人生:アツマール、ふりーむ!、PLiCy、それぞれ特性があるので、どこにフリゲを投稿するかも大切になるかもしれませんね。

poroLogue:現状の所感だと、今後数年間はブラウザは体験版や短編向けで、長編はダウンロード形式、という感じで分かれる気はします。

友次郎:ですね。長編RPGに関しては、テスト版や体験版の公開をブラウザ版でという流れになると嬉しいなーと思っています。じっくりプレイする際はローカルでプレイしたいのですが、まずはダウンロードせずに気軽に試せるといいなと。

poroLogue:ツールでいえば「ティラノビルダー」もブラウザ対応してますし、今後が楽しみな領域ではあります。

ノンジャンル人生:フリゲそのものの容量も増えていますしね。音楽にこだわった作者さんも多く、曲のデータが増えたことで容量も自ずと増えてきた印象です。

poroLogue:たしかに。それでいうと、ボイスつきの作品もかなり増えてきた印象です。RPGですと『ラルスと白夜城のお姫様』(紹介記事)、あとはアドベンチャーの『霧と太陽の王』とかもそうですね。

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『霧と太陽の王』

ノンジャンル人生:『霧と太陽の王』もぜひ遊んでみたいですね。去年は、短編中編が目立つ年だった印象です。

友次郎:ですね~!自分はシステムに凝ったRPGを特に好んでプレイするのですが、その観点で2016年は短編~中編の良作が多かった印象です。

個人的に特に良かった作品を挙げるなら『アイマス』『ひびかけ色のキセキ』(紹介記事)『作葬グレイブキーパー』(関連記事)『いばらのうみ』『Vengeance -禁じられし魔術-』といったところでしょうか。良作が多くて絞るのが難しいです……。リソース管理ゲーとしては『幽獄の14日間』も良かったです。

vanillaice:RPG・アドベンチャーですと自分も短編~中編を一気に遊ぶことが多かったです。

ノンジャンル人生:短編中編は製作期間も比較的短いので、ボイスなど、今までのフリゲの枠に囚われない挑戦も多かったのではないかと。個人的に良かったのは、『きらきら星の道しるべ』(紹介記事)『ダークオルヴェリア』『美術空間』(編注:公開は前年の12月)など…… 幽獄も楽しみました。

poroLogue:『幽獄の14日間』は『カリスは影差す迷宮で』(紹介記事)の作者さんの作品ですよね。あの作品もゲームデザインが凄く面白くてずっとプレイしてました。

ノンジャンル人生:ツクールMV作品が出始めた段階で、本当にお手本のように完成度の高いゲームでした。

vanillaice:ずっと気になっていたゲームです……これはやらねば。

友次郎:程よいランダム性もあって、周回も捗るゲームですね。

poroLogue:そして女の子がかわいい……!

ノンジャンル人生:赤い子と青い子がお気に入りです。

友次郎:金 髪 ツ イ ン テ ー ル 最 強 (火力も)

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『幽獄の14日間』

ゲームに込められた作者のこだわりと、広がりを見せる制作ツール

ノンジャンル人生:短編中編RPGの充実もそうですが、去年はシミュレーションRPGが凄くなかったですか?

poroLogue:そうですね、特に「SRPG Studio」製の作品が一気に増えた印象です。

ノンジャンル人生:『ヴェスタリアサーガ』、『Heartium』(紹介記事)、あと触っていないですが『アポロガル・エピソード』。 特にふりーむ!のランキングを見ていると、SRPGが定期的に出ていた印象です。

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『Heartium』

vanillaice:シミュレーションRPGはよく見かけました。『Heartium』制作者さんの過去作『魔法少女』の、SRPG Studioでのリメイク版も期待しています。

友次郎:『魔法少女』、ストーリーの評価が非常に高いのですがプレイを検討している時にリメイクを知ったので、リメイク待ちですねー。楽しみです。多作なのは、やはりSRPG Studioの効果が大きいのでしょうね。ツールって大事だなあ。

poroLogue:作品数は本当に増えていました。作品として『ヴェスタリアサーガ』が個人的にとても印象に残っています。

ノンジャンル人生:『ヴェスタリアサーガ』参入が追い風になって、かなり盛り上がったのかもしれませんね。poroLogueさん、実際ヴェスタリアサーガをプレイしてみていかがでした?

poroLogue:ゲームシステムとしては古典的なターン制SRPGなんですが、キャラクターごとの性能差や能力上限が明確に設定されていて、1キャラでのゴリ押しではなく、仲間の全員をうまく活用することで戦局を打開できるデザインが素晴らしかったです。

また、マップごとに毎回異なるギミックが用意されていて、一見、難攻不落に思える戦場で、適切に仕掛けを活用してクリアできたときの爽快感たるや。古典的なゲームデザインでもここまで新鮮に楽しめるのか、と勉強になるタイトルでした。

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『ヴェスタリアサーガ』

友次郎:めっちゃ気になるし面白そうですね……ギミックまわりの話がとくに。

vanillaice:マップごとに毎回異なるギミック、でふと思い出したのですが、『ステージ1 コンプレックス』(紹介記事)が面白かったです。次はどんなアイデアが襲ってくるのかとわくわくしながらプレイしていました。

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『ステージ1コンプレックス』

ノンジャンル人生:単純に規模を大きくするのではなくて、アイデアをしっかり練り上げる作品は増えてきた印象です。アイデアの勝利と言えば『どとこい』(紹介記事)とか。

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『どとこい』

vanillaice:あの作品はインパクトありましたね。「ティラノビルダー」を知るきっかけとなったのが『どとこい』、という方も多いのでは。そういう意味では先ほどの『ヴェスタリアサーガ』の勢いも合わせて、シミュレーションRPGの制作ツールとして「SRPG Studio」、ビジュアルノベルゲームの制作ツールとして「ティラノビルダー」が知れ渡った年といえるかもしれません。

ノンジャンル人生:3DRPG制作ツールの「SMILE GAME BUILDER」も発売されましたし、新規の作者さんは入りやすい年だったのかも。

vanillaice:「SMILE GAME BUIDER」や「ティラノビルダー」は直感操作でゲームが作れる、ということを売りにしていましたね。プログラミングを必要としないゲーム制作ソフトが増え、イラストや小説の創作をしている方がビジュアルノベルゲーム制作に挑戦する、といったように自作ゲームを作ろうとするきっかけも多様になっていくのではないかと。

poroLogue:ツールや素材が充実して、制作技術の蓄積もされた結果、「誰もがゲームを作れる時代」が始まっているのかもしれませんね。

友次郎:ツール関係だと、「WOLF RPGエディター(ウディタ)」のワイド対応も現在ベータ版、そろそろ正式版が近そうで気になっています(編注:その後、3月に正式版が公開された)。さっそく対応を模索されている作者さんも見かけますが、やはり画面がリッチになりますね。見ていてワクワクします。

ノンジャンル人生:ワイド版のリッチさは魅力的ですね。個人的には、旧ツクールやウディタのウィンドウの小ささは気になっていました。だから今回のワイド化は凄い嬉しいですね。制作の幅が広がると思います。

友次郎:現在体験版が公開されている『箱庭セレナータ』のワイド対応が楽しみです。作者さんがワイド版の画面を公開されていますがめっちゃ綺麗で、普通にコンシューマの画面だこれ……みたいな。デザインを非常に考えて模索されている様子がTwitterでも伺えて、すごいなあと。

ノンジャンル人生:コンシューマーで思い出しましたが、最近のフリゲはだんだん市販の作品との差異がないものが増えてきたように感じます。

友次郎:「市販の作品との差異がなくなって来た」という話はよく聞きますね。ただ、全部が全部そういう方向ではなく、コンシューマ的なカッチリとした完成度を追求するという方向もあるし、とことん尖った作りでもいい。どこに力を入れるかは引き続き作者さんの自由で良いだろうし、それが届くべき人には届く界隈であって欲しいなと個人的には思います。そういった中で、UIやマップ等のデザインに凝るというのも1つの方向性としてもちろんありかなと。

ノンジャンル人生:そうですね。どこかでめちゃくちゃこだわりつつも、どこかで手を抜けるというのがフリゲの特徴のひとつかなとも思います。

友次郎:ですねー。特徴であり魅力かなと。ちなみに最近の、マップデザインのクオリティの全体的な底上げに関しては、「ねくらマップチップのいろいろ」さんのマップチップの普及の恩恵が大きいのかなという印象です。少し前から見かけましたが、昨年は作者さんの間でもマップ制作に関する情報交換などもよく見られた気がします。

ノンジャンル人生:Twitterで、皆で自作のマップを公開し合うあれですね。見ていて楽しくなります。

友次郎:あくまで個人的な印象、かつファンの贔屓目が入っているかもですが、稲穂スタジオのなすーさんが「マップ制作の凄い人」として一気に注目を浴びた感があります(笑)

ノンジャンル人生:そういえば去年話題になった『箱庭えくすぷろーら』(紹介記事)は、こだわりというかフェチズムの塊でした。

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『箱庭えくすぷろーら』

vanillaice:そもそもなぜ自分はフリーゲームが好きかといいますと、狂気すら感じるこだわりと出会うことがあるからです。

poroLogue:好きな部分に好きなだけこだわれるのがフリーゲームのよさですよね。

ある作者さんの「フリーゲームは高校野球のようなもの」という言葉が印象に残っていて、個人的な解釈なのですが、高校野球のようにアマチュアとして続けることもできるし、甲子園に行って将来的にはメジャーリーグに……みたいな、色々な選択肢が許容されているのも、フリーゲームのいいところだと感じています。

友次郎:作り込み、突き詰めた内容という話ですと、ノベルゲームでは『詩歌を嗜むRe』がとても良かったです。シナリオも、それを伝えるための演出も極まったものを感じました。キャラクターもそれぞれ、物語上の役割というのがしっかりしているのですが、その上で個々の人物としての描かれ方も濃くて。一部過激な表現があるので、苦手な方はそこだけ要注意ですが。

vanillaice:はじめの過激なシーンで面食らいましたが、濃厚なアクションノベルでしたね。

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『詩歌を嗜むRe』

さまざまなテーマでイベントが開催。海外作品も充実

友次郎:ほかに昨年の話題というと、夏をテーマにしたゲーム投稿イベント「フリゲ展!theFinal 夏(フリゲ展夏)」が個人的にアツかったです。『終わり逝く星のクドリャフカ』『戦海ディザイア』など短編RPGの良作がありました。『戦海ディザイア』の作者さんは1年の間で、『ショコラいろのセレナーデ』でツクールの基本システム+αのまとまりの良い短編を作られて、『戦海ディザイア』でノンフィールドRPGをリリース。加えて現在開発中の新作では自作戦闘と、1作ごとにステップアップされているのが凄いなと思います。

年末に第1章まで版が出た『きみと ゆうきの ものがたり』もトップビューのアクションRPGとしてマップやゲームバランスの作り込みが良い感じなのですが、どちらかというと完成期待枠かも。

poroLogue:フリゲ展夏も良作が多かったですねえ。個人的には『アノ・リュンヌ・ソレイユ』など面白かったです。

vanillaice:ゲーム投稿イベントといいますと、昨年もウディコン(WOLF RPGエディターコンテスト)が開催されましたね。クッキークリッカーやハクスラ、ドット絵盛りだくさんといったゲームが大好物の私は『Rush Dungeons!β』にハマりました。

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『Rush Dungeons!β』

poroLogue:vanillaiceさんには2016年のおすすめフリゲ・インディー作品を挙げる記事でも『Rush Dungeons!β』について語っていただきましたが、「放置ゲーだけど、放置するのはもったいない」というのはまさにと思いました。ウディコンだと個人的には『Defense Saviors』も、初心者におすすめできるシミュレーションゲームとして面白かったです。キャラもかわいい。総合グランプリに輝いた『収穫機道ろぼふぁーむ』といい、今回のウディコンはコンパクトにまとまった良作が多かった印象があります。

友次郎:良作短編~中編という流れがウディコンにも通じるのかもしれませんね。『いばらのうみ』もゴールまで30数歩という短いノンフィールドRPGですが、体験としては非常に濃いものでした。私は4周したので総プレイ時間は結構長くなりましたが(笑)。より効率的なプレイを追求するのが楽しいゲームだったので、メモを取りながら周回してました。

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『いばらのうみ』

ノンジャンル人生:『いばらのうみ』は挫折してしまったので、くやしいです!

poroLogue:ノンフィールドRPGは『三億年帝国の夢』などもあり、最近また増えてきた気がするので遊びたいですねえ。

友次郎:ノンフィールドRPGだと『ONE world QUEST』も面白かったです。ノンフィールドだとソロパーティとかコンパクトな作品が多い印象ですが、こちらはダンジョンハクスラ的な内容でキャラも多く、それでいてダンジョンはノンフィールドでサクサク進行という。

poroLogue:フリゲではありませんが『ShrineStory オヤシロ物語』もノンフィールドタイプで面白いですね。

友次郎:オヤシロ物語は、コミケで最初に持ち込んだ数が売れてしまい、そこからは名刺に手書きのダウンロードコードを頒布という形になった人気作ですね。自分はその手書き版を入手しました(笑)

vanillaice:もっとたくさんのフリーゲームを見てみたいという思いから、最近は海外のフリゲも触るようになりました。日本で親しまれている探索アドベンチャーを中心にプレイしています。

poroLogue:海外作品は増えてますよね。さっきvanillaiceさんが挙げてくれた『The Hotel 337』はかなり海外フリーゲームに近い作風だと思いますし、もしよければおすすめのゲームについて語ってもらえると。

vanillaice:昨年の海外フリゲですと、RPGツクール製の『Pocket Mirror』が真っ先に思い浮かびます。『Ib』や『魔女の家』といったフリゲに影響された謎解きホラーアドベンチャーなのですが、馴染み深い作風になっていて一気に飲み込まれました。

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『Pocket Mirror』

poroLogue:元がツクール製のフリゲで、いまでは有償作品としてリメイクされた海外作品『OneShot』もアートワークや仕掛けなどが素晴らしいですね。現在、日本語ローカライズもされている作品で、リリースが待たれます。

vanillaice:『OneShot』の翻訳版、楽しみです!あと海外のゲーム投稿サイト「itch.io」で開催された「Pixel Horror Jam」というゲーム制作イベントでは、謎解きがメインの『Lavender』などをプレイしていました。このPixel Horrorという言葉は、『Ib』や『魔女の家』といった日本のフリーゲームにも関わりがあります。

lavender

『Lavender』

poroLogue:そんなイベントがあったんですね。

vanillaice:もぐらゲームスでは昨年、「itch.io」でのゲームボーイ風をテーマとしたゲーム制作イベントの記事がありましたね。なんという名前でしたっけ。

poroLogue:GBJAM 5」(関連記事)ですか?

vanillaice:そうです!そちらのイベントでは、日本発の『SHINKENDO』をプレイしていました。使える技が2つだけのシンプルな格ゲーなのですが、何も考えずに特攻して終盤で見事に撃沈。何度か挑戦するうちに間合いを気にするようになって、自然と技の出し方がわかっていく、という華麗なる流れを体験しました。

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『SHINKENDO』

友次郎:フリゲ展夏といい、特定のテーマからゲームが生まれるというのも興味深いですね。

vanillaice:他に印象に残った海外フリゲですと『The Huntress of the Hollow』を挙げたくなります。おとぎ話のような短編RPGです。海外フリゲとして話題になった『OFF』の戦闘が好きな方はニヤリとするかもしれません。色使いはゲームボーイ時代のポケモンに影響を受けているそうなんですが、とても綺麗でした。

huntress

『The Huntress of the Hollow』

友次郎:海外作品の話からは逸れちゃいますが、ドットグラフィック的な話ですとアクションゲームの『赤い目のレシアス』が良かったです。ステージデザインも秀逸でした。昨年は海外インディーで『Momodora: 月下のレクイエム』(紹介記事)に『Rabi-ribi』(関連記事)と、キャラクターが可愛くてやり応えのあるサイドビュー探索アクションが目を惹きましたが、そういった作品が好きなら本作もお勧めです。現状、第1話までですが結構遊び応えのある内容でした。

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『赤い目のレシアス』

poroLogue:『赤い目のレシアス』はプレイしましたが、キャラデザインも凄く作り込まれてましたね。今後が楽しみです。

魅力的なゲームは尽きず。ホラーゲームも引き続き人気

ノンジャンル人生:フリゲやインディーも魅力的なゲームが多すぎて、ちょっと遊んで目移りしてしまうことってよくあります。

友次郎:昨年、特に11月中盤から気になる作品が次々にリリースされていて、徐々にプレイしていますがなかなか追い付きません……。

vanillaice:積み重なっているゲームの数はもう数えていません(汗)

ノンジャンル人生:去年話題になっていて、個人的にもヒットしたのが『高速廻転寿司』です。寿司でレースする奇抜さと、ちゃんとレースゲームとして成立しているのがツボにはまりました。でもこれ、2015年制作のゲームなんですよね。いつブームが来るかなんて誰にもわからないもんですね。

poroLogue:実況などで同時多発的に取り上げられてましたね。ふとしたきっかけが流行に。

vanillaice:まさに疾走するように、新鮮な寿司ブームがありました。レース系のフリゲが話題になるというのは珍しい光景でしたね。

『高速廻転寿司』と同じくUnity製の『言霊の迷宮』も独特なフリゲです。しりとりをしながら進んでいくローグライク風のゲームなのですが、緊張の連続で常に発想力が試されます。語彙力とタイピングに自信ありという方に限界までプレイしてほしいなぁと。

kotodama

『言霊の迷宮』

ノンジャンル人生:そういえばホラーゲームの話はまだでしたね。ホラゲもコンパクトになっている傾向はあるのでしょうか?

poroLogue:そうですねえ。多くの作品が出ている分、ゲームデザインが洗練されてきているような。最近だと『徒花の館』(紹介記事)がよかったです。厳密にはホラーゲームというか特殊なジャンルなんですが。

adabana

『徒花の館』

vanillaice:主人公が殺人鬼というだけでも「おっ?」と思っていました。初回プレイのやり直し無しでのイカサマ勝負が楽しかったです。こういう頭脳バトル系はもっと遊んでみたいなあ。

poroLogue:クリアまでに2時間ほどで、それぞれルールの違う「ライアーゲーム」風の心理戦が複数あって面白いんですよね。

友次郎:『徒花の館』、Twitterでも話題になっていて気になってたんですよね。2時間くらいなら気軽にできそうですし、やってみようかな。

vanillaice:他に注目されたホラーフリーゲームといいますと『狂い月』(紹介記事)や『トラウマ*トラウム 翠眼の人形』(紹介記事)、そして台湾発の『ファウストの悪夢』(紹介記事)などがありましたね。ホラーアドベンチャーはこれからも不動の人気を誇っていくことでしょう。

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『狂い月』

2016年の一推し作品、そして今後の期待作は!?

poroLogue:最後に、これまでもう出ているかもしれませんが、皆さんの「2016年のフリゲで個人的に推したい作品」「今後楽しみにしているフリゲ」を改めて語ってもらえればと。

ノンジャンル人生:『箱庭えくすぷろーら』や『メイジの転生録』は記事に書いたので、そのほか一作挙げるとしたら……『デッドラインのその先で』、これですね。

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『デッドラインのその先で』

vanillaice:未プレイでした。どんなゲームなんです?

ノンジャンル人生:死んでしまった冴えない父親が、娘を守るため奔走する話です。パズルを解きながら進んでいくのですが、話も丁寧で、めちゃくちゃ感情移入してしまいました。ぜひどうぞ~。

今後楽しみな作品は……気になる大作RPGが今年5本ほどリリースされそうなんですが、完成を急かしてしまうかもしれないのであえて答えません!

vanillaice:うーむ、気になります!さて自分は、イチオシは『Pocket Mirror』です。日本語版が出る予定は今のところありませんが、もし翻訳されることがあれば日本でも多くの人に遊ばれてほしいという思いも込めています。

これから楽しみな作品については……先ほど触れた『The Hotel 337』です。挙げていくとキリがないですが、他には『ムラサキ』の続編や『帽子世界』のリニューアル版、あと『星の王女さま』にも注目していきたいです。

友次郎:『星の王女さま』、年末に公開されたデモムービーを見ましたが本当に楽しみですね。

私の一推しは……改めて、という感じですが『アイマス』です。短編・中編RPGが豊作と感じた今年を象徴する作品として挙げさせていただきます。

そして楽しみにしているフリゲは……ノンジャンル人生さんが開発中の探索RPGです。

ノンジャンル人生:!?

友次郎:驚かせてしまい恐縮です(汗)とはいえ全く他意はなく、純粋に以前プレイさせていただいた体験版が面白かったので……完成を楽しみにしております。

ノンジャンル人生:名作が数々挙げられていてハードルが高すぎるのですが……制作はぼちぼち進んでいるので頑張りますね。

友次郎:あとは有償同人なので参考程度ですが、フリゲ界隈繋がりでいうと稲穂スタジオさんの『アスクギア』が楽しみです。

ノンジャンル人生:有償ありなら……友次郎さんがツイートされていた『イストワール』ライクな新作も気になっています。イベントに行かないと買えないのですか?

友次郎:Eulogia/IXNOS』ですね。あれは気になりますねー。体験版も面白かったです。 今回の体験版はイベントのみだったようです。完成版がどうなるかは不明ですが、一般的にはショップ委託やダウンロード販売などもよくあるので、期待したいですね。

あとはまだ完全にこれからですが、SmokingWOLFさんが新作に着手されるようで楽しみにしています(編注:その後ゲームの概要などが発表されている)。

poroLogue:ロードマップのしっかりした報告になっているというのがさすがですね(笑)

友次郎:熟練者ですね……。

poroLogue:最後に自分ですね。結構迷ったのですが、やはり2016年の推しは『ヴェスタリアサーガ』かなと。この作品の出自を考えると「特別枠」な感じがあるんですが、ゲームデザインや作劇など学ぶことの多かった作品なので、よりプレイされてほしいなと思いました。

ノンジャンル人生:第一線を駆けてきた方なので、お手本になりますよね。

友次郎:poroLogueさんらしい選定だと思います~!SRPGもじっくりプレイしたい作品が沢山あります……。

poroLogue:今後の期待作は……個人的にはやっぱり『フシギセブン』(関連記事)かなと。世界観や文章、システムの独特な雰囲気が前作から好きなので、楽しみにしている作品です。

ノンジャンル人生:12月に体験版が出たとき、Twitterのタイムラインに衝撃が走ってました。

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『フシギセブン』(体験版)

vanillaice:そういえば百騎録も気になっています。

友次郎:そうそう、百騎録も期待の作品でしたね。どの程度開発が進んでいるのかわからないので言及しそびれていました。

poroLogue:『メイジの百騎録』、開発状況を見ていると意外と形になっている気もしますが、どのくらいのボリュームなんでしょうね。とはいえ開発中ゲームの情報があるということ自体が希望です……。

ノンジャンル人生:そうですよね……。『Elona』の作者さんの新作『Elin』(関連記事)も出ることになりましたし!

poroLogue:完成時期はまだまだ先のようですが、楽しみすぎますね!昔からいた作者さんの活動が活発になりそうな年でもあります。

ノンジャンル人生:『Elin』はむしろ買わせて下さいという気持ちです。

poroLogue:Steamへの登録を目指しているとのことですので、有償になるのかもしれませんね。

vanillaice:2016年の終わり頃、Twitterのトレンドに『Elona』があったのはびっくりしました(笑)

ノンジャンル人生:ファンの方の漫画がきっかけでしたっけ?

poroLogue:そうでしょうね。漫画がリツイートされてトレンドに。

vanillaice:いかにフリーダムなゲームなのかがよく伝わってきます(笑)

友次郎:おーなるほど、この漫画は拝見していましたがこんなに広まったんですねえ。凄い!

ノンジャンル人生:フリゲを語ると、やっぱりElonaにたどり着きますね。

poroLogue:確かにそれはある……。

といったところで、開始から実に5時間超!いったん座談会はこのあたりで閉めますかね。たぶん、区切りをつけないとエンドレスで語れると思うので(笑)

友次郎:了解です、いやー楽しかったです!ありがとうございました。2016年を語り尽くした……!

ノンジャンル人生:楽しかったです(笑)

vanillaice:あらためて振り返ると、とても充実した年でした!

poroLogue:本当にそうですね。今回はご参加ありがとうございました!


強制横スクロールRPG『片道勇者』次回作のゲーム概要や画面ラフが公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は人気RPG次回作の情報公開や新作フリゲRPG・SRPG公開など8本です。

SmokingWOLF氏、『片道勇者』次回作のゲーム概要、画面ラフ公開

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ゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」や強制横スクロールRPG『片道勇者』などの作者として知られるSmokingWOLF氏は17日、現在開発中の『片道勇者』次回作のゲーム概要やゲーム画面のラフ画像をブログにて公開した。

『片道勇者』は、フィールドが強制的に横スクロールしてくシステムが特徴のローグライクRPG。次回作もこのコンセプトを踏襲しつつ、大きな変更としてカードを使ってアイテムやスキルを表現する、カードゲーム的なシステムとなることが今回公表された。プレイ中にデッキへカードを足したり抜いたりして臨機応変にデッキを強化していく、デッキ構築型ゲームのようにアイテムやスキルなどのリソースを管理していく形となるようだ。また、フィールドがヘクスマップとなるのも注目の変更点と言えるだろう。

今回公開されたラフ画像は実際のゲーム画面ではなくあくまで完成イメージのイラストだが、スキルやアイテムがカードとして並ぶ様子や、『片道勇者』にもあった「覚醒」システムの存在などを見て取ることができる。なお、同氏のブログでは引き続き、イメージイラストに込められたさまざまな特徴について紹介されていく模様。

フリゲ短編RPG『雛鳥フェアリーテイル』公開

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青汁氏は19日、ノンフィールドRPG『雛鳥フェアリーテイル』を公開した。おばあさんから家の裏山へ、薬草を採りに行くように頼まれた少女が主人公の短編フリーゲーム。公称プレイ時間は15~40分となっている。

さまざまな魔法から6つまでをあらかじめセットして戦闘で利用するシステムや、戦闘中の行動で溜まるTPを使用し、ターンを消費せず即時発動する「即応魔法」が特徴。TPは多く溜まるほど与ダメージが増え被ダメージが減るほか、即応魔法は再使用にクールタイムが設定されているため、TPの管理や即応魔法の使い所など、戦術的なバトルを楽しめる作品となっている。

敵を倒して入手できるManaを使って装備品などのアイテムを生成する要素もあり、アイテムは損失なしでManaに還元することも可能。変更可能な装備枠は計6つあり、キャラクターカスタマイズの戦略も醍醐味だ。

フィールド進行中は少女のモノローグを任意で閲覧できるほか、回想シーンなども挟まれる。少女の秘めた想いが徐々に明かされていくシナリオも見どころだ。

フリゲSRPG『ロンドリア物語2』公開

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ひーりんまる氏は17日、フリーゲームのシミュレーションRPG『ロンドリア物語2』を公開した。

昨年公開された『ロンドリア物語』の続編。魔法使いの少女リアを始めとした前作でおなじみのキャラクター達や新キャラクター達による、新たな戦いが描かれる。「SRPG Studio」製で、システムはオーソドックスな交互ターン制。

難易度が複数用意されており、キャラクターロストの有無も選択可能。アニメ調のキャラクターグラフィックやキャラクター同士のコミカルな掛け合いも魅力となっている。

超水道、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』第3話ブラウザ版公開

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創作ユニット超水道は18日、デンシ・グラフィックノベル『ghostpia』第3話「はたらくしごとをみつける日」のブラウザ版をノベルスフィアにて無償公開した。

『ghostpia』は雪に閉ざされた、幽霊の住む町を舞台にしたノベル作品(関連記事)。第3話では主人公の小夜子と新人幽霊のヨルによる仕事探しや、そこから巻き起こる騒動などが描かれる。第3話のiOS版は5月末に配信されており、ブラウザ版は後日公開予定となっていた。

スマホ向け物理パズルゲーム『Slash/Dots.』配信開始

個人開発者のNASPAPA氏は、物理パズルゲーム『Slash/Dots.(スラッシュ/ドッツ.)』の配信を開始した。Android版およびiOS版が提供されている。

サイドビューの画面上に配置されている木を任意の位置で切ることにより、道を作ったりギミックを作動させてボールを動かし、ボール同士をぶつけることでステージをクリアしていく作品。ジャンプ台や歯車、ドミノといったギミックが用意され、100以上のステージを収録しているとのこと。

ドットグラフィックエディタ「GraphicsGale」フリーソフト化

graphicsgale

ADV・ノベルゲーム制作ツール「LiveMaker」の開発元としても知られる有限会社ヒューマンバランスは18日、同社が有償販売していたグラフィックエディタ「GraphicsGale」をフリーソフト化した。

ゲーム素材やアイコンなど、ドット絵の編集に適した機能を持つグラフィックエディタで、アニメーションにも対応。レイヤー機能や各種エフェクトなども搭載している。

Creative Freaks、無償で利用できる背景イラスト素材を提供開始

株式会社Creative Freaksは17日、ゲーム制作などに無償で利用できる背景イラストの配布を開始した。執筆時現在は「女の子の部屋」のイラストが数点公開されており、加工や商用利用も可能。イラストは以後も随時追加予定とのこと。

同社は京都府にあるスマートフォンアプリの開発会社で、イラスト制作事業も行っているという。

「デジゲー博2017」のサークル参加要項が公開

デジゲー博準備会は21日、同人・インディーゲームの展示・即売会「デジゲー博2017」のサークル参加要項を公開した。サークル参加の申し込みは7月1日より受付開始となる予定。

今回のデジゲー博は秋葉原UDX2階のアキバ・スクエアに加え、4階のUDXギャラリーも会場として開催される。4階は3m四方のフリーレイアウトで通路側を除く3方向に仕切りが設けられ、VRや全身認識などの広さを要する展示に適しているとのこと。なお、2階での展示とはサークル参加費や申し込み期限などが異なっている。

フリーゲーム短編ADV『アントールの犬』 一人の男の人生と、共に歩んだ犬たちの物語

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古来より犬は人間の良きパートナーとして共に暮らしてきた。言葉は通じず意思疎通を卒なくこなすことも難しいが、親愛の情を持って接してくれる彼らを家族同然の存在と考える人も多いだろう。

しかし犬と人間とでは決定的に違うものがある。それは寿命だ。犬に与えられた一生は、人のものとは違いすぎる。それ故に同じ時間を生きながらも、ずっと一緒に生きていくということは叶わない。

今回紹介するのは、一人の男の長い人生と、彼に寄り添い共に歩んでいった犬たちの物語である。
 
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緻密なドット絵とシンプルな進行が想像力を掻き立てる

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『アントールの犬』は、以前もぐらゲームスでも紹介した『狂い月』などを手掛けたゲームサークル「3色ぱん」によるドット絵で描かれた横スクロール短編アドベンチャーだ。WOLF RPGエディターの練習も兼ねて3色ぱんのグラフィックス担当がほぼ一人で制作したタイトルだということで、現在の所は自サイトのみで公開されている。

しかしビジュアル、演出面を取っても非常に丁寧な作りとなっており、決して安直ではない、心を震わせる体験になることは筆者が保証しよう。

ピアノの美しい旋律が流れるタイトル画面から「walk」を選びゲームを開始すると、何者かの独白が浮かび、ほどなく暗闇の中に身体を伏せている一頭のボーダーコリーが見えてくる。鼻の先には黄色い蝶が止まっている。時間が停止しているかのような静寂。飛び立つ蝶。背後から一人の妊婦が近づいてくる。街灯が点滅し、一人と一頭はゆっくりと暗い路地を歩いて行く…
 
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幕間に挿入される短い独白を除けば、このゲームにテキストは一切存在しない。キャラクターたちの遣り取りは、吹き出しに表示されるイラストと身振り手振りだけで表現される。

またゲーム内の操作は基本的に「歩く」「調べる」のみで、選択肢やアクション要素はなく、ゲームオーバーもない。一本道であり移動箇所も制限されているので、誰がプレイしてもおおよそ40分前後で終わるだろう。セーブ機能すらないのだ。
 
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極めてシンプルかつ直線的な進行と聞いて、淡白なゲームプレイを想像するかもしれない。しかし緻密に描き込まれたドット絵と、キャラクターたちの活き活きとしたアニメーション、シーンに応じて効果的に使われるサウンドは想像力を刺激し、いつしかその世界に惹き込まれてしまうだろう。キャラクターたちの息遣いや遣り取りがはっきりと聞こえてくるようだ。

時間の流れと、出会いと、別れと

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『アントールの犬』で描かれるのは、ある男と家族の日常だ。そしてその傍らにはいつも犬がいる。彼らももちろん家族の一員だ。その舞台となるのは彼らの家に限定され、ユーモアをたっぷり交えて繰り広げられるイベントはさながら海外ホームコメディの味わいがある。

また物語を進めていくことで劇中の時間も過ぎていくようになっており、冒頭では妊婦だった女性が次のシーンではお腹が小さくなり家の中には乳母車が置いてある、といったように、一つの家庭の時代と共に移ろっていく様子が語られていくのだ。
 
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それら時間の経過による変化が、細部に渡って丁寧に描写されているのは特に注目すべき点だろう。例えば冷蔵庫が大きな物に買い換えられているのを見て家族が増えたことを実感するし、対岸に見える街並みでは古くなった建物が取り壊され新しいビルが建っていく、出会いと別れを繰り返す家族の記憶は写真の形をとって飾られ増えていく。そういった一家を取り巻く環境一つ一つの変化に、語られていないストーリーが宿っているのを感じて欲しい。

また、一つのシーンが終わり、次のシーンへ移行する際は、街灯に照らされた暗い路地を男と犬が一緒に歩いていく演出が取られている。

この暗い路地は単なるシーン間の繋ぎとしてではなく、ある概念を表しているのだ。暗闇に浮かびあがる犬と過ごした楽しげな記憶、一度踏み出してしまえば二度と後には引き返せない歩み、そしていつのまにか途中でいなくなってしまう犬、これらを顧みれば自ずと理解できるだろう。

他でもないプレイヤーの手でその一歩一歩を歩んでいくこと、それこそ、この作品がゲームという媒体を選んで表現された意味なのだと。

このゲームをプレイするにあたって、心構えのようなものは何もない。ただ1時間弱のまとまった時間を確保するだけ。それだけでいい。

あなたが今も歩んでいるその一歩に、この『アントールの犬』を加えて欲しいと願う。

[基本情報]
タイトル:『アントールの犬』
ジャンル:短編アドベンチャー
製作者:3色ぱん(製作者様サイトはこちら
クリア時間:約40分
対応OS:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちらから
https://3colors-bread.com/dog/index.html

ブラウザSFフリゲアドベンチャー『PROTOCOL』900年の彼方から想いを繋ぐ、約束の物語

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神々の機織りである織姫星が、牛飼いの彦星と出会い相思相愛になるも、二人の仲を危惧した神様に天の川で引き離され、一年に一度、七月七日にだけ会うことを許される…という七夕の伝承は、一般によく知られている物語のひとつだろう。
今回はそんな「星々を巡る想いの物語」がひとつ届けられてきたので、それを紹介したい。

『PROTOCOL』はまんまるくま氏の制作によるSFアドベンチャーゲーム。5月17日よりWebサイトにて公開されている。

Adobe Flashを使用しておりPCのWebブラウザ上でプレイすることができるが、各Webブラウザの現行のFlashへの対応状況から、WindowsではFirefox、MacではSafariが専用ブラウザとして規定されている。動作条件の詳細については公式サイトを参照してほしい。

毎日1時間の作業をコツコツと積み重ね、7年がかりで完成させた作品となっており、Flashの特性を活かしたフルアニメーション&フルボイスの力作に仕上がっている。

遠く離れた星の彼方で、物語は幕を開ける

舞台は西暦3931年、地球より16光年離れた場所にあるアルタイル星系第三惑星フォートテナール。その近郊にある探査船のドックに、宇宙を漂流していた脱出ポッドが漂着する。
やがて脱出ポッドの中からひとりの男が目を覚ますが、男は漂流の影響か、自らの記憶を失った状態となっていた。

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ドックに廃棄されていた作業艇の中から、汎用人工知能デバイス「RAY-NOARE SYSTEM 25」通称「レア」を発見し、彼女のサポートを受けて探査船の内部に入ることに成功する。
しかし探査船の中はとうの昔――およそ900年前に無人となっており、船内の各所に走るヒビや慌ただしい録音音声など、何らかの事故が起きたことをうかがわせる痕跡が数多く残されていた。

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加えてレアの内部にもアクセスすることができないメモリー領域が存在し、言うなれば部分的な記憶喪失の状態にあるという。

900年前の探査船内で何が行われていたのだろうか?そして何が起きたのだろうか?
漂流者とレアがそれぞれ失った記憶とは果たして何なのだろうか?
それらの謎を解き明かし、彼らは無事に生還することができるだろうか?

スムーズ操作の「トリガーコマンド」で宇宙船内を探索しよう

本作は画面内にあるオブジェクトをマウスでクリックして調べていくことで進行するポイント&クリック型のアドベンチャーゲームとなっている。

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最大の特色は「調べる」「開ける」「取る」「使う」などの動作をマウスホイールを回転させて選択する「トリガーコマンド」だ。
この「トリガーコマンド」により、逐一カーソルを操作してメニューからコマンドやアイテムを選択するという手間無しにワンハンドで探索に集中できるようになっており、新鮮な操作感覚をもたらしている。

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主な探索箇所はオート起動する「サーチモード」により表示されるが、サーチモードで示された箇所以外の部分もよく観察し、怪しそうな箇所は念入りに何度も調べたり叩いたりしてみることが重要だ。

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また、序盤で入手する人工知能デバイス「レア」は、様々な機器に備え付けられた「ソケット」へ接続することができる。レアは探査船内のことに詳しいので、彼女と会話したり、彼女に機器を動作させてもらうことでも道が開けるだろう。

先へ進むためのカギになるものは巧妙に隠されている。筆者のプレイ時には公式サイト内のヒントページありきでも数日行き詰まることもあった。本作の謎解きは決して生易しいものではない。

何が手掛かりとなるのか、よく見て、よく聞いて、よく考え、時には過去にも遡って情報を整理し、行動へと移していこう。
また、6月12日付のアップデートにより「ヒントモード」が搭載された。謎解きは苦手と言う人やどうしても行き詰った場合には活用してみよう。

アンドロイド・ガールに首ったけ!

本作は全部で5つのエピソードから構成されている。
そのなかでも文字通りの花形となるのが、中盤からの登場となるアンドロイドの少女の存在だ。彼女は無邪気かつ食いしん坊な性格でこちらを面食らわせてくれるが、そこがまた愛嬌ともいえる。

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映像投影の特技を披露して、このドヤ顔。
 
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たこ焼きのことを「かわいい!」と言う彼女。だが食べる。
 
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崩落のあったエリアでもこの調子である。お前それどこから見つけてきたの…

際限がないのでこのあたりで止めにするが、冒頭で述べた通りのフルアニメーション&フルボイスで、とにかくイキイキとした表情と仕草を見せてくれる。一方でやや頑固で寂しがり屋な側面も持っており、そんな彼女に対する「あるコマンドの使い方」も印象に残る。

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彼女もまた探査船の事をよく知る人物として、船内の探索を進めていくうえでの良き相棒として活躍する。そして、果てしない年月の間隙をつなげる鍵として、やがて彼女自身の存在こそが探索の原動力となる時が来るだろう。

900年の彼方から想いを繋ぐ、約束の物語。その結末はどうかその目で見届けてほしい。

[基本情報]
タイトル: PROTOCOL(プロトコル)
制作者: まんまるくま
クリア時間: 8時間~
対応OS: PCブラウザ(詳細な動作条件は公式サイトにて掲載)
価格: フリープレイ

↓ゲームプレイはこちらから
http://www.geocities.jp/protocol_game/

シネマティック・アドベンチャーノベル『fault – SILENCE THE PEDANT』体験版公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はノベルゲーム体験版の公開など6本です。

ALICE IN DISSONANCE、シネマティック・アドベンチャーノベル『fault – SILENCE THE PEDANT』体験版公開

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同人ゲームサークルALICE IN DISSONANCEは、シネマティック・アドベンチャーノベル『fault – SILENCE THE PEDANT』の体験版をSteamにて配信開始した。

『fault – SILENCE THE PEDANT』は、マナクラフトと呼ばれる技術のある世界を舞台とし、とある事件で国を離れた姫セルフィーネと、そのガーディアンであるリトナの帰郷の旅を描く連作ノベルゲームの第3作。第1作の5年前、ガーディアンとなる前のリトナを主人公とした前日譚であり、前2作をプレイしていなくても楽しめるという。

場所を選んでの移動、一部シーンでのポイント・アンド・クリックやアイテム等によるゲーム進行といった、アドベンチャーゲーム的な要素が加わっているのもこれまでのシリーズ作品にはない特徴となる。精細に描き込まれフルHD環境でも綺麗に表示されるグラフィック、レイヤー分けされた背景やイベントスチルのパララックス(視差効果)による奥行きの演出や立体的なカメラワーク、UIデザインなども見どころだ。

海底を目指すアクションゲーム『in:dark – インダーク』スマホ向けにリリース

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個人ゲーム開発者のおづみかん氏は6月28日、アクションゲーム『in:dark – インダーク』をリリースした。Android版iOS版が提供されている。

身体とむきだしの魂が一本の鎖で繋ぎ留められた主人公が、タップによる炎攻撃やフリックによるダッシュタックル、魂が敵に噛みつく「ソウルたべ」を駆使しながら海底を目指していく作品。敵を倒して「カルマ」を集めることで主人公が強化されるとともに混濁した記憶が復元されていき、ストーリーが浮かび上がっていく。

RayarkのSFアクション『IMPLOSION』Nintendo Switch版の配信日決定、ティザームービー公開

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音楽ゲーム『Deemo』などで知られる台湾のゲームデベロッパーRayark Inc.のSFアクションゲーム『IMPLOSION(インプロージョン)』のNintendo Switch版の配信日が7月6日に決定した。ダウンロード専売ソフトで、発売元はフライハイワークス株式会社。配信に先立ってティザームービーが公開されている。

シンプルな操作性で爽快な本格アクションが楽しめる作品で、ハイクオリティなグラフィックやフルオーケストラによる楽曲なども特徴。Nintendo Switch版は日本語音声となっており、ストーリーはフルボイス。石川界人さん、瀬戸麻沙美さんといった豪華声優陣も魅力だ。

Playdeadのインディーゲーム『LIMBO』『INSIDE』PS4版のバンドル版が配信開始

Playdeadのインディーゲーム『LIMBO』『INSIDE』PS4版をセットにした『LIMBO + INSIDE バンドル』の配信が6月29日に開始された。

影絵によるグラフィックや高い難易度などが特徴の『LIMBO』と、言葉を使わずにストーリーを構築している『INSIDE』(紹介記事)、いずれもインディーゲームの名作とされる作品を収録。それぞれを単品で購入するより安価に購入できる。

ayato sound create、『classical music for games vol.3超絶技巧戦闘曲集』ダウンロード販売開始

ayato sound createは6月26日、『classical music for games vol.3超絶技巧戦闘曲集』のダウンロード販売を開始した。

ショパン、リスト、ラフマニノフのクラシック楽曲を、戦闘曲風にアレンジした楽曲を9曲収録。ファイル形式はWAVE、MP3、Ogg Vorbisおよびループタグ付きOgg Vorbisが用意されている。

『ムラサキ』続編のタイトルが『ムラサキ劍』となることが明らかに

カタテマの爆発パズル物理アクションゲーム『ムラサキ』続編のタイトルが『ムラサキ劍』となることが6月26日に、同サイトのブログにて明らかになった。続編については昨年12月に製作中であること、メインスタッフは前作と共通であることが公表されている。

フリーホラーゲーム『666laboratory』 少女のカウンセリングから、「あなた」が生き残るアドベンチャー

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ゲームは、どれほど自由度があっても、どうしても「受け身」にならざるを得ない部分がある。

ゲームを起動し、画面を表示させ、その「枠組み」にのっとってプレイする。「村人A」に自分から話しかけるところでさえ、「A」のセリフを与えられているという側面は否定できない。

通常、「会話」というのは、ゲームの基本を成す。もちろん音ゲーやパズルゲー、シューティングのように「会話がなくてもよい」ゲームはあるし、あるいは「ゆめにっき」のように会話を意図的に(そして徹底的に)廃したゲームも存在する。

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だが「会話」がゲームにおいて重要なのは変わらない。
物語を盛り上げ、情報を知り、親睦を深める。謎を解き、魔王を倒し、意中の彼女をゲットする。

『666laboratory』は、そんな「会話」をするゲームだ。

あなたは新米のカウンセラーである。「イオ」という名の少女の、担当を任された。

もちろん彼女は問題を持っている。カウンセラーにかかる人の、ほぼ全てがそうであるように。

ただ彼女は妙なのだ。「直接会うことが許されない」。彼女とのカウンセリングは、「デバイス」の電話機能を使って行なわれる。そしてデバイスには「ライブラリ」機能があり、あなたは会話に出てきた気になる「単語」を調べて、物語を進めていく。

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例えば「イオ」が、日曜にやっているテレビアニメのキャラクターが好きだと話す。あなたはそのアニメについて調べ、おもちゃを買ってあげるよう先輩に頼む。

あるいは、「イオ」の前の担当の話が出てくる。あなたはそのカウンセラーについて調べ、すでに彼女が「退職」していることを知る。

何も知らされていない「あなた」が少女について知り、謎を解き、選択をし、そして彼女の誕生日である七日目を迎える。このゲームに、その七日目より先はない。

登場人物を書いておこう。

主人公
「666laboratory」に赴任した新任のカウンセラー。カツラギいわく「腕はいい」らしい。

イオ
主人公が担当する少女。8歳。自分は「出来」が悪いと、気に病んでいる。アニメの「プリエル」が好き。

カツラギ
主人公の先輩。長めのぼさぼさ頭で、顔は隠れている。映画の「スーパーウォーズ」のファン。主人公より多くの情報を持っており、いろいろアドバイスをしてくれる。
 
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『666laboratory』のゲームシステムは、開始冒頭でのカツラギの説明にほぼ集約される。すなわち「デバイス」のデスクトップにある「通話アプリ」で「イオ」と話し、「ライブラリ」で「気になる言葉」を確認する。基本はこれだけであり、これ以外の要素は取り払われている。

しかし、注意しなければならないことが2つある。

イオに気に入られなければならない

ウソをついてはいけない(イオに「ウソをつかれた」と思われてはいけない)

このゲームはホラーアドベンチャーだが、更に細かく言えば「閉鎖空間からの脱出」である。

赴任した「あなた」は、決して無理に閉じ込められているわけではない。雇われの身ではあるが、「イオ」のように隔離されているわけではないようだ。

しかし、ゲームシステムとしては、ずっと「デバイス」の前に張りついているし、この機械を通じた動作しかできない。会話の相手も、「イオ」と「カツラギ」しかいない。

この状況を「無事」に切り抜けるのが、あなたの目的となる。

『666laboratory』は、プレイ時間が30分ほどの、短編である。

ただ、「デバイス」という端末に縛られていること、会話でさえ電話のみであること、情報集めが「検索」なこと、そして「カウンセラー」という職業設定など、短いながらも極めて現代的な要素を持つゲームと言える。

ゲーム内のあなたが、危険を回避しようと必死に思考を働かせたのでなく、最終段階で実は自分が無事に済む選択をそれまで選んでいたと気づくところも、漠然とした不安を抱えた現代の、人知の及ばなさを表しているように感じる。

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『666laboratory』は、プレイ時間に限って言えば、通勤通学の電車の中なのでやるのにうってつけのゲームだろう。

しかし、個人的には、夕方から夜に変わる暗がりのなか、机に向かい、まるで本当に「デバイス」を操作しているようにプレイすることをお勧めしたい。

BGMもSEも、それぞれ片手で間に合う数しかないが、どれも雰囲気にあっている。特に「電話の着信音」は、プレイ開始直後とクリア後ではまったく印象が変わるはずだ。

短い時間で、「ぐっ」とのめりこむホラーゲームを求めている方には、うってつけだろう。ダウンロードも原則不要で楽しめる。

ただ、一箇所だけショッキングな場面があるので、そこは注意を促しておく。

【基本情報】
タイトル:『666laboratory』
制作者:HIJIKI
製作ツール:RPGツクールMV
クリア時間:30分~
対応OS:Windows/XP/Vista/7/8/10 及びスマートホン(safari,chromeがお勧めブラウザ)
価格:無料

プレイはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14751

制作者様サイト
http://kurage06.web.fc2.com

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